「掃除しているのになぜか臭いが消えない」
「どこをどうやって掃除すれば臭いが消えるのか分からない」
と原因のわからないトイレの異臭に悩まされるのは辛いですよね。
トイレで発生する異臭は大きく3つに分けられ、臭いの発生源は以下のように7つに分けられます。
どんな臭い? | 臭いの発生源 | |
---|---|---|
【下水臭】 | ドブ | 排水溝 便器の底 |
【尿の臭い】 | アンモニア 公衆トイレ | 便器 壁や床 |
【カビ臭】 | 絵具 墨汁 ほこり | 便器 壁や床 タンク内 |
この原因をはっきりさせないまま、トイレの掃除をしてもなかなか現状の異臭を解消することはできません。さらに、手をこまねいている間に異臭はどんどん壁や床に臭いが染みついてしまい、自分では臭いを取り切れなくなってしまうケースもあります。
そうならないためには、早急に原因を特定し、対処しなくてはいけません。
この記事を読めば臭いの正体を探り当てて、効率よく消臭できる方法を知ることができます。
無駄な手間が省けるので、掃除を習慣化することもできるでしょう。
ではさっそく異臭の正体を探ってみましょう。
Contents
1. トイレの異臭は3種類ある
冒頭でも説明した通り、トイレの異臭には3種類あります。
- 下水臭
- 尿の臭い
- カビ臭
まずは自分の家のトイレの異臭がどれに当てはまるのかの判断をしましょう。
1-1. トイレの異臭①下水臭の特徴
下水臭は尿や便などのトイレっぽい臭いとは別物で、ドブのような臭いがします。水が腐ったと勘違いする人もいるようです。
下水臭がする時には一緒にこんな現象が起こります。
【トイレで下水臭が発生する時に起こりうること】
- ある日突然ひどいドブのような臭いがする
- 掃除しても臭いが消えない
- 便器の底の水が少ない気がする
- トイレ内に害虫や害虫の死骸がある
下水臭は普段はなじみのない臭いであるため「正体不明の異臭」と感じやすいでしょう。下水臭は生活排水である下水の嫌な臭いが下水道から上がって来るのが原因です。
自分の家のトイレの異臭は下水臭では?と思ったら、「トイレの異臭①下水臭の原因と対処法」をご覧ください。
1-2トイレの異臭②尿の臭いの特徴
尿の臭いはアンモニア臭とも表現され、清潔感のない公衆トイレのような臭いがします。
【トイレで尿の臭いが発生する時に起こりうること】
- 日に日に臭いがきつくなる
- 黄色や茶色の染みができる
尿は飛び散りやすいため、掃除の際に見落としがあれば、用を足す度に汚れが蓄積されてしまいます。飛び散っていろんな場所から臭いが発生する可能性があります。
尿の臭いが気になる人は「トイレの異臭②尿の臭いの原因と対処法」をご覧ください
1-3. 【トイレの異臭③】カビ臭の特徴
カビの臭いは、
- 絵具のような臭い
- 墨汁のような臭い
- ほこりっぽい臭い
といった表現がよくされます。
【トイレでカビの臭いが発生する時に起こりうること】
- トイレがむわっとして湿度が高い気がする
- 壁や床に黒いシミが広がっている
トイレは水場なので高湿度になりやすいため、カビが生えやすい場所です。例えば梅雨時期や換気していないトイレはより高湿度になりやすいです。
掃除しているつもりでも、臭いがするなら見えないところでカビが繁殖しているのは間違いないでしょう。カビは見る見るうちに増殖してしまうので、臭いを感じたら早めの対処を!
トイレの臭いがカビ臭だと感じたら、「トイレの異臭③カビの臭いの原因と対処法」をご覧ください。
1-4. 尿とカビは同時に発生しやすい
ここまで読んでみて異臭の正体が特定できない場合は、尿とカビが同時に発生した臭いが混ざりあっている可能性があります。尿の汚れをエサにしてカビが繁殖する、というケースは少なくありません。
尿とカビの複合的な臭いを疑う場合は、それぞれの特徴をチェックしてみてください。
「トイレの異臭②尿の臭いの原因と対処法」
「トイレの異臭③カビの臭いの原因と対処法」
2.【トイレの異臭①】下水臭の原因と対処法
ある日突然トイレがどぶっぽい臭いになる、という現象は実は珍しいことではありません。
トイレをはじめ、台所やお風呂などで使った汚水を運ぶのに下水道を通っています。家と下水道は排管でつながっていますが、普段は臭いが上がってこないように工夫がされています。
排水管には途中で水がたまる仕組みが設けられていて、常に配管の途中に水が張られた状態になっています。この水を「封水」もしくは「排水トラップ」と言います。
封水は排水口から下水の臭いや虫の侵入を防ぐ、蓋のような役割があります。
封水にはいろんな形状がありますが、便器だと排管が山型になっていて、この山を越えられなかった水が便器の底にたまって封水の役割を果たします。
封水はいろんな原因でなくなることがあり、これを「封水切れ」と呼びます。封水切れが起こると下水から排水口までがつながってしまうため、下水の臭いがダイレクトに部屋の中に入ってしまいます。臭いとともに虫が上がってしまうこともあります。
封水切れが起こる原因はたくさんあるため、一つずつ原因と対処法を解説します。
2-1. 蒸発による封水切れ
封水は水なので蒸発して減りますが、普通に生活していれば排水のたびに水が足されます。普段は蒸発する前に水が満たされている状態です。
2-1-1. 蒸発による封水切れの原因
封水は蒸発する前に頻繁に水を流すことで成り立つ仕組みです。留守の家や空き家などでは水を流さないため新しい水が補充されず、水が蒸発してしまいます。
長い旅行や出張など1~2週間家を留守にした後で下水臭が気になる場合は、蒸発による封水切れである可能性が高いでしょう。
2-1-2. 蒸発による封水切れの対処法
蒸発による封水切れは、排水部分に水を流せば解決します。何度か水を流してみて封水が元通りの位置になれば対処完了です。
