「今日も天井をネズミが走り回っているけど、放っておいて良いのかなぁ」
「台所でネズミを見かけたけど、何か問題はあるのかしら……」
ゴミ屋敷に住んでいる方の中には、身近にネズミがいる生活が当たり前になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もし身近にネズミがいるのなら、すぐにでもネズミを駆除してください。
放っておくと、
- 病気になる
- 糞や尿による悪臭・異臭
- 騒音
- 家財や建材への被害
- 食べ物への被害
- 近隣住民からのクレーム
- 火災
など様々な被害が出てきます。
でも、突然「すぐに駆除して!」と言われても、いったい何をどうすれば良いのかわかりませんよね……。
そんなあなたのために、この記事では「3ステップでネズミとゴミ屋敷の問題・不安を解消できる方法」をお伝えします。
1.ネズミが出るゴミ屋敷で起こる問題とその危険性
ゴミ屋敷にまつわるトラブルのなかでも、すぐに対処したほうが良いのがネズミによる被害です。
ネズミを放っておくと、病気になったり、火災が起きたりするおそれがあります。
ネズミによる主な被害を詳しく紹介します。
ネズミによる主な被害
- 病気になる
- 糞や尿による悪臭・異臭
- 騒音
- 家財や建材への被害
- 食べ物への被害
- 近隣住民からのクレーム
- 火災
1-1.病気になる
ネズミに噛まれたり、ネズミの糞や尿に汚染された食べ物を口にしたりすると病気に感染することがあります。
ネズミが媒介(ばいかい)する病気のなかには死に至る確率が高いものも少なくないので、少しでも気になる症状があったら早めに病院を受診しましょう。
ネズミが媒介する病気には、次のようなものがあります。
参考:東京都福祉保健局「東京都ねずみ防除指針(被害の実態)」
参考:国立感染上研究所感染症疫学センター
参考:MSDマニュアル家庭版
これらはあくまでもネズミが媒介する病気の一部です。なかでも感染するおそれがあり、なおかつ命にかかわる危険な病気を詳しく紹介します。
①鼠咬症(そこうしょう)
ネズミに噛まれることで感染する「鼠咬症」は、古くから「鼠毒(そどく)」として知られている病気です。戦後になって感染例は減りましたが、直近では1987年に睡眠中の女性がネズミに噛まれ、発症しています。
谷川 力による論文『家ネズミ類の生態・被害と防除』には、日本に生息するドブネズミの92%、クマネズミの58%は鼠咬症の原因となる病原菌を保有しているとあるため、ネズミがいる家で暮らしている限り感染は決して他人事ではありません。
適切な治療を受けないでいた場合、約10%の人が命を落とします。
②レプトスピラ症・重症型ワイル病
レプトスピラ症や重症型のワイル病も都内での感染・発症が確認されています。
2003年に国立感染症研究所が東京都で行なったドブネズミの捕獲調査では、22%のドブネズミから重症型のワイル病を引き起こすレプトスピラ菌が見つかりました。
ワイル病になると死亡することがあります。
③E型肝炎
2000~2002年に5つの都県で捕獲されたネズミのうち、ドブネズミの31.5%、クマネズミの13.1%がE型肝炎を引き起こす「HEVウイルス」の抗体を保有していることもわかりました。このことから、ネズミによってE型肝炎の感染が広がっていると推測されています。
E型肝炎はA型肝炎の10倍の致死率があり、妊婦さんの場合は20%が死に至る怖い病気です。
④ペスト
数ある病気のなかでもペストは特に高確率で死に至る病気で、14世紀で流行したときは全世界で推計5,000万人がペストによって命を落としました。
当時のヨーロッパの人口が7,000万~8,000万人であることを考えると、犠牲者がいかに多かったかがわかります。
大正時代を最後に日本では感染が確認されていませんが、アフリカや南米では今も感染者が見られるので、油断はできません。
ペストは腺ペスト・敗血症型ペスト・肺ペストの3タイプに分けられ、敗血症型ペストと肺ペストの場合は発症から24時間~3日以内に高確率で死亡します。
出典:国立感染症研究所「ペストとは」
出典:東京都福祉保健局「東京都ねずみ防除指針(被害の実態)」
出典:WHO. Plague.Fact sheet N°267.Updated November2014
出典:厚生労働省検疫所 「ペストについて(ファクトシート)」
ノミやダニによって皮膚炎になることも!
