「部屋に見慣れない虫が発生したけど、何という種類だろう?」
「このまま放っておいたらまずいのかな……」
ゴミ屋敷化してしまった家に虫が現れて、不安に思っている方もいるのではないでしょうか?部屋の中に、得体の知れない虫がいるのは怖いですよね。
生ゴミや食べカスが放置されたゴミ屋敷に発生しやすい虫は、以下の通りです。
- ハエ・コバエ
- ゴキブリ
- ヒメカツオブシムシ
- チャタテムシ
- アシタカグモ
- シミ(紙魚)
- ウジ虫
ハエやゴキブリは出現率が高い虫ですが、病原菌やウィルスを媒介し、人に健康被害を与える衛生害虫に分類されます。ハエは、胃がんや潰瘍の原因となるピロリ菌を運んでいるという研究結果も報告されています。
虫による問題は、自らの健康被害だけではありません。近隣住民とのトラブルや、賃貸の場合は退去時の高額請求など、長期的な問題に発展する可能性もあります。
「山積みになったゴミの下に虫が隠れていた」「今まで見たことがない虫が現れた」という場合は、かなり不衛生なので要注意。もしハエの幼虫であるウジ虫が湧いてしまったら、非常に危険な状態です。急いで対処しないと、大きなトラブルにつながりかねません。
今の虫の発生状況がどの程度危険なのか把握したうえで、正しい対策を取りましょう。
この記事を読めば、家に発生した虫の種類や危険度が判断できます。また、害虫被害を避けるための対処法もわかります。
害虫をスムーズに駆除し、あなたの健康を守るために、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
1.ゴミ屋敷に出現する率が高い虫TOP7
ゴミ屋敷化してしまった家には、どのような虫が発生する確率が高いか気になりますよね。ここでは、ハエやゴキブリなどのよく見るものから、得体の知れない珍しい虫まで、出現率の高い順に紹介します。
それぞれの虫がどのようなケースで発生しやすいのかもあわせて解説します。季節やゴミの状況、家の中のエリアによっても、発生しやすい虫が異なるので、自分の家の状況と照らし合わせてチェックしてみてください。
1-1.【1位】ハエ・コバエ
ハエやコバエは、出現率が最も高い害虫の1つ。ゴミ屋敷と呼ぶほどゴミが溜まっていない家でも、ハエはすぐに現れます。すでにハエに悩まされている人も多いのではないでしょうか?
ハエ類は生ゴミの腐敗臭や配管の悪臭を好み、窓のちょっとした隙間からでも侵入。腐敗臭と言っても、ハエは犬にも勝るほどの嗅覚を持っているので、ほんのわずかな食べ残しや野菜の切れ端が腐りかけた臭いでも嗅ぎ分けて集まってきます。
そして腐った食べ物や汚れた配管に産卵。卵から成虫になるまで2週間程度なので、気がついたら家中がハエやコバエだらけになっていた!という事態もあり得ます。
ハエは、出現率が高い虫であるにもかかわらず、病原菌を運ぶことでも知られています。国際研究チームの分析によると、ハエは胃がんや潰瘍の原因にもなるピロリ菌を含め、数百種類の細菌を持っていることが判明。
最初の対処を怠り、ハエが大量発生すると、病気にかかる恐れもあるため注意しましょう。
1-2.【2位】ゴキブリ
ゴキブリにも種類がありますが、ゴミ屋敷に多く発生するのは「チャバネゴキブリ」と「クロゴキブリ」。これらのゴキブリもハエ類と並んで頻出する害虫です。
ゴキブリは、湿度が高く、通気性の悪い場所を好む生き物。雑食で、食事の食べこぼしや調理ゴミ、人間の皮膚や髪の毛、爪、ホコリ、ダンボールなど何でも食べます。さらに、少ない栄養で長く生きる厄介な虫です。
餌が多く、ゴキブリが好む水場であるキッチンは、ゴキブリが出やすい危険地帯。台所周りでゴキブリをよく見る人も多いのではないでしょうか?