ですが流してみてもうまく水がたまらないときや、便器以外にも手洗胃の洗面ボウルや床に排水口がある場合は、以下の方法を試してみてください。
- 500mlのペットボトルに水を用意します。
- できるだけ低い位置からゆっくりと、便器または排水口に水を注ぎます。
水を注ぐ際は、高い位置から注ぐと勢いあまって封水がたまるべき位置を通り越してしまうため、低い位置から慎重に注ぎます。
封水の量はコップ一杯程度とされていますが、下に流れてしまう分もあるため少し多めに注いでおくと安心です。
2-1-3. 蒸発による封水切れの予防法
旅行や出張など頻繁に家を空ける人は、留守のたびに封水切れが起こるのは困りますよね。
蒸発しないための予防をしておくと今後同じ経験をしなくて済みます。
予防法は3つあります。
【封水に蓋をしておく】
封水口に蓋があれば、蒸発を最小限で済ませることができます。特別な蓋ではなく、ラップで代用可能です。
便器…便座を上げた状態で隙間なくラップする
排水口…網状の蓋があれば、ラップで覆った状態にして蓋をする
洗面ボウル…排水部分を覆うように大きめのラップを密着させる
※うまく密着しない時は粘着テープで留める
ラップで蓋をすることにより、封水切れが起きてしまったときに異臭が部屋に充満するのを防ぐ効果もあります。
【封水を増やす】
封水は一時的に増やすこともできます。
封水切れを対処したときの要領で、排水部分にゆっくり水を注ぐだけで封水は増やせます。
水の量が多い分、通常よりも封水切れが起こるまでの時間稼ぎができます。
【封水蒸発防止剤を使う】
封水の蒸発を防ぐことができる「封水蒸発防止剤」というものも市販されています。
【トラップシールド】
出典:楽天市場
半年ほどは留守にしても封水の蒸発を防げるため、賃貸物件や別荘の管理にも使用されています。
封水の表面に薬剤で蓋をすることで蒸発を防ぐ仕組みです。
出典:楽天市場
トイレだけでなく台所やお風呂など、すべての排水口に共通して使えます。出張など留守にすることが多いなら、1本持っておいて損はないでしょう。
【トラップシールドの使用方法】
- 排水口に水を流し、封水部分に確実に水をためる
- 容器をよく振る(分離した薬剤が混ざるまで)
- 排水口に100ml~200mlを一気に注ぐ
水を流せばトラップシールドは流れてなくなるため、留守から帰ったら水を流せば元に戻ります。商品や湿度、封水の形状により異なりますが、半年から1ほど薬剤が持つとされています。
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日数や湿度・温度などの条件にもよりますが、留守にする期間が長くなければ限界まで封水を足してラップをかけておくと安心です。
留守が数か月に及ぶ場合は、蒸発防止剤を入れておくと確実でしょう。
2-2. 詰まりによる封水切れ
便器内の封水が浅くなっていたら、トイレットペーパーが詰まっている可能性があります。
2-2-1. 詰まりによる封水切れの原因
封水切れはトイレットペーパーが封水の奥で引っ掛かって起こることがあります。便器の水を流すと水流でU字の配管を通って流れるのですが、U字の山の部分に溶けきれないトイレットペーパーが引っ掛かってしまうことがあります。
引っ掛かったトイレットペーパーは毛細管現象という現象を起こして封水切れを引き起こします。
【毛細管現象とは】
液体にストローなどを立てると、ストローの水面が高く、もしくは低くなる現象を指します。
【トイレの配管内で起こる毛細管現象】
封水の向こう側の突起した部分にトイレットペーパーが引っ掛かると、少しずつ便器の封水を吸い上げて、逆側に滴って排水します。
図で説明すると、トイレットペーパーの右端から封水を吸い上げて、左側へと滴って封水が減ってしまいます。 その結果便器の底で封水切れが起きてしまいます。
トイレットペーパーは数時間放置しておけば溶けたり流れたりして解消されることもありますが、封水切れしているなら引っかかってから時間が立っている場合がほとんどです。放置しても解消は難しいでしょう。
2-2-2. トイレットペーパーが引っ掛かって起こる封水切れの対処法
トイレットペーパーが詰まったり引っ掛かったりして封水切れが起きているのであれば、取り除かないと封水切れは解消できません。取り除く方法は3つあります。
【クエン酸+重曹で溶かす】
詰まっているのが水に溶けるトイレットペーパーなら、クエン酸と重曹で溶かして流すことが可能です。
以下の手順で行います。
- トイレの封水に落ちるように重曹を4分の1カップ(50g程度)入れる
- さらにクエン酸(お酢で代用可)を2分の1カップ(100g程度)入れる
- 封水に45℃のお湯を高い位置からゆっくり注ぎ、泡が立った状態で1時間放置する
- 1時間後にバケツを使って高い位置から水をゆっくり注ぐ
作業する際には電源コードを抜いたうえで、水がかからないようにラップなどで覆っておくと安心です。
二酸化炭素が発生するため換気しながら作業をしてください。
【ラバーカップを使う】
ラバーカップはスッポンとも呼ばれている道具で、排水管の詰まりを取り除くための道具です。
使用方法は以下の通りです。
- 水たまり部分に密着させる
- ゆっくりカップを押し込み、素早く引いてカップの形状を戻す
- 手順2を繰り返し、ゴボゴボという音がしたらつまっていたものが上がってきていないか確認
- 水を流して正常に流れるか確認
注意したいのはひどい詰まりを無理やりラバーカップで取り除こうとするとかえって悪化してしまう場合もあります。
数回試して状況が変わらなければ、ラバーカップの使用をあきらめましょう。
【手で直接取り除く】
詰まっているものが本当にトイレットペーパーかわからないときは、ゴム手袋を付けて手で直接取り除く方法があります。
便器内に手を入れることに抵抗がない人は、一番簡単で確実な方法です。