ネズミの体や巣に寄生しているノミやダニにも注意が必要です。刺されたり噛まれたりすると、強烈なかゆみと発疹を伴う皮膚炎になってしまうことがあります。
かゆみが治まらなければ居ても立ってもいられない・安眠できないだけでなく、人によっては発疹のあとが残ってしまうこともあるので、無視はできません。
ただかゆい・発疹が出るだけならまだ良い方で、かゆさのあまり体をかきむしることで傷ができると、そこから細菌やウイルスが入って感染症にもかかりやすくなります。
家にネズミが出た場合は、ネズミだけでなくノミ・ダニ対策も行いましょう。
1-2.糞や尿による悪臭・異臭
生ゴミが多いゴミ屋敷にはハエやゴキブリ、クモなどの小さな虫がたくさん発生します。すると、その虫を食べるためにネズミが集まってきて、家の中がネズミの糞尿まみれになってしまうことが珍しくありません。
ネズミの尿には、強い刺激臭があるアンモニアが含まれています。
結果として、ネズミの尿に含まれるアンモニアの悪臭が家全体だけでなく、家具や布団、身につける衣服にまでしみついてしまうのです。
ネズミの尿とゴミの臭いが混ざった悪臭が染みついた布団や衣服は、いくら洗濯しても臭いが取れません。むしろ柔軟剤や洗剤の香りと悪臭が混ざり合って、耐えられないような臭いになります。
自分では、鼻が麻痺していて気付かないかもしれませんが、他人は少しの臭いにも敏感です。口には出さなくても内心は……ということがあります。放っておくと、臭いが近隣の家にまで及ぶこともあるので要注意です。
ネズミの死骸が悪臭の原因であることも
ゴミ屋敷の悪臭は、ゴミの下で死んだネズミの死骸が腐乱した臭いのこともあります。
「気配がなくなったな」
「音がしなくなったな」
と思って安心していたら、実はネズミが天井裏、壁の中で死んでいたというケースは思いのほか多いものです。
ゴミ屋敷は、ゴミがあふれているためネズミの死骸が埋もれやすく、一般的な家に比べて見つけるのが難しくなります。死骸が見つからなければ、適切に処理することもできません。
当然、死骸を処理せずに放置していると腐乱するため、ただでさえ強い悪臭がますます強くなってしまいます。
死骸の腐乱臭は、死骸を片付けたあともしばらく残るだけでなく、市販の消臭剤では歯が立ちません。 ゴミ屋敷からネズミの気配が消えた・減った場合でも安心せず、消臭・消毒を行ないましょう。
1-3.騒音
ネズミは、騒音問題も引き起こします。騒音問題は、生活の質を著しく低下させるので、早めの対策が必要です。
家の中で聞こえる
- カリカリ、ガリガリ
- ドタドタ、バタバタ
- カサカサ
- チューチュー、キーキー
などの音は、ネズミによるものである可能性があります。。
カリカリ・ガリガリという音は、ネズミが木をかじっている音です。この音がしてくると、住んでいる家の建材が大ダメージを受けている可能性があります。
ネズミは夜行性で、夜になると活発に動き回ります。
ドタドタ・バタバタという天井を走り回る音、カサカサという断熱材の中を動く音が気になってくると、ぐっすり眠れず不眠・ノイローゼ気味になってしまう人もいるでしょう。
チューチュー・キーキーというネズミの鳴き声が聞こえるときは、家のなかにたくさんのネズミがいる証拠です。床下や天井、押し入れの天袋の中などの見えにくいところに巣を作っているかもしれません。
ネズミはとても繁殖力が強いので、「少しくらい大丈夫だろう」と放置しているとあっというまに増えて、自分では対処できなくなってしまいます。
1-4.家財や建材への被害
家具・家財や、家の建材への被害も甚大です。
ネズミはタンスなどの家具や柱などの建材をかじるだけでなく、ソファの中に巣を作ったり、布団やカーテンに尿をしたりすることもあります。
ネズミによってボロボロにされた柱や壁を放っておくと家はどんどん傷んでいき、最終的に住み続けられなくなってしまいます。建て替えやリフォームをするとなると、数十万の出費では済みません。
一度ネズミにかじられたり汚されたりしてしまった家具・家財は、買い替えたほうが良いでしょう。ネズミがもつ細菌やウイルスに汚染されていることもあり、不衛生です。
大きな家具や家財を買い替えたり、建て替え・リフォームをしたりするとなると、経済的にも大きな損失につながります。