また、ゴキブリは暗くて狭い場所を好みます。そのため、ゴミの山に身を隠せるゴミ屋敷は、ゴキブリにとって絶好の住み家。長い間換気をしておらずジメッとした部屋は、水場でなくともゴキブリが住みやすい環境です。
ゴキブリは、およそ3億年前から地球に存在し、「生きた化石」とも言われるほど、生命力の強い害虫。数匹殺虫剤で退治したくらいでは、駆除しきれません。ゴミ山の下で知らないうちに大量発生している可能性も。
後ほど詳しく説明しますが、ゴキブリも健康に害を与える虫なので、はやめに対処しましょう。
1-3.【3位】チャタテムシ
チャタテムシは、1~2mm程度と小さく、茶色の体をしています。とても小さいので、ダニと間違えられやすい虫です。
お米や小麦粉の中に姿を現すことが多く、主にカビを食べて繁殖しています。チャタテムシはなんと、メスのみで繁殖できるというので驚き。
カビ以外にも、床の食べこぼしや人のフケ、本の糊などを餌にします。そして、高温多湿でホコリの多い場所を好む虫なので、布団の下やクローゼット、本棚などに住みついていることが多いです。
チャタテムシは小さくて見えづらいですが、湿気やホコリが溜まり、豊富な餌が散乱しているゴミ屋敷には、高確率で生息しています。
梅雨は特に、チャタテムシが大量発生しやすい時期。チャタテムシ自体は毒を持たず、人を吸血・刺咬することもありません。しかし、チャタテムシを食べて生きるツメダニは、人を刺して皮膚炎を発症させることがあるので、チャタテムシがいる状態は好ましくありません。
チャタテムシの餌となるカビや結露の発生を防ぐために、こまめな部屋の換気を心がけてください。
1-4.【4位】ヒメカツオブシムシ
ヒメカツオブシムシは、その名の通り「カツオ節」を好んで食べる虫です。カツオ節のほかにも、穀物や豆類、羊毛や絹を使った衣類などを餌にします。
そのため、クローゼットやタンスにしまわれた洋服、長期保存している乾燥食品の中でよく発見されます。餌となる服や食べ物が床に散乱しているゴミ屋敷は、ヒメカツオブシムシにとって天国なのです。
成虫は茶色で4~5mm程度の姿をしています。また、見たことのないピンク色の虫が現れたら、ヒメカツオブシムシの幼虫であることが多いです。洋服の虫食いや、食品への虫混入が増える前兆なので、見つけたら駆除しましょう。
ハエやゴキブリはゴミ屋敷以外にもよく現れますが、ヒメカツオブシムシはゴミ屋敷で特に大量発生しやすい特有の虫です。ヒメカツオブシムシが現れたら、立派なゴミ屋敷の仲間入り!かもしれません。
手がつけられないほど状況が悪化する前に、床に散らかっている食べカスを掃除し、脱ぎっぱなしの服を片付けましょう。
1-5.【5位】アシダカグモ
アシダカグモは、見たことがない人も多いでしょう。脚が長く、全長約13cmもある大きなクモです。大きいものは、体長が手のひらサイズほどもあるので、見つけた人はびっくりしてしまうはず。
実はアシタカグモは、ゴキブリやハエ、蛾、蚊などの害虫を捕食するので「益虫」に位置付けられています。アシダカグモが数匹いれば、ゴキブリが全滅するといわれるほど、人にとって強い味方。
とはいえ、そのクモがいるということは、餌となる害虫が大量にいるということです。アシダカグモを目撃した場合は、ゴミ屋敷度合いがかなり進行していると考えてよいでしょう。
アシダカグモ自体は、人体に危害を加えないため、見つけても放置でOK。しかし、アシダカグモの餌となる害虫には問題があるため、早めに掃除に取り掛かかるのがおすすめです。
1-6.【6位】シミ(紙魚)
シミとは、体長8~10mmほどで、3本の長い尾と触覚、銀色に光るウロコを持つ虫です。夜行性なので、薄暗い場所に生息し、素早く床を這って動き回ります。
あまり見慣れない分、夜いきなり目の前に現れたときには、容姿の奇妙さに驚いた人も多いのではないでしょうか?