クエン酸と重曹はトイレットペーパーを溶かして流す方法なので、おもちゃやスマホなどの固形物が原因である場合、ラバーカップでは取れません。
おむつや生理用品は給水ポリマーのせいで膨張してしまうため、ラバーカップで吸い上げるのが難しくなります。
ラバーカップを試してみたけど取れなかった時は、ゴム手袋をして直接手でつかんで取りましょう。
2-2-3. トイレットペーパーが詰まらないための予防法
トイレットペーパーは柔らかく溶けやすく詰まりにくそうですが、一度に大量に流すと詰まってしまいます。トイレットペーパーが詰まったり引っ掛かったりしないために気を付けたいことが5つあります。
【一度にたくさん流さない】
水の勢いやトイレットペーパーの質にもよりますが、便器の容量が半分くらいになる10メートル程度が限界です。一度に流さず数回に分けて流しましょう。
【たくさんのトイレットペーパーを「小」で流さない】
節水のために水量が「大」と「小」に調整できるトイレがほとんどでしょう。たくさんのトイレットペーパーを「小」で流すと水の勢いが足りずに引っ掛かってしまうリスクがあります。
【トイレに流せるのかを確認する】
トイレットペーパーは水に溶けますが、似ているティッシュペーパーは水に溶けにくく、トイレに流すようには作られていません。トイレにティッシュペーパーを流すのは止めましょう。
さらにおむつや生理用品は水に溶けないだけでなく、給水ポリマーが水を吸ってしまうため大変詰まりやすいです。掃除のためのシートなども今一度パッケージを確認し、本当に流してもいいものかの確認を。
【海外製はJIS規格のトイレットペーパーを選ぶ】
海外ではトイレにトイレットペーパーを流す習慣がない国もあり、溶けるように作られていないトイレットペーパーもあります。
パルプや再生紙などいろんな素材がありますが、海外製のトイレットペーパーを選ぶならJIS規格かどうかの確認を。
【シャワートイレ用は控えめに使う】
シャワートイレ用のトイレットペーパーは厚手なため、普通のトイレットペーパーよりも溶けにくいのがデメリットです。
普通のトイレットペーパーの感覚で使っていると詰まらせてしまうリスクがあります。気持ち少なめに、もしくはこまめに流すのがよいでしょう。
トイレにはどんなものもいくらでも流せるわけではありません。詰まらせると厄介なので、トイレットペーパーの扱いについて少し気にかけるようにしましょう。
2-3. トイレタンクの不具合による封水切れ
トイレを流すたびにトイレタンクから水が流れます。トイレタンクに不具合があると流した後に水が補充されなくなり封水切れが起こります。
2-3-1. トイレタンク不具合による封水切れの原因
トイレタンクの部品は、プラスティックやシリコンゴムなどデリケートな素材でできているため経年劣化します。
トイレタンクの水は減った分その都度補充されますが、部品劣化などの不具合があるとタンク内の水が補充されなくなります。流した後にトイレタンクから足されるはずの水が切れてしまうため、便器の封水が足されなくなってしまいます。
【トイレタンクの不具合による封水切れの仕組み】
- 流した後にタンク内の減った分の水が足されなくなる
- 流すうちにタンク内の水がなくなる
- 水が流れた後に水位が上がらなくなる
- 封水がなくなる
では実際にトイレタンクの不具合はどこで起こるのかを解説します。
2-3-2. トイレタンク不具合による封水切れの対処法
トイレタンクの不具合の確認には、止水栓を止めてからトイレタンクのふたを開けてみましょう。タンク内の水位が明らかに低ければ、トイレタンクの不具合が考えられます。
タンク内の水位はオーバーフロー管というパーツが少し見えるくらいが正常で、タンクの4分の3くらいに当たります。
水位が低ければ以下の箇所を順番に確認してみましょう。
【浮き球に異常がないか確認する】
タンクの水面に浮かんでいるのが浮き球です。
浮き球がないタンクもあります。
- 引っ掛かって浮かんでこない
- 劣化により亀裂が入っている
などの異常がないか確認してみましょう。
【部品がつながっているか確認する】
部品が外れてしまっていないかの確認をしましょう。
特に外れやすいのは
- オーバーフロー管とゴムフロート
- ゴムフロートのチェーン
などです。
使っているうちにずれただけならはめ込んでつなげれば解消されます。
【部品に破損がないか確認する】
トイレタンクで特に破損しやすいのが以下の4か所です。
- オーバーフロー管
- ゴムフロート
- 浮き球
- 水洗レバーとつながっている軸
この4か所を中心に破損していないかの確認をしましょう。
破損が見つかった場合は、DIYが得意であれば自力で部品の交換をするか、水道業者に修理を依頼しましょう。
タンク内の部品の交換だけであれば1万円~1万5千円程度、タンクごと交換するなら2万5千円程度が相場です。修理内容にもよりますが、悪徳業者も数多く存在するため、あまりに高い見積もりには注意しましょう。
2-3-3. トイレタンク不具合による封水切れの予防
トイレタンクの不具合を予防するには、定期的な掃除と点検が有効です。
タンク内には金属やプラスティック、ゴムパッキンなど様々な素材が使われています。中には気づかないうちに劣化や破損してしまうものもあります。
毎日酷使されるため少なくとも3年に1度は点検が必要です。定期的に点検して不具合を未然に防ぐことができれば封水切れを予防できます。
【トイレタンクの掃除をするときに点検を】
トイレタンクは非常にカビが生えやすい場所です。定期的に蓋を開けて掃除をする必要があります。
掃除のため蓋を開けたついでにタンク内のパーツに不具合がないかを確認しておくと不具合を早期発見しやすいでしょう。パーツを傷めないように中性洗剤を使用します。
トイレタンクの掃除については「4-2. タンク内のカビ」で解説します。