1-5.食べ物への被害
ネズミがかじった食べ物を口にすると、食中毒や感染症になってしまうおそれがあるだけでなく、食べ物が無駄になってしまいます。
ネズミは雑食性で、人間の食べ物だけでなく、園芸肥料やペットのエサなどありとあらゆるものを食べます。
ゴミ屋敷のように、食べものが床やテーブルの上に置きっぱなしになっていたり、食べた後の食器・ゴミがそのままになっていたりする場所は、ネズミにとって食べ物に困らない天国のような場所です。
ネズミにかじられた食べ物は、ネズミの体についている菌や尿で汚染されるため、口にすると食中毒や感染症にかかるリスクが高くなります。
東京都福祉保健局「東京都ねずみ防除指針(被害の実態)」によると、1998年に千葉県の魚市場で捕獲したドブネズミの内10%が食中毒を引き起こす「サルモネラ菌」を保菌していたとあります。
サルモネラ菌は少量が体内に入っただけでも発症し、抵抗力のない子どもやお年寄りは重症化することがあるので、感染しないに越したことはありません。
参考:国立感染症研究所「サルモネラ感染症とは」
そのためには、ネズミに食べ物をかじられないように対策する・かじられた食べ物は食べずに廃棄するようにしましょう。
1-6.近隣住民からのクレーム
ネズミが出るようになると、近隣住民からクレームが来ることも考えられます。
ネズミの糞や尿による異臭・悪臭だけでなく、ネズミが近隣の家にも侵入して悪さをすることがあるためです。
「最近、ウチにもネズミが出るようになった」
「何度駆除しても、被害がなくならない」
近所でそんな噂を耳にしたときは、あなたの家がネズミの出所かもしれません。
ネズミが出るようなゴミ屋敷を放っておくと、住んでいる地域によっては条例で
- 行政からの改善指導
- 氏名の公表
- ゴミの強制撤去
などの対応がとられることがあります。
実際に、2013年に全国に先駆けてゴミ屋敷に関する条例が制定された足立区では、周辺住民に悪影響を及ぼすゴミ屋敷に対して次のことを行なっています。
- 適切に管理されていない土地の所有者に関する調査
- ゴミ屋敷に住む人への指導・勧告
- 指導に従わなかった場合、名前の公表
- 指導に従わなかった場合、改善の命令
- 命令に従わなかった場合、ゴミの強制撤去
氏名が公表されれば、ゴミ屋敷の住人であることが広く知れ渡り、引っ越して新しい生活を始めることも難しくなるでしょう。
新しく家を借りようとしても、「貸した家・部屋がゴミ屋敷にされてしまうかもしれない」という理由で不動産会社に断られる可能性もあります。
1-7.火災
ネズミによって火災が起きることもあります。
それは、ネズミがコード類やガス管・チューブをよくかじるからです。
東京都福祉保健局「東京都ねずみ防除指針(被害の実態)」によると、平成8年から15年の間に起ったネズミが原因の火災の総件数は97件に上っています。
電気機器の配線や家電のコードなどがかじられて漏電・ショートが起き、それが原因で火災になってしまうほか、冷蔵庫の基盤などにネズミの尿がかかったことで絶縁し、出火するケースもあります。
以下は、ネズミが原因で起こった火事の件数です。台所がネズミによる火災の火元になりやすいことがわかります。
※東京都福祉保健局「東京都ねずみ防除指針(被害の実態)」より
キュービクル(高圧受変電設備)がある家は珍しいですが、ガス管やチューブはどこの家にでもあるものです。
ガス管やチューブといったガスの接続具がかじられると、そこからガスが漏れて爆発や大規模火災につながることがあります。
台所のガス管やチューブは油や調味料が付きやすいため、ネズミにかじられやすいです。調理が終わったらガス管・チューブをきれいに拭くなどして、ネズミが寄ってこないようにしましょう。
ほかには、高熱になるものの近くに巣を作ったことで、巣の材料が発火して火事になるケースもあります。
ネズミがコードをかじったり、尿を掛けたりしたことでガス漏れ・漏電・ショート・引火して火災になった場合、基本的に火災保険が下りません。
火災の場合、自宅だけでなく周囲の家にも被害が及ぶことが多く、損害賠償を請求されることもあります。火災保険が下りないケースでは、それらの金額も全額自分で負担しなければなりません。
