火災が発生した後、幸い大事には至らず無事に消火できたとしても、その後に待っているのは火災現場の清掃です。
自分の家や職場で火災が発生し、ショックや不安の中、火災現場を清掃するという現実に向き合わなければなりません。
しかし、人生で二度も火災を経験しているような人はなかなかいないでしょうから、火災が起きた後の現場の清掃方法についてはわからないことが多いですよね。
「火災現場の清掃ってどうやってやるの?」
「火災現場を清掃してもらうにはどれくらい費用がかかるの?」
そう不安を抱えている人もいるでしょう。
そこでこの記事では、火災現場の清掃内容を詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 火災現場の清掃内容
- 火災現場清掃にかかる費用
- 火災現場の清掃期間
- 火災現場の清掃は自分でやらずに業者に頼むのがおすすめな理由
- 火災現場の清掃の負担を抑えるポイント
- 火災現場の清掃業者の選び方
この記事を読むことで、信頼できる清掃業者に依頼でき、負担を抑えてスムーズに清掃に取り掛かることができます。
一刻も早く心地よい日常生活に戻れるよう、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
1.火災現場の清掃内容
まずは、火災現場の清掃はどのようなことをやるのか見ていきましょう。
火災現場の清掃内容は、主に以下の5つのステップで行っていきます。
●火災現場の清掃
ステップ① | 石綿(アスベスト)含有量調査 |
---|---|
ステップ② | 建物の解体作業 |
ステップ③ | スス除去 |
ステップ④ | 消臭作業 |
清掃業者によっては、このステップにさらに追加される作業もあります。
業者によって細かい清掃方法や流れは異なりますが、基本の流れはこのようになっています。
それではそれぞれのステップでどういった作業をするのか、具体的に見ていきましょう。
1-1.ステップ①:石綿(アスベスト)含有量調査
まずは石綿含有量調査を行います。
石綿(アスベスト)には、肺がんや悪性中皮腫等引き起こすリスクがあるため、建物の壁や天井にアスベストが含まれていないか事前に調査します。
この調査は、建物を解体・改造・補修工事をする際に、事前に必ず行わなければならない調査です。令和2年より事前調査が法律により義務化され、令和5年10月以降は有資格者による調査が必須となりました。
そのため、解体作業などが伴う火災清掃の場合は、火災現場の清掃をおこなう前に事前調査を行います。
具体的には、以下の流れで調査していきます。
●石綿含有量調査の流れ
ステップ① | 第一次スクリーニング (書面・図面調査) | 図面や改修履歴、試料採取予定個所などを確認する |
---|---|---|
ステップ② | 第二次スクリーニング (現地での目視調査) | 実際に現場を訪れて、建築物を目視で確認し、調査票を作成する |
ステップ③ | 試料採取 | 試料採取計画を決定する |
ステップ④ | 分析調査 | 試料を分析しアスベストが含まれているか調査する |
ステップ⑤ | 報告書を作成し、提出する | 報告書の提出が必要な場合は、報告書を作成・提出する |
調査を行い、建物にアスベストが含まれていないか確認できたら、火災現場の清掃作業に入っていきます。
1-2.ステップ②:火災現場の残留物や燃えがらの撤去
石綿含有量調査が終わったら、初めに残留物や燃えがらの撤去をしていきます。
燃えてしまった家具や家の中に残ったものを仕分け、ゴミとして処理するものは梱包して屋外へ運び出す作業です。
それぞれの具体的な作業を見ていきましょう。
1-2-1.残留物の分別、袋詰め・梱包
火事現場の焼け跡から、家具や建具など、燃えてしまったものを片付ける作業です。
- 家具や建具の燃えたもの
- 灰
- 窓ガラスのかけら
- 貴重品
など、種類別に分別・仕分けをしていきます。
貴重品は別で確保し、残留物の中にガラス片などが混ざっている場合は手袋を使って安全に気をつけながら行ってきます。
灰はスコップですくい、袋詰めします。
1-2-2.残留物の搬出
分別して袋詰めした残留物を、火災現場から搬出します。
火災現場がマンションの場合は、廊下などの共用エリアにススの汚れがつかないよう、事前にビニールシートで覆い、保護します。
現場が2階の場合は、クレーンで吊り下げて残置物を搬出します。
1-2-3.特別管理廃棄物としてのごみ処分
火災で発生したごみは、普通ごみとして処分することができません。有害物質が含まれている可能性があるからです。
そのため、火災ごみは「特別管理廃棄物」として、許可を持っている業者に引き渡すことになります。
特別管理廃棄物として処分するには、「罹災証明書」が必要になります。
「罹災証明書」とは、火災があったことを証明するもので、管轄の消防署に発行してもらいます。
こういった手続きや必要書類をすべて前もって準備し、清掃日当日に問題なくゴミの処分・受け渡しができるようします。
火災ゴミの処分は解体作業とセットで依頼しよう!