2-4. その他の原因による封水切れ
封水の水位が浅いのに詰まっている気配はなさそうな時には、自分で解決できない原因で封水切れが起こっている可能性があります。具体的に封水切れになる原因は以下の通りです。
【自己サイホン】
水を勢いよく流すことにより封水の水まで一緒に流れてしまう現象
【誘導サイホン】
マンションなど上の階で水を流した時に水が引っ張られて封水が一緒に流れてしまう現象
【水道管工事によるもの】
自宅の近くで水道管工事をしていると封水に影響することがごく稀にある
【台風などの災害によるもの】
大雨などで下水があふれてしまい、下水道の流れが悪くなって臭いが上がってしまうことがある
これらの原因による封水切れは頻繁に起こるものではありませんが自分ではどうにもできない原因で封水切れになることもあります。自己判断で間違った対処をしてしまい、便器や配管を傷つけるとかえって大がかりな修理になることもあり得ます。
無理をせず賃貸なら大家さんやマンションなら管理会社、もしくは水道修理業者に相談するのがいいでしょう。
3.【トイレの異臭②】尿の臭いの原因と対処法
尿にはそこまで嫌な臭いはしませんが、放っておくと時間と共に臭いがきつくなってしまいます。
尿の嫌な匂いは、尿が固まって「尿石」という状態になったものから発生します。黄色や茶色の汚れが尿石です。
尿自体は液体なので、すぐに水で流せば尿石になることはありません。ですが尿にはカルシウムが含まれていて、放っておくとカルシウムが固まってしまい、異臭の素になる尿石になります。
尿がかかりやすく、掃除しにくい箇所に尿石は発生しやすいです。
- 便器のふち裏
- ウォシュレットの裏側
- 台座の内部
- 壁、または床
尿石はアルカリ性なので、酸性の洗剤が有効です。汚れの程度や付着した箇所によって使い分けましょう。
汚れの程度 | おすすめの洗剤 | 掃除の方法 |
---|---|---|
軽め | クエン酸水スプレー クエン酸:水を1:2の比率で混ぜる | ・クエン酸水を噴霧して放置 ・しばらくしてからこすり落とす |
ややしつこい汚れ | クエン酸水+重曹 | ・粉末の重曹をふりクエン酸水を噴霧し放置 ・しばらくしてこすり落とす ・トイレットペーパーで覆った上からクエン酸+重曹を使うとより効果的 |
ひどい汚れ | 尿石用専用洗剤 | ・尿石専用の洗剤を尿石に直接かけて放置 ・しばらくしてからこすり落とす ・商品説明に従って使用する |
頑固な汚れ | 目の細かいやすり (耐水性サンドペーパー) | 尿石の表面をやすりで削る その後尿石専用洗剤を浸透させる (便器を傷つけないよう注意) |
尿石化すると取れにくく、時間とともに硬くて大きくなってしまうため早めに対処しましょう。
尿石専用洗剤は酸性で刺激が強く、使用には注意が必要です。
- ゴム手袋を使用する
- 換気する
- 他の洗剤と混ぜない
使い方を間違うとトイレ内の素材を傷めてしまったり、人体に影響を及ぼすことも。
「使用上の注意」を必ずよく読んだうえで、用法・容量に従って正しく使用しましょう
尿石専用洗剤でも取れない場合はやすりが有効ですが、本来掃除に使用するものではありません。
紙やすりは汚れを削り取る目的で使うのではなく、汚れの表面を傷つけて薬剤を染み込ませやすくする目的で使います。
尿石の原因のほとんどが尿羽によるものなので、以下の方法が共通した予防方法です。
- 男性は座って用を足す
- 流すときは蓋をする
- 尿石化する前にこまめに拭き掃除する
では具体的に汚れが発生した場所別に原因・対処法・予防法について確認しましょう。
3-1. ふち裏の尿石
尿が最も付着しやすいのは便器の周りです。
3-1-1. ふち裏に尿石が付着する原因
流した水がかかる部分は尿石化することはありませんが、水を流した時に水がかからない部分に尿が残ってしまい、尿石化してしまいます。中でも便器のふち裏は見つけにくく掃除もしにくいため、尿石が発生しやすいです。
3-1-2. ふち裏に付着した尿石の対処法
ふち裏は死角で汚れが残ることが多く、気が付けば頑固な汚れになってしまいます。
ふち裏の頑固な尿石の落とし方は3つあります。
便器は陶器でできているため、尿石専用洗剤が使えます。おすすめはサンポールです。
【尿石専用洗剤を使う】
【サンポール】
出典:楽天市場
【サンポールのの使い方】
- 汚れ部分に塗布して2~3分放置
- ブラシでこすって尿石を落とす
ふち裏にかけやすく、液にとろみがあるため浸透しやすいのでおすすめです。頑固な汚れには、トイレットペーパーで塗布した部分を覆って1時間ほど放置するとより効果的です。
強い薬剤のため、使用上の注意がたくさんあります。
- 用途外に使わない。
- 他の容器に移して使用しない。(3L、5L→専用の容器以外に移して使用しない。)
- 使用の時はゴム製等の手袋又は柄つきブラシを使う。
- 容器の側面を強く持ってキャップを開けると原液が飛び出すおそれがあるので注意する。
- 横向きノズルです。液の出る方向に注意する。
- 目や皮膚、衣服に液がつかないよう注意する。
- 使用後は手を洗うこと。
- 液を便器にかけたまま放置しない。
- 便座等便器内以外に誤ってかけた場合は速やかに拭き取り、よく水拭きする。
- 子供の手が届くところに置かない。
- 原液で使用すると、タイルの目地をいためたり、特殊タイルや一部の合成樹脂は変色することがあるので注意する。
サンポール公式ページより引用
使用する際には商品説明をよく読み、正しく使用しましょう。
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【耐水サンドペーパーを使う方法】
尿石専用洗剤で取れない尿石にはやすりが有効です。
やすりは直接尿石を削り落とすのではなく、表面を削ることにより尿石専用洗剤を汚れ内部に浸透させる目的で使用します。