シミは漢字で「紙魚」と書くように、書籍や新聞などの紙類が好物。本や書類の山に潜んでいるケースが多いです。
そして、壁と床の隙間や、フローリング・壁のひび割れなど、小さな隙間を出入りして移動します。寿命が7~8年は長く、何も食べなくても1年近く生きるので、一度発生すると、何度も見かけることに。
見た目は気持ち悪いですが、人を刺したり噛んだりすることはありません。しかし、シミが好む環境は、不衛生で人間に健康被害を与えやすい環境です。
放置してアレルギーや病気にかからないために、床や本棚、クローゼットのホコリを取り除き、定期的に換気をしましょう。
1-7.【7位】ウジ虫(蛆虫)
出現率は1番低いものの、現れたらかなりヤバイのがウジ虫。
ウジ虫は、体長1cm程度で半透明の姿をしたハエの幼虫です。ハエはゴミ屋敷でなくともよく現れますが、ウジ虫の状態で目にすることはごく稀。
そのため、家の中でウジ虫の大群を目撃した場合は、かなり深刻な状況です。
ウジ虫の親であるハエは、排泄物や生ゴミ、腐乱肉の臭いに引き寄せられて産卵。1度に50~100個以上の卵を産みつけるので、一斉に孵化すると大量のウジ虫が湧いた状態となります。
卵は、半日~数日程度で孵化し、サナギを経て2週間程度で成虫に育ちます。
ウジ虫はビジュアルが気持ち悪いだけでなく、ハエになって病原菌を運び、健康被害を及ぼします。他の害虫と比べて出現率が低い分、危険度は高いので、きちんと対策を取りましょう。
2.ゴミ屋敷に虫が発生する原因
出現率の高い虫の種類がわかりましたが、これらの虫はなぜ家の中に発生するのでしょうか?ゴミ屋敷に虫が発生しやすい3つの原因について説明します。
2-1.原因1:虫の餌となる生ゴミが多い
ゴミ屋敷に害虫が多いのは、餌である生ゴミや汚れが豊富だからです。
ハエやゴキブリ、チャタテムシなどの害虫は、食事の残飯や食べこぼし、調理時に出た野菜や肉の切れ端などの生ゴミを食べて生活します。ゴミ袋に入ったままの生ゴミが腐敗すると、臭いを嗅ぎつけた虫が集結。ゴミの量が増えれば増えるほど、虫の数も増える傾向があります。
さらに、排水口の汚れを好む虫も多いので、キッチン周りは特に害虫が発生しやすい場所です。ゴキブリやハエを見るときは、台所周りが多いですよね。
水回りが不衛生で部屋中に食べカスが落ちているゴミ屋敷は、虫の餌が常に充実している状態。ゴミ屋敷にいれば、餌に困らないため、いろいろな虫が次々と集まってきしまうのです。
2-2.原因2:大量のゴミが虫の隠れ場所となる
ゴミ屋敷は、虫が隠れられる場所が多いことも、発生原因の1つです。
家の中にやって来た虫たちも、人間に簡単に駆除されたくはありません。そのため、通常は冷蔵庫の後ろや食器棚の片隅など、人に見つかりにくい隠れ場所を探します。
しかし、床一面にゴミが広がっているゴミ屋敷は、すでに虫が人間に捕まらないよう身を隠しやすい環境です。長年敷きっぱなしになっている布団や、捨てずに放置されているゴミ袋の下、散らかっている書類の隙間など、虫は家中どこにでも隠れられます。
そのため、家の中に虫が潜んでいても、気づかずに放置してしまうこともしばしば。少し物を持ち上げたら、害虫がびっしり!という状況はよくあることです。
2-3.原因3:掃除をしない間に虫が繁殖する
ゴミ屋敷は、長期間掃除をしていないため、虫が繁殖してしまいます。
食べかけのごはんや、食べ終わった弁当の容器に虫が集まってきても、すぐにゴミを捨てれば、その場から虫はいなくなります。しかし、ゴミを片付けずに放置している場合、虫はその場にとどまり、産卵することも。
そして、卵がかえって成虫になり、その虫がまた卵を産み、悪循環が生まれます。コバエなど、虫の餌となる虫も増えることで、どんどん害虫たちが増加してしまうのです。
ハエは産卵からわずか2週間ほどで成虫に変態。また、ゴキブリは1匹いれば100匹いるとよく言われますが、1匹のゴキブリのメスは一生に500匹もの子どもを産みます。