火災ゴミの処分は、解体作業とセットで依頼するのがおすすめです。
火災ゴミは処分が難しく、受け入れ先業者の選定や受け入れ先とゴミの量の打合せも必要になるためです。
廃棄処分もどこでも受け入れてくれる訳ではなく、他県に運搬する場合もあります。そのため、火災ごみの処分費用は通常のゴミの5~10倍ほどと費用も割高になります。
作業をスムーズに進め、費用を少しでも抑えるためには、解体とセットで依頼するのがいいでしょう。
火災の解体を専門に行う業者にまとめて依頼するのがおすすめです。
1-3.ステップ③:建物の解体作業
次は建物の解体作業に入ります。 焼け焦げてしまった建材をはがす作業です。
火災の規模にもよりますが、表面の建材を剥がし終わったら、その後は内装材まで剥がしていきます。
焼け焦げた壁や内装材には、ダイオキシンやアスベストなどの有害物質が含まれている可能性もあり、また、火災のにおいも強く残っています。
そのため、焼け焦げてしまったものは基本的にすべて剥がします。
1-4.ステップ④:スス除去
次は、こびりついたススを除去していきます。解体するほどのダメージがなかった部分や、壁を解体したあとの内壁や基礎部分にくっついたススを取り除きます。
ススには、有害物質やにおいのもとがたくさん含まれています。
そのまま放って置くと、体にも悪い影響があるので、きちんと取り除かなければなりません。
ヤスリやグラインダーを使ってススを削っていきます。実は、このスス除去作業が、けっこうな労力がかかる工程となっています。
ヤスリやグラインダー(電動工具)を使って作業していくので、作業者の体にも負担がかかり、長い時間連続して作業を続けることができません。
休憩をはさみながら進めていくため、時間がかかり、その結果として費用高となります。
1-5.ステップ⑤:消臭作業
建物の解体、スス除去作業が無事に終わったら、最後に、建物全体のにおいを消臭していきます。
火災の発生において、あとで住んでいる人を困らせるのが、そのにおい。火災のにおいはなかなか取れず、窓を開けて換気するだけだと、完全消臭するのに2~3年はかかってしまいます。
そのため、火災が起きた後に、きちんと消臭しておくことが重要です。
具体的な消臭作業は、薬剤散布や専門機器の使用など、業者によって異なります。
当社リスクベネフィットでは、3つの特許技術を駆使して消臭作業を行っていきます。
当社が消臭作業で実践している特許技術は以下の3つです。
リスクベネフィットが特許を取得している火災消臭技術
①煤(スス)清掃
・ススの成分と躯体の材質に合わせて薬剤を調合し、ススを落とす
・主に酵素を使うことで躯体と汚れを引きはがす
②オゾン燻蒸
閉め切った部屋で超高濃度のオゾンを発生させ、浸透させる
③コーティング
専用のコーティング剤シャダーンを用いる事で強固な皮膜を形成し、臭気の染み込んだ物質を封じ込める
※コーティング剤を使用する事でさまざまな建材を再利用でき、リフォーム費用を軽減できる
参照:リスクベネフィット「火災消臭の工法と料金とは?国内唯一消臭特許取得済み」
オゾンには酸化作用があるので、においの元となる物質を分解・除去してくれます。
通常、換気だけでは消臭に2~3年かかる火災臭を、1~2日程度で分解してくれます。
実は、多くの業者がオゾン燻蒸の消臭作業を謳っていますが、こちらは当社の特許技術であり、当社でしかやっていません。
他社で行っているオゾン燻蒸は模倣ですのでご注意ください。
また、オゾン燻蒸と一概に言ってもその濃度・湿度によって消臭力は何百倍も変わってきます。
当社は、超高濃度のオゾンを発生させ、専用薬剤「消臭だんぼ」を併用することで、同業他社比300%の消臭力を実現しています。
すべての清掃作業が終わって生活を再開した時に、においが残っているのは嫌ですよね。
完全消臭するためにも、豊富な知識と専門的な技術を持っている清掃業者に依頼しましょう。
優良業者の選び方については「6.火災現場の清掃業者の選び方」で解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
2.火災現場の清掃にかかる費用の目安
火災現場の清掃はどのようなことをするのか、イメージできたのではないでしょうか。