やすりにはいろんな種類がありますが、1000番〜1500番の耐水サンドペーパーを用意してください。
【サンドペーパーの使い方】
- サンドペーパーを水に濡らした状態で、汚れの表面だけを擦る
- 汚れの表面に傷がついた状態で尿石専用洗剤を塗布し放置後、ブラシでこすり落とす
サンドペーパーで便器を擦ると陶器とはいえ傷付きます。
間違った使い方をすると便器のコーティングを剥がしてしまう場合があり、かえって汚れが付着しやすくなってしまいます。
やすりは尿石の表面だけを狙って使用しましょう。
やすりが使いにくい場合は、消しゴムなどの立方体に巻きつけると使いやすくなります。
【尿石取りを使う方法】
ふち裏をはじめ便器内の尿石で悩む人は多いらしく、尿石を簡単に取るためのグッズがたくさん販売されています。特にこちらの「ピカスティック」は簡単に使えておすすめです。
【ピカスティック】
出典:楽天市場
【ピカスティックの使い方】
- 水を付けて軽くこする
というたった1工程で尿石がすっきりとれるすごい商品です。
カッターナイフで簡単に削れるため、あらかじめ削っておけば狭いふち裏も問題なく使えます。
トイレの尿石だけでなく、カビなど汚れの正体に関係なく使え、さらに洗面台やタイルにも使えます。
尿石専用洗剤のような使用上注意しなくてはいけない劇薬ではないため、小さいお子様がいるご家庭でも安心して使えます。
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3-1-3. ふち裏の尿石の予防
ち裏は掃除が大変なうえ見えにくいため、油断するとすぐ尿石化してしまいます。困っている人も多いらしく最近ではふち裏がない便器もあります。安いものではありませんが、もしも買い替えのタイミングと重なるなら、ふち裏がない便器を検討してみるのも予防法のひとつです。
【ウォシュレットの寿命はどのくらい?】
ウォシュレット付きの便器の寿命は5〜10年程度です。
便器自体は陶器でできているため割れない限りは使えますが、ウォシュレットは家電製品なので定期的に点検や買い替えが必要です。
また配管にも寿命があるためやはり10年程度が一般的な寿命であると言われています。
トイレを長年使用しているなら、ふち裏のない便器に交換することで尿石汚れの予防として大きな効果があるでしょう。
3-2. ウォシュレットの裏側の尿石
ウォシュレットの裏側も、ふち裏と並んで目視しにくい箇所です。
3-2-1. ウォシュレットの裏側に尿石が付着する原因
ウォシュレットの裏側は、水面ではねた尿がかかってしまい、気づかないうちに尿石化してしまいます。ウォシュレットは出っ張っていて裏側部分がせり出しているので、はねた尿がかかりやすくなっています。
覗き込んでも簡単に見えるところではないため、汚れに気かず放置しているうちに硬くて大きな尿石になってしまいます。
3-2-2. ウォシュレットの裏側に付着した尿石の対処法
ウォシュレットは機種にもよりますが、最近のものは掃除のために外したりずらしたりが可能です。
着脱用のボタンを押しながらスライドさせるタイプが多いですが、外し方が分からない人はウォシュレットの取扱説明書を確認してみましょう。
【ウォシュレットの裏側に使える洗剤】
ウォシュレットの素材はプラスティックなので、尿石専用洗剤はもちろんのことアルカリ性や酸性の洗剤は使えません。
トイレ用の中性洗剤、またはお掃除シートを使用しましょう。
【ウォシュレットの裏側を掃除する際の注意点】
ウォシュレットは電化製品であるため、取り扱いには注意が必要です。
- 電源プラグを抜いて、漏電防止のためにサランラップでプラグを覆っておく
- 洗剤などの液体を直接ウォシュレットにかけない
- アルカリ性・酸性の洗剤を使わない
- 柔らかい布やスポンジなどで掃除する
薬剤を直接吹きかけると故障の恐れがあるため、雑巾やスポンジなどに噴霧して優しく掃除します。歯ブラシは表面を傷つける恐れがあるため推奨はされていません。
取れない汚れには中性洗剤をしみ込ませたトイレットペーパーを汚れに貼り付けて放置し、その後柔らかい布でこすり落とす方法を試してみてください。
3-2-3. ウォシュレットの裏側の尿石の予防
ウォシュレットの外し方が分かったら、尿石化する前に掃除する癖をつけることで予防ができます。ゆるい汚れの状態でこまめに掃除しておく方が楽なので、ぜひ習慣化を。
3-3. 台座の付け根の尿石
便器の台座の付け根は、尿石が付着しやすい箇所の一つです。
台座の付け根に黄色、もしくは茶色の汚れが付着していたら尿石です。
見た目に分からなくても隙間に入り込んでいる場合もあります。掃除をこまめにしているのにどこからともなく臭いがして発生源が特定できない場合は、台座と床の間に爪楊枝を差し込んで臭いを嗅いで確認してみましょう。
台座の尿石は掃除がしにくいだけでなく一緒にカビが生えやすいため発見したら早めの対処を。
3-3-1. 台座の付け根に尿石が付着する原因
台座の付け根には一見尿がかからなさそうですが、こんな仕組みで尿がしみ込んでしまいます。
- 用を足した時の尿が便座裏、もしくは便器のふちにはねて付着
- 付着した尿が便器を伝って台座の付け根にしみ込む
- 気づかないうちに尿石化し、さらに伝ってきた尿で尿石が悪化する
台座の付け根は死角ではないものの、普段注目することがないため気が付けば尿石化しているということも少なくはありません。
隙間に入り込んでしまうと簡単な掃除では取れなくなってしまうため、一見清潔に見えても隙間の奥から臭いがする、というケースが案外多いです。
3-3-2. 台座の付け根に付着した尿石の対処法
台座の付け根に入り込んでしまった尿石は掃除がしにくい箇所です。例えば隙間に入りやすいこんな道具でそうじをするのが有効です。
- 使い終わったプラスティック製のカード