2.ゴミ屋敷でネズミが出ないようにする3ステップ
「こんなに様々な問題が起こるなら、一刻も早くネズミを家から追い出したい!」と思うなら、とにかくゴミ屋敷を片付け、ネズミが好む環境をなくしましょう。
次の3ステップを確実に実行すれば、ネズミの影におびえる毎日にピリオドが打てます。
- STEP1.ゴミ屋敷を片付ける
- STEP2.ネズミを駆除する
- STEP3.ネズミの侵入・繁殖を防ぐ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.【STEP1】ゴミ屋敷を片付ける
まずはゴミ屋敷と化している家を片付けましょう。
ネズミは、ゴミが少しでも溜まると発生するハエやゴキブリなどを求めてやってきます。
ゴミ屋敷を片付けるときはゴミをすべて処分し、小さな虫や害虫が発生しない状態を目標にしてください。
ゴミの量によっては時間がかかるかもしれませんが、行動しなければ変わりません。まずは手が付けられるところから始めてみましょう。
ゴミ屋敷を片付ける際は、主に3つの方法があります。
- 自力で行なう
- 業者に依頼する
- 2つを併用する
の3つです。
自力でやる場合と業者に頼む場合、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どの方法で家の中を片付けるか決めましょう。
2-1-1.自力で片付ける場合
少しでも安く片付けたいなら、自力で片付けるのがおすすめです。
ただし、費用は少なくて済みますが、消臭や消毒が行き届かないことがあります。不潔なところに虫がわくとネズミが戻ってきてしまうおそれがあるので、消毒作業だけでもプロに依頼することを検討してください。
ゴミ屋敷の片付けを始める際は、必要な道具を揃え、片付ける場所や作業時間の段取りを組んでから始めましょう。
必要な道具は、次のリストの通りです。
必要な道具を揃えたら、次の手順でゴミ屋敷を掃除していきます。
まずは、とにかく溜まっているゴミを分別しながら処分することに力を入れましょう。一度に広い範囲を片付けようとせず、ゴミが少ない部屋から少しずつ作業していくのがポイントです。片付ける場所を1メートル四方に区切って、少しずつ片付けるのも良いでしょう。
詳しいゴミ屋敷の片付け方は、次の記事で紹介しています。こちらもぜひ参考にしてください。
2-1-2.片付け業者に依頼する場合
片付け業者に依頼するメリットは、
- 手間がかからない
- スピーディーに片付けてもらえる
- 専用の薬剤や機械を使って、隅々まで徹底的に消毒・消臭してくれる
ことです。
臭いや衛生面が気になるのであれば、業者に依頼すると良いでしょう。
しかし、ゴミの量や部屋の状態によっては1部屋でも結構な金額がかかるというデメリットもあります。
次の表は、実際に全国で広くゴミ屋敷の片付けを手掛けている業者の料金をもとに算出した、間取り別の作業時間と費用の相場一覧です。
間取り | 作業時間 | 費用 |
---|---|---|
1R/1K | 1〜2時間 | 26,500円〜50,000円 |
1DK/2K | 2〜3時間 | 33,000円〜80,000円 |
1LDK/2DK | 2〜4時間 | 49,500円〜121,000円 |
2LDK | 3〜5時間 | 110,000円〜154,000円 |
3DK/3LDK | 4〜6時間 | 129,000円〜209,000円 |
4DK/4LDK | 5〜7時間 | 169,000円〜246,000円 |
料金は、作業に従事するスタッフの人数やゴミの量によって変わるので、幅を持たせています。
もっと詳しくゴミ屋敷を片付ける費用が知りたい場合は、次の記事も参考にしてください。
- 2階以上のアパートやマンションに住んでいる
- ゴミが大量にある(膝より上にゴミが溜まっている)
いずれかの条件に当てはまる場合は、追加費用が掛かることがあります。正確な費用を知るためにも、メールや電話だけで依頼せず、まずは業者に見積もりに来てもらいましょう。
清掃業者の場合、ネズミの駆除までは行なっていないことがあります。その場合は別途ネズミ駆除を専門業者に依頼するなどの対応が必要です。