害虫はそれほど繁殖能力が高いので、しばらく掃除をしていないゴミ屋敷は、あっという間に家中が虫だらけになってしまいます。
3.ゴミ屋敷の虫による健康被害
ゴミ屋敷に虫が発生しても、人体に害がないなら気にしないという方もいるかもしれません。しかしゴミ屋敷の害虫は、人間に健康被害を与えます。
ゴミ屋敷に住む害虫は、腐った生ゴミや排水口など、不衛生な場所を移動しているので、さまざまな病原菌が付着している状態です。ハエやゴキブリが大腸菌やサルモネラ菌、赤痢菌などを媒介し、人間にうつす例もあります。
ハエやゴキブリが運ぶ病原体と、かかりやすい病気の症状は以下の通りです。
病原体の種類 | 症状 |
---|---|
サルモネラ菌 | おう吐や下痢、発熱、腹痛、消化器系の症状が出る |
ピロリ菌 | 胃もたれや吐き気、腹痛を繰り返す。胃炎や胃がんの原因となる |
赤痢菌 | 初期に1〜2日程度の高熱、激しい下痢や発熱、血便をもよおす |
A型肝炎ウイルス(HAV) | 平均28日間の潜伏期間ののち、発熱や頭痛、食思不振、嘔吐、黄疸などの症状が現れる |
また、虫の死骸やフンが空気中に漂うことで、皮膚のかゆみや湿疹、喘息や気管支炎など、皮膚・呼吸器系のアレルギーを引き起こすことも。
これらの病気は、直接ゴキブリやハエを素手で触っていなくても、発症する可能性があります。ゴミ屋敷の虫は、見た目が不快なだけでなく、人体に害を及ぼすリスクがあるため、放置し続けてはいけません。
4.ゴミ屋敷の虫を放置したことで発生するトラブル
ゴミ屋敷の虫を放置したとき、健康被害以外にも、トラブルの危険性はあるのでしょうか?
今はそれほど実感がないかもしれませんが、状況が悪化すると、今後の人生に大きく影響する可能性があります。それでは、詳しく見ていきましょう。
4-1.増えすぎた虫が移動し、隣人トラブルにつながる
増殖した虫は、家から外に出て行きます。
マンションやアパートの場合、虫はベランダから隣や下の階の部屋に移動します。また、共有スペースに虫が増え、トラブルにつながる可能性も高いです。一軒家は、マンションの一室より規模が大きい分、虫の量が膨大になり、地域一帯に影響が及びます。
実際に、「大阪市のいわゆる「ごみ屋敷」の現状について」では、「ごみ屋敷」の周辺地域に対する影響を調査。ゴミ屋敷の周辺住民が「通常生活に支障がある」と答えた32件のうち、19件が「ネズミ・ハエ等の害虫被害」を訴えていました。
自分は平気でも近所の人に迷惑がかかってしまうと大問題です。状況が悪化すれば、隣人トラブルが原因で今の家に住み続けられなくなることもあります。
大規模なクレームや人間関係のいざこざが発生する前に、害虫対策をしましょう。
4-2.賃貸の場合、退去時に高額の修繕費を請求される
虫を放置していると、転勤や引っ越しが決まってマンションやアパートを退去するときに、家主から高額請求される可能性があります。
虫のフンや死骸による汚れや染み、悪臭が残っている場合、そのままでは次の入居者が入れないので、修繕費を支払わなければなりません。クリーニングに加え、フローリングやクロスの張り替えが必要となり、原状回復費用として50万円以上請求されるケースも。
害虫が発生したゴミ屋敷を放置していると、健康面や隣人関係の問題だけでなく、金銭的な負担も発生してしまうのです。
5.害虫被害の危険度チェック
ゴミ屋敷に現れる虫の種類や、放置することによる問題はわかりましたが、「この程度の虫の数ならまだ大丈夫だろう」と油断している人もいるかもしれません。手遅れになる前に、今の状況がどの程度深刻なのかチェックしてみましょう。
5-1.ゴミ屋敷の虫は、不快害虫・衛生害虫・経済害虫に分類される
まずゴミ屋敷の虫は、不快害虫・衛生害虫・経済害虫の3つに分類されます。
分類 | 説明 | 代表的な虫 |
---|---|---|