「業者に清掃を頼みたいけど、費用がどれくらいかかるか」も気になりますよね。
火災現場の清掃費用は、その現場の状況によって大きく差があります。
火災の規模や、家が受けたダメージのレベルによって大きく異なるので、一概に火災現場の清掃費用の目安をお伝えすることはできません。しかし、通常の清掃よりも作業工程が増えるため、料金は通常清掃よりも上がると考えておくと良いでしょう。
例えば、1DKのマンションで火災が発生し、基本の火災現場清掃料金に対しさまざまな追加料金が加わった場合、清掃料金合計が190万円ほどとなるケースもあります。
ここでは参考までに、当社リスクベネフィットが提供している火災現場の清掃サービスの費用と、実際に清掃した事例をご紹介します。
自分のケースではどれくらいになりそうか、イメージしてみてくださいね。
2-1.火災現場清掃の費用の詳細
当社リスクベネフィットの火災現場清掃サービスの費用は、以下になります。作業内容や人数に応じた料金となっています。
◎リスクベネフィットの火災現場清掃サービスの費用
作業内容 | 金額 | |
---|---|---|
石綿含有量調査 | ・書面、図面調査 ・目視調査 ・試料採取 ・分析調査 ・報告書の作成 | 70,000円 |
残置物分別・撤去 | 共用部養生作業 | 時価 |
分別、梱包、袋詰め作業 | 140,000円/5㎥ | |
撤去、吊りおろし作業 | 時価 | |
廃棄物処分 引き渡し | 基本作業料金に含まれる | |
建物内部解体・撤去 | 内部解体作業 | 要相談 |
内装材撤去作業 | 35,000円/人 | |
産業廃棄物処分委託 | 目安金額 35,000円~50,000円/㎥ (地域によって格差があります) | |
有害物質除去、コーティング | 天井・側壁 一部ケレン作業 | 9,200円/㎡ |
有害物質分解 | 有害物質分解専用薬剤散布 | 基本作業料金に含まれる |
有害物質酸化分解作業 | 別途料金表参照 | |
急速消臭作業 | 通常の消臭作業の2割増し | |
特殊コーティング作業 | 6,500円/㎡ | |
ダイオキシン濃度測定 | ダイオキシン濃度測定 | 250,000円/箇所 |
当社が提示している料金も、火災現場の大きさや火災の規模によって大きく変化いたしますので、実際の金額はお問い合わせいただいてからの確認となります。
上記は、あくまで参考情報としてご理解いただければと思います。
2-2.事例
ここでは、費用のイメージがつきやすいように、当社で実際に火災現場の清掃をおこなった事例をいくつか紹介します。
【事例1】消火器をまき散らしたキッチンの清掃
【事例2】ボヤ発生後のスス清掃
【事例3】他社での解体作業からのスス清掃作業と消臭
それぞれ見ていきましょう。
2-2-1.【事例1】消火器をまき散らしたキッチンの清掃
火災の程度
鍋から火が出て自分で消火器ですぐに消火
費用
70,000円
作業内容
消火剤の清掃
こちらの事例では、消火剤の清掃を実施。
キッチンで鍋から出火し、すぐに消火器で消火したので大きな火災には至りませんでした。
消火剤がまき散らされ大変なことになっていたので、消火剤の清掃を行いました。
2-2-2.【事例2】ボヤ発生後のスス清掃
火災の程度
ボヤ発生・1部屋にススが蔓延
費用
375,000円
作業内容
家財撤去・スス清掃・消臭作業・有害物質撤去
こちらの事例では、ボヤが発生した1部屋の消臭と清掃作業を実施。
家財はすべて撤去し、スス清掃と有害物質撤去を行い、消臭作業を行いました。
2-2-3.【事例3】他社での解体作業からのスス清掃作業と消臭
火災の程度
ワンルーム
費用
210,000円
作業内容
スス清掃・スス有害物質除去・スス消臭作業・特殊コーティング
こちらの事例では、他社で解体作業まで行い、当社でスス清掃や消臭作業を実施。躯体にススが残り、火災臭も残っていたため、ススの清掃から有害物質の除去・消臭作業・特殊コーティングを行いました。
他の施工事例についてもっと知りたい方は、当社・リスクベネフィットのホームページ「火災現場消臭清掃」もご覧ください。
3.火災現場の清掃期間は数日~数週間かかる場合が多い