- 隙間用のブラシ
- 古い歯ブラシ
使っていない薄くてしなるプラカード、歯ブラシなどにトイレのお掃除シートを巻きつけて、隙間の汚れをこそぎ落とすように掃除をします。
隙間用の細いブラシは100均で入手可能で、安価なものを使い捨てにしてもいいのですが、専用の掃除用品を購入する方法もあります。例えばこちらの「隙間の汚れ落とし」はいろんな隙間に入り込んで使いやすいのでおすすめです。
3-3-3. 台座の付け根の尿石の予防
台座の付け根に尿がしみこむのを予防するなら、グッズに頼るのが効果的です。
例えばこちらの「トイレの隙間テープ」なら張るだけで予防できて便利です。
3-4. 壁や床の尿石
尿は思ったよりも広範囲にわたって飛び散ります。普段から掃除の習慣があっても、壁や床はノーマークという人も多いでしょう。
3-4-1. 壁や床に尿石が付着する原因
床や壁から異臭がするのは2つ原因があります。
- 尿が飛び散りなどにより直接かかっているから
- 蓄積されたトイレの臭いが壁や床に染み付いているから
尿が直接かかったことによる臭いなら掃除で対処が可能でしょう。ですが空間の臭いが染みつくことが原因であれば、残念ながら業者に依頼するほかありません。
まずは壁や床を掃除して臭いが取れないか試してみましょう。
3-4-2. 壁や床に付着した尿石の対処法
壁と床はクエン酸で拭き掃除をするのが有効です。
トイレの壁は腰の高さまでが尿はねしやすいゾーンです。
汚れの軽い上から順に掃除をして最後に床を掃除すると、雑巾についた汚れを広げることがありません。
タイルやクッションフロアには尿石専用洗剤が使えることがありますが、タイルの目地材には使えないなど、素材によって使えないものがあります。クエン酸や専用の掃除シートでとれなかった場合は、尿石専用洗剤の取扱説明書をよく読んで試してください。
拭き掃除で臭いがとれなければ、壁紙や床そのものに尿の臭いが染み付いていると考えられます。染み付いた嫌な臭いを除去するには専門業者へ依頼する他ありません。
業者に依頼する場合はハウスクリーニングではなく完全消臭ができる特殊清掃が最適です。詳しくは「5章. 完全消臭ができない場合は特殊清掃に依頼しよう」にて解説しますので、どうしても臭いが取れない場合は、チェックしてください。
3-4-3. 壁や床の尿石の予防
壁や床に尿石が付着しないように予防する方法は、飛び散り防止とこまめな掃除です。
少なくとも週一度は拭き掃除をしておきたい所ですが、難しいようであれば防汚コーティング剤で予防しておく方法もあります。例えばこちらの「リベルコート」を使えば、スプレーするだけで撥水加工ができて便利です。
4.【トイレの異臭③】カビの臭いの原因と対処法
カビの臭いがするのは、カビが繁殖しているからです。カビの菌は空気中に浮遊していて、室温25~30度・湿度80%以上の場所ならどこでもカビが生える危険性があります。
- 水場なので湿度が上がりやすい
- 密閉された空間なので温度も上がりやすい
- 餌となる排泄物などが豊富にあるためカビにとっては好条件
とカビの生えやすい条件が揃っています。
一度カビが生えると、発生したカビから胞子が舞い、カビが増殖し安くなります。カビはアレルギーを引き起こしてしまうことがあり、健康面から考えても非常に危険です。
カビの臭いは、カビが繁殖しようと胞子を飛ばすときに強く臭います。カビ臭いと感じたらカビが増える兆候でもあるので、すぐに対処をして増殖を食い止めましょう。
具体的にカビが繁殖しやすいのはこんな場所。
- タンク内
- 壁や床
- トイレブラシ
- 便器のふち裏
カビの除去には以下の4種類の洗剤が有効です。
それぞれ素材との相性があるため、使い分ける必要があります。
便器 | タンク | 排気口 | トイレ ブラシ | 壁紙 | タイル | |
---|---|---|---|---|---|---|
塩素系洗剤 | 〇 | × | 〇 | △ | × | 〇 |
クエン酸 +重曹 | 〇 | △ | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
中性洗剤 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | 〇 |
消毒用 エタノール | 〇 | △ | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
タンク内やトイレブラシを除き、クエン酸+エタノールは共通して使えます。基本の使い方は、まず重曹を振りかけ、水2:クエン酸1の割合で混ぜたクエン酸水をスプレーし1時間程度放置後、拭き取ります。カビだけでなく尿石にも効果があり、安全で万能な洗剤なのでおすすめです。
共通してできる予防方法は湿度を下げることと、汚れを放っておかないことです。
- こまめに換気する
- 用を足すとき以外は蓋をする
- 尿石やカビなどの汚れをこまめに掃除する
では発生しやすい箇所別に、対処方法を見てみましょう。
4-1. 便器内のカビ
便器内にはつねに水があるため湿度が高く、汚れやすいためカビの生えやすい箇所です、
4-1-1. 便器内にカビが発生する原因
カビは湿気のある場所を好みます。
一方で便器は乾く間もなく水が流されるため、カビにとっては非常に繁殖しやすい場所です。
特にふち裏は目が行き届きにくく、気づいたときにはカビの温床になっていた、という経験がある人も少なくはないのでしょうか。
4-1-2. 便器内に発生したカビのの対処法
塩素系の洗剤は成分が強いため使用できる箇所が限られていますが、カビに対しては一番効果的です。成分に次亜塩酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)を使用しているものが塩素系洗剤です。
【塩素系の洗剤の特徴】