不快害虫 | 毒性や人に危害を与えることはないが、心理的な不快感を与える害虫 | クモ・アリ・ヤスデなど |
衛生害虫 | 病原菌やウィルスを媒介し、人の疾病の原因となるなど、衛生上の損害を与える害虫 | ゴキブリ・ハエ・ダニ・蚊・ノミ・シラミ・ハチなど |
経済害虫 | 家財や食品などに害を及ぼし、経済的な損失を与える害虫 | シロアリ・ヒメカツオブシムシ・チャタテムシ・シミ・アブラムシなど |
ちなみにゴキブリは、不快害虫・衛生害虫・経済害虫の3つすべてに該当します。
5-2.衛生害虫・経済害虫が複数発生していたら危険のサイン
衛生害虫と経済害虫が発生したら、危険度が高いと考えましょう。
不快害虫・衛生害虫・経済害虫の3種類の中でもっとも警戒すべきは、衛生害虫です。衛生害虫が増えると、自らの健康状態を悪化させる可能性が高いためです。
また、経済害虫が増え、壁や畳、家具の虫食いやフンによる汚れなどが発生すると、修繕費がかさんでしまいます。
では実際に、深刻な害虫被害を受けているゴミ屋敷は、どの程度存在するのでしょうか?
日本都市センター研究室による「都市自治体の「住居荒廃」問題に関するアンケート 集計結果」では、「いわゆるゴミ屋敷」594件について調査。害虫被害の進行度などでレベル分けした件数は、以下の通りです。
レベル | 状態 |
---|---|
レベル1 | 病害虫やネズミ等の存在がうかがわれる ※その他の項目省略 |
レベル2 | 病害虫やネズミ等が容易に目視できる ※その他の項目省略 |
レベル3 | 病害虫やネズミ等が蔓延している ※その他の項目省略 |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 無回答 | 合計 |
---|---|---|---|---|
277 | 137 | 141 | 39 | 594 |
46.6% | 23.1% | 23.7% | 6.6% | 100% |
例えば、「毎日のようにハエやゴキブリを見る」「ヒメカツオブシムシやチャタテムシなど、今まで見たことのない種類が現れた」という場合はレベル2、「家中の至る所にハエの群れがたかっている」「物を持ち上げたら虫がびっしりついていた」「ウジ虫が湧いている」のような場合はレベル3と考えてよいでしょう。
アンケート結果によると、ゴミ屋敷の約半数がすでにレベル2以上の深刻度であることがわかります。
レベル2・3のゴミ屋敷は、害虫の数や発生頻度から、かなり不衛生な環境です。病気にかかる可能性が高いので、急いで対処してください。
6.ゴミ屋敷に発生した虫の対処法2つ
ゴミ屋敷に発生した虫の対処方法は、大きく分けて2つあります。
6-1.①自分でできる「掃除・殺虫・消毒」の3ステップ
1つ目は、自分で害虫を駆除する方法です。
自分でできる害虫駆除3STEP
●STEP1 掃除
まずは床に散らかったゴミを片付けましょう。軍手とゴミ袋(可燃・不燃・その他)を用意し、足元の空になった弁当の容器や食べカス、脱ぎっぱなしの洋服などを仕分けていきます。
最初は、大きなゴミではなく、食事によって出たゴミを優先的に捨ててください。ゴミがまとまったら、ゴミ収集日に所定の場所に出しましょう。
ゴミ袋を長期間家の中に置いておかないために、ゴミの日の前日に掃除をするのがおすすめです。
●STEP2 殺虫
次に殺虫剤を使って虫を退治します。スプレータイプでは虫が逃げ隠れしやすいので、置き型の燻煙剤がおすすめです。
ゴミの影に隠れた虫たちを退治するために、殺虫剤は多めに用意しましょう。しかし、火災や爆発事故の危険性もあるため、殺虫剤を噴射したあとは、忘れずに換気してください。
●STEP3 消毒
最後に掃除機やクイックルワイパーで細かいゴミやホコリを除去。そして仕上げに、洗剤を使ってモップや雑巾がけをします。
生ゴミから出た液体が床や壁に付着していると、また害虫が寄ってきてしまうので、入念に落としましょう。