前章で、火災現場の清掃にかかるおおよその費用の検討がついたのではないでしょうか。費用と当時に「あとどれくらいで、日常生活に戻れるかな」と、清掃の期間も気になりますよね。
結論から述べると、火災現場の清掃に必要な日数は、火災現場の状況や業者によって大きく異なります。
なぜなら、火災現場の広さや火災の規模などによりかかってくる工数が大きく変わり、作業人数にも左右されるためです。
また業者によって作業効率も異なりスピードが変わってくるので、一概にどれくらいの日数が必要と言うのは難しいのです。
しかし、一般的には数日~数週間の期間がかかる場合が多いです。
例えば、一軒家が全焼したケースでは、8日間の作業日数がかかるようなケースもあります。
繰り返しになりますが、火災の規模などによって期間は大きく変わります。具体的な作業日数を知りたい場合は、業者に見積もりを取ったときに確認してみてください。
優良業者の選び方「6.火災現場の清掃業者の選び方」を基準に信頼できる業者を選ぶと、できるだけ短時間で清掃を終わらせることができます。参考にしてみてくださいね。
4.火災現場の清掃は自分でせずに業者に頼もう
ここまで読んだ方は、
「清掃内容と費用はわかった。でもこういった清掃って自分ではできないの?」
「清掃業者に頼まなければいけないの?」
と思った方もいるかもしれません。
結論を言うと、自分で火災現場の清掃をしてはいけません。その理由は次の4つです。
自分で火災現場の清掃をしてはいけない理由5つ
- 火災現場はできるだけ早く清掃を行う必要があるため
- ススによる健康被害の恐れがある
- 火災ごみを出すには手続きが必要
- 火災によるにおいは自分では消臭が難しい
- 汚れや有害物質で近隣に迷惑をかける
自分で火災現場を清掃しようとするのは、消臭が難しかったり手続きが煩雑であるのはもちろん、自分の健康に被害を及ぼしたり、近隣へ迷惑をかけることにもつながります。
その理由をきちんと理解して、自分にも近隣にも迷惑をかけずに火災現場を処理しなければなりません。
それでは、5つの理由を具体的に見ていきましょう。
4-1.火災現場はできるだけ早く清掃を行う必要があるため
火災現場はできるだけ早く清掃を行う必要があるため、業者に依頼するのをおすすめします。
なぜなら、火災のススに含まれる六価クロムなどにより、サビが発生してしまうからです。
サビが発生すると、建物の耐久性・耐震性が低くなり危険なので、一刻も早く清掃をしなければなりません。
前章で述べたように、火災の清掃は専門業者でも数日~数週間ほどかかってしまいます。
プロが特別な機械を使って熟練の技を用いても、ある程度の日数がかかります。一般の人では、この何倍・何十倍の時間がかかってしまうでしょう。そしてその間にも、サビはどんどん進んでしまうのです。
結果として、家が早く傷んでしまい修繕費がかかり、費用が高くつくことになります。サビを抑えてこれ以上のダメージを与えないために、業者に依頼して早く清掃をしましょう。
4-2.ススによる健康被害の恐れがある
火災現場には有害物質が含まれているススがあり、健康に被害を及ぼす可能性があるため、火災現場に入ってはいけません。
家具や家が焼け焦げて発生したススには、有害物質が含まれていることがあり、人体に影響を及ぼす恐れがあります。
ススに含まれている可能性のある有害物質とは主に、
- ダイオキシン
- アスベスト
です。一度は耳にしたことがあるものではないでしょうか。
これらの有害物質に触れてしまったり、吸い込んでしまったりすると、発がんの可能性が上がってしまうなど、これから先の健康に大きな被害を与えてしまいます。
火災現場の有害物質については、こちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方は読んでみてください。
火災後の現場は有害物質が残っている|健康被害と除去方法を解説
このため、基本的に火災が発生した後の現場には、立ち入ってはいけません。
4-3.火災ごみを出すには手続きが必要
前述の通り、火災で発生したごみは、一般廃棄物としてごみ置き場に出すことができません。