メリット | ・強力なのでカビを除去できる可能性が高い ・同時に除菌もできる |
---|---|
デメリット | ・手荒れや刺激臭など、刺激が強い ・しっかり拭き取れる箇所しか使えない ・素材によってはダメージを与えてしまう |
トイレのふち裏に塗布しやすいようにボトルをさかさまにしても使えるものもあります。小さい子供がいるご家庭や、刺激に弱い人には向きませんが、しつこいカビにはカビ取り剤が有効です。
4-1-3. 便器内にカビが発生しないための予防
便器内は油断するとカビが生えます。ふち裏は尿石も発生しやすい箇所なので、こまめに掃除する方法が有効です。
一度カビが生えると広がるのが早いため、面倒でも便器まわりを毎日軽く掃除しておくと結果的に安心できます。カビが生える前の掃除なら簡単なトイレ用のお掃除シートで事足りるでしょう。
4-2. タンク内のカビ
トイレタンクも便器と同様、水が常に張られているため湿度の高い場所です。
4-2-1. タンク内にカビが発生する原因
タンク内には常に水があり、蓋もされているため湿気がこもりやすい場所です。普段は目にすることがないため、異臭がするほどのカビがしてもしてもタンクからだとは気づかない人もいます。
タンク内にカビが生えてしまうと用を足す度にカビ臭い水を流すことになるため、異臭の原因になります。
4-2-2. タンク内に発生したカビの対処法
タンク内にはプラスティックやゴムなど様々な素材が使われており、塩素系の漂白剤は素材を傷めてしまう可能性があるため適しません。タンク内を掃除するには中性洗剤を使用します。
トイレ専用の中性洗剤を持っていなければ、台所用洗剤で代用も可能です。
【トイレタンクを掃除する手順】
- 止水栓を閉めてコンセントを抜く(漏電防止のためコンセントをラップで覆う)
- タンクの蓋を開けて裏側を掃除する
- タンク内を中性洗剤とハブラシなどで掃除する
- 蓋と止水栓とコンセントを戻して完了
掃除の頻度は少なくとも3か月に1度が望ましいです。
面倒であれば蓋を開けなくても薬剤を注ぎ入れて放置するだけで掃除ができる洗剤も販売されています。ひどい汚れも放置で落とせると評判なのが「トイレタンク洗浄剤」です。
4-2-3. タンク内にカビが発生しないための予防
簡単に予防できる方法は以下の通り
【重曹によるタンク内のカビ予防法】
- タンク内に重曹1カップ程度(200gくらい)を入れる
- 6時間放置する
- 流す
これならばさほど面倒でもないしコストも安く済むため継続しやすいのではないでしょうか。月に1~2度重曹で予防しておくと、カビをはじめとするひどい汚れを予防できます。
それすら面倒ならば、トイレタンクに置くだけでタンク内を掃除してくれる洗剤がおすすめです。「トイレマジックリン 流すだけで勝手にキレイ」なら、水を流す部分に置くだけでタンクの洗浄をしてくれます。
自分の続けやすい方法でこまめな予防を心がけましょう。
4-3. 壁や床のカビ
壁や床が何となく黒ずんでいると感じたら、カビの可能性もあります。見つけたら広がってしまう前に早めの対処が必要です。
4-3-1. 壁や床にカビが発生する原因
便器やタンクに比べると壁・床は湿度が低い場所です。ですがトイレの湿度が上がったり、ほかのところに生えたカビの胞子が舞ってあっという間に広がってしまいます。
もしも掃除の行き届いてなかったり、隠れたところに汚れが溜まっていたりするとカビの栄養源となってしまうため、カビの増加を加速させてしまいます。
壁や床は臭いが染みつく前に対処しておきたい場所です。具体的に対処方法を見てみましょう。
4-3-2. 壁や床に発生したのカビの対処法
壁や床は家ごとに素材が違うため、まずは自分の家のトイレの床や壁にはどんな洗剤が使えるのかを確認しておきましょう。
壁紙 | タイル | クッション フロア | |
---|---|---|---|
塩素系 | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
エタノール | △ | ⚪︎ | ⚪︎ |
クエン酸水 | △ | ⚪︎ | ⚪︎ |
【壁紙について】
壁紙と一括りにしても、素材が様々あり、まずは自分の家のトイレの壁紙に撥水効果があるのかを確認する必要があります。
トイレの素材としては撥水機能のあるビニールクロスが大半ですが、念のため霧吹きなどで水をスプレーしてみて水が染み込まないかの確認をしておきましょう。水がしみこんでしまった場合は撥水加工の壁紙ではないため、掃除する方法は乾拭きのみになります。
【ビニールクロスのカビにはエタノール】
壁紙には塩素系の洗剤が使えないため、消毒用エタノールで掃除をします。スプレーして、雑巾やスポンジで優しく拭き取ります。
カビの菌が舞わないように静かに拭き取るのがコツです。
【タイル・クッションフロアのカビには塩素系洗剤を】
タイルもクッションフロアも塩素系の洗剤が使えます。カビキラーなど泡状のものが使いやすくおすすめです。
スプレー後、使用方法にしたがって放置し、拭き取って掃除します。
床を掃除する上で特に念入りにチェックしたいのがこの2か所です。
- 壁と床の境目
- 便器と床の境目
特に便器と床の境目は尿石も発生しやすく異臭が発生しやすい箇所であるため念入りに掃除しておくと異臭の対処ができます。
4-3-3. 壁や床にカビが発生しないための予防
壁や床にカビが生えるのは、空間そのものがカビにとっていい環境になっしまっているのが原因です。温度管理は難しくても湿度を工夫することで、カビの発生条件はなくなります。
水場である便器は蓋をして蒸発しないように注意し、窓を開けたり換気扇を回しっぱなしにしたりと、湿度が上がらないように気をつけましょう。
4-4. トイレブラシのカビ
意外と見落としがちなのがトイレブラシとトイレブラシ用のケースです。トイレブラシとケースはカビや尿をはじめ菌の温床になります。