業者を選ぶ際は、作業範囲をよく確認して選んでください。
2-1-3.自力と業者の2つを併用する場合
「自力ですべて行うのは不安だけれど、できるだけ片付け費用を抑えたい」というときは2つのやり方を併用するのがおすすめです。
自力で片付けられるところは片付け、処分できるものは処分してから片付けを業者に依頼すると、すべて業者に依頼するよりも費用が抑えられます。
なぜなら、ゴミの量が多ければ多いほど、業者に依頼した場合の費用も高額になるからです。
ある程度自分で片付けてから業者に依頼すれば、ゴミの処分にかかる金額も、片付けに必要なスタッフの人数も少なくて済むため、コストを抑えてゴミ屋敷をきれいにできます。
2-2.【STEP2】ネズミを駆除する
ゴミ屋敷がきれいに片付いたら、家にいるネズミを駆除しましょう。
ネズミの駆除は、ネズミが戻ってこなくなるまで数ヶ月間続けて行うのが一般的です。
一時的にいなくなっても、徹底的に駆除しない限りネズミは必ず戻ってきます。
ネズミに怯えずに済む穏やかな暮らしを取り戻すには、ネズミが戻ってこなくなるまで根気強く駆除し続けるしかありません。
ネズミを駆除するには
- 業者に依頼する
- 自力で行なう
以上2つの方法があります。
自力で行なう場合、死骸処理の問題などがあるだけでなく、その場しのぎの対応になりがちなので、業者に依頼するのがおすすめです。
2-2-1.駆除を業者に依頼する場合
駆除を業者に依頼すると、自分では薬剤の散布や罠の設置が難しいところまでしっかり駆除してもらえるというメリットがあります。
デメリットは費用が掛かることです。
ネズミの駆除を業者に頼んだ場合の料金は、10~25万円程度とされています。家の広さや立地条件によって費用が変わるので、依頼する前に必ず見積もりを取りましょう。
業者によってはオプションで、ネズミ駆除を行なった後で侵入経路を塞いだり、周辺に殺鼠剤を撒くなどの予防処置を行ってくれることもあります。
2-2-2.自力でネズミを駆除する場合
「そんなにお金はかけられない!」
「できるだけ安く済ませたい!」
という場合は、市販のネズミ駆除アイテムを使って、自力で駆除するという方法もあります。
しかし、
- 効果の持続期間が短かい
- 自分で死骸を始末しなければならない
- こまめに対策をしなければならない
ので、おすすめしません。
それでも自力でネズミを駆除したいのであれば、
- 忌避剤(きひざい。ネズミよけ)を使う
- 超音波発生器を使う
- 粘着シートなどの罠を仕掛ける
- 毒餌(毒の入った餌)や殺鼠(さっそ)剤を使う
以上4つの方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを一覧表にまとめました。
ゴミ屋敷を片付けた直後であれば、忌避剤を使って家のなかに残っているネズミを追い出すことから始めましょう。
くん煙タイプの忌避剤は、家の隅々までしっかり成分が届きます。
一方で家具の表面や出しっぱなしにしてある食材にも薬剤がついてしまうおそれがあり、人によっては臭いが気になるのがデメリットです。
おすすめの忌避剤(くん煙タイプ)
出典:シマダ
シマダ『忌避スモークネズミ Z』
使いきりタイプのスモーク忌避剤です。 ネズミを約2日間寄せ付けないだけでなく、ネズミの糞や尿の臭いを消臭してくれます。 ボタンを押すだけで簡単に使えるのも魅力です。 使用開始から30分は入室を控えることで、より効果的にネズミを追い出せます。 粘着シートとの併用もおすすめです。
ピンポイントでネズミを追い払いたいのであれば、スプレータイプの忌避剤を使いましょう。
持続時間は数時間と短いですが、食べ物や家具への付着を心配せずに使えます。
おすすめの忌避剤(スプレータイプ)
出典:シマダ
シマダ『W効果 ネズミ忌避スプレー』
ハーブとシトロネラール、Wの成分でネズミを寄せ付けないスプレーです。
即効性があり、その効果は約6~12時間持続します。
ネズミを追い出すだけでなく、侵入も防止できるのがポイント。
天然成分を使用していますが、香りは強いです。
ネズミが嫌う超音波を出す装置を設置する方法もあります。臭いや成分を気にせず使える点は魅力ですが、ネズミが慣れてしまうと効果がなくなってしまうのが難点です。