「ゴミが溜まって足の踏み場がなくなってしまった」「たまに見かける害虫が気になる」という人は、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。
6-2.②大量の虫がいるハードなゴミ屋敷は「清掃業者」に依頼
2つ目は、プロの掃除業者に駆除してもらう方法です。
ゴミが膝丈まで溜まり、2〜3種類以上の虫が毎日のように発生している場合は、専門業者に任せるのが吉。そこまでの状況となると、市販の殺虫剤を撒いただけでは、効果が薄かったり一時的だったりします。
害虫発生の原因を根本から断ち、再発を防ぐためには、家の中のゴミをすべて片付けて、害虫を駆除し、除菌・消臭まで、徹底的にやる必要があります。これらを自分1人でやるには、かかる時間や労力も膨大です。
多少の費用はかかりますが、掃除業者に依頼すれば1日で、希望によっては深夜のうちに、確実に嫌な害虫を駆除できます。
7.ウジ虫が湧いたら、すぐに専門業者に問い合わせを
もし家にウジ虫が湧いてしまったら、今すぐ対処が必要なレベルです。
ウジ虫がいるということは、腐った生ゴミが放置されているということ。間違いなく、ほかの害虫も住み着いています。ひどい悪臭や家財被害も発生しているでしょう。
ここまでくると、ゴミや不用品を片付けるだけでなく、特殊清掃が必要です。特殊清掃とは、通常のハウスクリーニングで取りきれない汚れや悪臭などを除去するための清掃方法。オゾン燻蒸や薬剤噴霧などの特殊な技術を使います。
ゴミ屋敷の清掃を特殊清掃業者に依頼するべき理由は、以下の記事で詳しく解説しています。
特殊清掃業者は、国内に数多くありますが、許可や資格なしで営業している会社も存在しているのが事実。清掃を依頼する場合は、優良な業者を選ぶことが重要です。
リスクベネフィットは、長年特殊清掃業界のトップを走り続ける特殊清掃専門会社。不用品の撤去だけでなく、完全消臭までできる特殊清掃の特許技術を築き上げています。
最近は、ダイヤモンドプリンセス号の除染にも携わり、リスクベネフィットが運営する特掃隊が有名になりました。
しかし、いざ依頼するとなると、プライバシーの問題などが気になるのではないでしょうか?
「女性のみで作業してほしい」「立会いなしで完了させたい」などの要望も多いため、リスクベネフィットはさまざまなコースをご用意しています。
家にウジ虫が発生したり、気持ち悪い虫が毎日のように現れたりする場合は、1日でも早く対処したいと思います。お問い合わせ時にいくつか質問させていただければ、お電話ですぐにお見積もり可能です。
まずは特殊清掃の料金を知りたいという場合や、サービスについての疑問点などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
8.まとめ
今回は、ゴミ屋敷に発生する虫の種類や原因、対策について解説しました。
ゴミ屋敷の虫には、ハエやゴキブリなどのよく知られているものから、シミやチャタテムシなど名前がわからないものまで、さまざまな種類が存在します。
家の中にゴミが散乱し、生ゴミが腐ったり、配管が汚れたりしていると、虫が臭いに引き寄せられてきます。そして、ゴミの影に身を隠して産卵し、繁殖してしまいます。
病原菌を持った衛生害虫が増えれば、健康被害のリスクも大きくなるもの。また害虫を放置しておくと、隣人トラブルや退去時の修繕費など、大きな問題に発展する可能性も少なくありません。
被害の浅い今のうちに、ゴミを片付け、置き型の殺虫剤を使って対処するのがおすすめです。もしすでにゴミが膝まで溜まって虫の発生状況がわからなかったり、ウジ虫が湧いていたりする場合は、すぐに専門業者に依頼しましょう。
家の中に得体の知れない虫が発生した状況では、不安や恐怖が大きいと思いますが、本記事があなたの健康的な生活のサポートにつながれば幸いです。