4-4-1. トイレブラシにカビが発生する原因
トイレブラシはお手入れしないと菌と水分が常についている状態なのでカビが発生しやすいです。
【トイレブラシ】
- 掃除の度に菌が付着する
- 濡れた状態で収納することでカビが生えやすくなる
【トイレブラシケース】
- トイレブラシについた菌を含む水を受ける
- 水分を含んだ状態で蓋をすることで高湿度になってしまう
- 死角になるため気づきにくい
ではどのように対処するのかを確認しましょう。
4-4-2. トイレブラシに発生したカビの対処法
トイレブラシにカビが発生したら塩素系の漂白剤につけおきすることで除去ができます。
【トイレブラシの除菌方法】
- バケツに塩素系漂白剤を容器の記載に従って希釈します。
- トイレブラシとブラシケースを30分つけおきします。
- 綺麗な水ですすぎ洗いをし、水気を拭き取って干します。
- 完全に乾いてからケースに戻して終了です。
4-4-3. トイレブラシにカビが発生しないための予防
トイレブラシとケースのカビを予防するには、定期的に塩素系漂白剤で除菌をしながら、使用後は乾かして収納する必要があります。こまめに掃除できればカビは予防できますが、面倒でトイレ掃除自体が億劫になってしまいかねません。
トイレブラシとケースは消耗品と考えて、1~2か月程で買い替えるのがおすすめの方法です。先端だけを毎回使い捨てにできる「スクラビングバブル流せるトイレブラシ」なら、面倒なお手入れの必要がなくなります。
5. 完全消臭ができない場合は特殊清掃業者に依頼しよう
掃除しても臭いが取れない場合、壁や床に臭いが染み付いている可能性が高いため、特殊清掃業社による完全消臭が必要です。壁や床に臭いが染み付いてしまうと、表面を掃除しただけでは取れません。
掃除ならハウスクリーニングでいいのでは?と思う方も多いでしょう。ですが特殊清掃はハウスクリーニングと別物で、できることが違います。
【異臭を業者に依頼する場合の使い分け】
相談できる内容 | 対処できること | |
---|---|---|
特殊清掃 | 孤独死 災害 ゴミ屋敷 ペットの消臭 | 死臭・悪臭の除去 本格消臭 消毒 |
ハウスクリーニング | 賃貸物件退去 大掃除 | 清潔にする 汚れの除去 |
水道工事会社 | 排管トラブル 水回りの修理 | 下水臭を伴うトラブル 水回りのトラブル |
封水切れなど、水周りのトラブルに関しては水道修理会社が得意です。
単純にトイレをきれいに掃除したいのならハウスクリーニングが適切です。扱いが難しく市販されていない薬剤で掃除をしてくれるため、自分で掃除するのとは段違いの清潔さが得られるでしょう。
臭いが取り切れない場合はハウスクリーニングではなく特殊清掃への依頼が適切です。
【ハウスクリーニングが完全消臭できない理由】
- ハウスクリーニングには壁や床などの解体はできないため、対処できるのは表面の臭いまで
- 染みついた臭いは壁や床表面を掃除や消臭するだけでは取り切れない
- ハウスクリーニングで消臭できたとしても奥から臭いが出てきて再発する可能性が高い
壁や床の嫌な臭いが取れない場合、壁紙や床材を剥がして内側まで消臭する必要があります。
この壁紙や床材を剥がして清掃作業ができるのは、国土交通省の資格規定で「解体工事業登録」をしている正規の特殊清掃業者のみとされています。
そのためハウスクリーニングではできない完全消臭が、特殊清掃なら可能です。
「解体工事業登録」をしていない業者では、表面の清掃しかすることができないため、悪臭の元となる取り除くべき雑菌や汚れを、完全に除去することができません。そのため完全消臭を依頼するなら「解体工事業登録」をしている特殊清掃業者が適任です。
完全消臭したい方はリスクベネフィットへご相談ください
当社ではゴミ屋敷や火災・水害跡の清掃・孤独死の特殊清掃も取り扱う、消臭のスペシャリストです。「解体工事業登録」はもちろんのこと、他にもこんな強みがあります。
- 過去8,000件以上の豊富な実績
- 業界最安値。追加請求なし
- お客様に寄り添ったオーダーメイドのご提案
- 圧倒的な顧客満足度
- 北海道から沖縄まで全国展開
トイレの臭いよりもきつくて広範囲に及ぶ、猫や犬などペットのおしっこが染みついた住居の清掃も得意としています。
【完全消臭の施工例】
①壁紙剥がし
臭気を取り除くよりも壁紙を剥がす方が安く上がる場合に採用しています。
状況によって床の解体作業も手がけています。
②オゾンによる完全消臭作業
超高濃度オゾンにて、自然界なら2~3年かかる風化を機械を使い3日程度で行います。
さらに臭気成分を分解できる「だんぼ」という薬剤と、化学反応を最大4倍増加させる「オゾン燻蒸促進剤」を併用しています。
これらの技術を用いて、同業他社比300%程度の消臭力があるのがリスクベネフィットの強みです。臭いを完全に消臭し、二度と再発させたくない人はぜひ当社までご相談ください。
6. まとめ
トイレの異臭が気になったら、異臭がどんなものか、またどこから異臭がするかを特定することから始めましょう。臭いの特徴、発生しやすい個所、有効な洗剤は以下の通りです。
臭い | 発生しやすい箇所 | 有効な洗剤 |
---|---|---|
下水臭 (ドブ、腐った水) | ・排水溝 ・便器の底 ・トイレタンク | ・封水蒸発防止剤 ・クエン酸と重曹 |
尿の臭い (公衆トイレ) | ・便器内 ・床や壁 ・便器の台座 | ・尿石専用洗剤 ・クエン酸と重曹 ・紙やすり |
カビ臭 (絵具、墨汁、ほこり) | ・便器内 ・床や壁 ・トイレタンク ・便器の台座 | ・塩素系の洗剤 ・クエン酸と重曹 ・中性洗剤 |
特に尿とカビは一緒に発生しやすいのが特徴です。早めに対処できるなら、素材との相性もありますが両方ともクエン酸と重曹を使って除去することが可能です。