おすすめの超音波発生装置
出典:セーブ・インダストリー
SAVE『電磁波超音波式 ネズミ撃退器 SV-2256』
ネズミが嫌う超音波と電磁波を発生させる装置です。
乾電池タイプと、コンセントに直接差し込むタイプがあります。
乾電池タイプであれば、電源がないところにも設置できて便利です。
キッチンなど薬剤を使いたくない場所に設置しましょう。
死骸を自分で始末するのに抵抗がないのであれば、毒餌と粘着シートを組み合わせて使うと良いでしょう。
ネズミが出そうなところに毒餌と粘着シートを置いて、それを食べたネズミが弱ったところを粘着シートで捕まえます。 それぞれ単体でも使えますが、組み合わせて使うとより効率的にネズミが駆除できますよ。
ただし、スーパーラットといって毒餌や殺鼠剤が効かないネズミも出てきています。
繰り返し駆除してもネズミの被害が一向に減らないときは、スーパーラットにも効く毒餌を使うか、一度専門の業者に相談してください。
おすすめの毒餌
出典:アース製薬
アース製薬『デスモアプロ トレータイプ』
濡れたところにも置けるトレータイプの毒餌です。
即効性がある「ジフェチアロール」を主成分にしています。
従来の毒餌に抵抗性があるスーパーラットにも効くのがポイントです。
おすすめの粘着シート
出典:高儀
高儀『粘着ねずみとりシート防水ブック型』
強力な粘着剤でネズミをしっかりつかまえるシートです。
防水タイプなので、濡れやすい場所にも設置できるのがポイント。
コの字型にも折りたたみやすく、狭い場所にも置きやすいです。
2-3.【STEP3】ネズミの侵入・繁殖を予防する
ネズミをしっかり駆除したら、仕上げにネズミが戻ってきても家の中に入れないような対策を行ないましょう。
自宅で簡単にできる対策は次の3つです。
2-3-1.侵入経路をふさぐ
通気口や配管周りのすきま、換気のために開けっ放しにしている窓や扉などは、ネズミの侵入経路になることが非常に多いです。
ネズミは、500円玉くらいの隙間があれば、簡単に侵入してきます。「これくらい小さな隙間なら大丈夫だろう」と思わず、徹底的にふさぎましょう。
ネズミの侵入を防ぐには、次の方法が効果的です。
防鼠剤入りの金たわしやパテ・セメント、防鼠スプレーはホームセンターなどで購入できます。いずれも数百円~1,000円程度ですが、繰り返し駆除する・購入することを考えるとそれなりにコストがかかるのがネックです。
おすすめの防鼠剤入り金網
出典:イカリ消毒
イカリ消毒『防鼠金網ソフト』
ネズミが嫌う亀甲金網です。 やわらかいので、広げて張るほか、丸めて配管などに詰め込むこともできます。
広げて張る場合は、二重三重に重ねて張るのがおすすめです。
設置する際は、ケガをしないように皮手袋をして作業しましょう。
おすすめの防鼠剤入りステンウール
出典:シマダ
シマダ『防そバリケード』
カットして使える防鼠剤入りステンウールです。
ネズミが嫌う辛み成分「カプサイシン」でコーティングされています。
錆びにくく、伸縮性があるので、侵入しそうな場所に隙間なく詰められるのが魅力です。
配管や雨戸の戸袋などをふさぐのに適しています。
おすすめの防鼠剤入りパテ
出典:シマダ
シマダ『ネズミ忌避パテZ 粘土タイプ』
唐辛子に含まれる辛み成分「カプサイシン」を配合した、粘度タイプのパテです。
付属の手袋をして、隙間を埋めるようにして使います。
少し大きめにカットして埋め込むのがきれいに埋めらるポイント。
壁のひび割れやかじられた跡のある穴や隙間などをふさぐのにぴったりです。
おすすめの防鼠スプレー
出典:イカリ消毒
イカリ消毒『ねずみがいやがるスプレー』
強力なハッカの臭いで、ネズミを寄せ付けないスプレーです。
特殊なノズルを使っているので、遠くまで薬剤を噴霧できます。
天然の芳香植物原料を使っているため、薬剤の体への影響が気になる方でも使いやすいです。
屋根裏や床下などスプレーしにくい場所に噴霧する時のために、長ノズルが付属しています。
2-3-2.食べ物を置きっぱなしにしない
ネズミは雑食性で、あらゆるものを食べます。人間の食べ物はもちろん、ネズミの餌になるようなものは床やテーブルに置きっぱなしにせず、ふたのついた容器や冷蔵庫などにしまうようにしましょう。
次のものは、ネズミのエサになることが多いです。
- 野菜
- 穀物
- 引き出しの中の調味料や保存食
- お仏壇のお供え
- 花
- せっけん
- ペットフード
- 園芸用の肥料
ネズミのエサになる物はできる限り容器に入れて保存してください。
厚みがある金属の容器は、ネズミにかじられる心配が少ないのでおすすめです。薄いアルミや薄いプラスチック容器の場合、ネズミがかじって穴を開けてしまうことがあります。
2-3-3.巣の材料を取り除く
長いこと着ていない衣服や、紙、ビニール類はネズミにとって具合の良い巣の材料です。こまめに片付ける・処分するなどして、出しっぱなしにしない・溜めないようにしましょう。
巣の材料になるものを置きっぱなしにしていると、あっという間に巣を作られてしまいます。こうなってしまっては、今までの努力が水の泡です。
天井裏や押し入れの中など、雨風が凌げて外敵に襲われにくい場所に巣を作られると、駆除するのも苦労します。ネズミはあっという間に増えるので、まずは巣を作らせないことが肝心です。
そのためには、ネズミの巣の材料になるようなものを置きっぱなしにせず、ふたがついた収納ボックスなどネズミが入ってこない場所にきちんと片付ける・処分することが重要です。
3.ネズミが2度と出ないようにするには専門業者に問い合わせを!
ネズミは、家のなかにゴミが溜まるとやってきます。ネズミが出ない家にするには、ゴミ屋敷をなくす・ゴミ屋敷にしないようにしましょう。
しかし、自分の力だけでネズミがいないきれいな家にするには、膨大な時間と手間がかかりますよね……。
そんなときは業者に依頼しましょう。費用はかかりますが、専用の道具や薬剤で隅々まで清掃・消毒もしてくれるので、ゴミ屋敷特有の悪臭や汚れもすっかりきれいになります。
ゴミ屋敷と化した家にネズミが出て怖い・不安な日々を送っている方は、是非この機会に専門業者にゴミ屋敷の清掃を依頼してください。
リスクベネフィットに片付けを依頼する
特殊清掃・災害復旧を専門に行う「リスクベネフィット」は、ゴミ屋敷の清掃も手掛けています。
清掃後の消毒作業は無料ですので、ゴミ屋敷を徹底的にきれいにしたい・衛生面にこだわりたい方に特におすすめです。
当社では「清掃作業+薬剤噴霧+オゾン燻蒸」と「臭気の見える化」を行なっております。
これまで目に見えなかった臭気成分を分析してデータ化することで、確実に消臭することが可能です。
特殊清掃の現場で培った特許技術で、気になる臭いの完全消臭をお約束します。
女性スタッフだけでの片付けや立ち合いなしでの清掃・ハウスクリーニングなど、お客様のニーズに合わせてオーダーメイドでプランをお作りしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
4.まとめ
ゴミ屋敷とネズミは密接に関係しています。
ゴミ屋敷もネズミも、放置しておいて良いことは一つもありません。
記事でも触れたとおり、ネズミを放置しておくと、以下の問題があります。
ネズミによる主な被害
- 病気になる
- 糞や尿による悪臭・異臭
- 騒音
- 家財や建材への被害
- 食べ物への被害
- 近隣住民からのクレーム
- 火災
ネズミによる感染症や悪臭・異臭、騒音などに怯えずに済む生活を手に入れたいなら、一刻も早くゴミ屋敷の片づけを始めましょう。
ゴミ屋敷である限り、ネズミは駆除しても戻ってきますし、ネズミの影に怯える生活が続きます。
ゴミ屋敷を片付ける場合
- 自力で行なう
- 業者に依頼する
- 2つを併用する方法
の3つがあります。
ネズミを駆除する際は、ゴミ屋敷をきれいに片付けてから徹底的に繰り返し駆除することが大切です。 そのうえで以下のようにして、ネズミが戻ってくるのを防ぎましょう。
ネズミが戻ってきても家の中に入れないような対策
- 侵入経路をふさぐ
- 食べ物を置きっぱなしにしない
- 巣の材料を取り除く
ゴミ屋敷の清掃やネズミの駆除は、自力でやるよりもプロに依頼するのがおすすめです。費用は掛かりますが、隅々まできれいに清掃・消毒してもらえます。
この記事が、ネズミが出るゴミ屋敷に悩む方がその生活から抜け出すのに役立てば幸いです。