その理由は、火災現場で発生したススや有害物質がごみにも含まれており、普通ごみとして出すと、近隣の人やゴミ収集車の人へ健康被害を及ぼす可能性があるからです。
そのため、火災ゴミは、特別管理廃棄物として出さなければいけません。
しかし特別管理廃棄物としてゴミを出すには、次のような手続きが必要になります。
- 一般廃棄物処理業許可をもった業者へ依頼
- 罹災証明書を消防署へ発行依頼
※一般廃棄物処理業許可は、業者が取得していなくても、ゴミ回収専門の有資格業者と連携していれば問題ないです。
自分でこれらの手続きを行う事は可能ですが、仕事をしながらだと忙しかったり、慣れない中で進めると手続きに漏れがある恐れもあります。
そのため、廃棄物の手続きまで清掃業者にまとめて依頼するほうが、手間が省けます。
4-4.火災によるにおいは自分では消臭が難しい
火災により発生する焼け焦げたにおいは、消臭がとても難しいという問題があります。
自分で換気をしたりススを拭き取ったり、消臭スプレーを使ったりしても、この焼け焦げたにおいがなかなか取れません。
換気をしてにおいを取ろうとすると、2~3年はかかると言われています。
そしてこの焼け焦げたにおいは、脳に危険を素早く察知させるために人間にとって不快なにおいになっています。
時間が経てば慣れるものではありませんし、においのある環境で生活を続けると服にもにおいがうつったり、お客さんが来た時に、「変わったにおいのする家だな」と思われてしまいます。
したがって、火災のにおいは清掃業者に完全消臭してもらうのが一番確実な方法です。
4-5.汚れや有害物質で近隣に迷惑をかける
火災現場を自分で清掃しようとすると、ごみを出す時にどうしてもススが道や共用スペースに落ちてしまい、近隣に迷惑をかけることになります。
火災ごみには、ススやにおいがたくさん付いています。自分で清掃しようとすると、ススが落ちてマンションの共有スペースが汚れてしまったり、ススに含まれている有害物質が近隣の人にも健康被害を与えてしまう可能性があります。
プロの火災清掃業者に頼めば、マンションの通路をきちんと養生してくれ、近隣の人に迷惑がかからないように対応してくれます。
5.火災現場清掃の負担を抑えるポイント
「業者に依頼した方がいいことは分かったけど、高そうだな」
「できるだけ費用を抑えることはできないかな?」と考える方もいるでしょう。
この章では、火災現場清掃の負担を抑えるポイントについて解説します。少しでも負担を減らして、早く清掃に取り掛かれるように、以下の2つを確認してみましょう。
- 火災保険加入者は保険金を利用する
- 災害見舞金制度を利用する
それぞれ解説していきます。
5-1.火災保険加入者は保険金を利用する
火災保険に加入している場合は、保険金を請求できるか確認しましょう。
加入している保険内容によっては、業者に依頼した清掃費用をすべて保険金でまかなえるケースもあるからです。
以下の2つの事例では、建物の清掃費用と家財の損害額がすべて保険金で補償されています。
事例1 被害額約65万円・支払われた保険金額約91万円のケース
被害額:約65万円 | 支払われた保険金額:約91万円 |
---|---|
建物の損害額:32万円 ・仮設工事 ・解体工事 ・木工工事 ・内装仕上工事 | ・損害保険金:約65万 ・残存物片付け費用:約6万5,000円 ・臨時費用:約19万5,000円 |
家財の損害:約33万 ・ベッド ・マットレス ・電気ストーブ など |
こちらの電気では、電気ストーブに毛布がかぶさり出火。
火災した建物の清掃費用や損害した家財などで約65万円の損害が出ましたが、約91万円の保険金がもらえました。
事例2 被害額約200万円・支払われた保険金額約266万円のケース
被害額:約200万円 | 支払われた保険金額:約266万円 |
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建物の損害額:48万円 ・クロス張り替え工事 ・床張り替え工事 ・サッシ工事 ・その他雑工事 ・ハウスクリーニング など | ・損害保険金:約199万 ・残存物片付け費用:約7万5,000円 ・臨時費用:約60万円 |
家財の損害:約150万 ・パソコン ・プリンター ・ステレオセット ・スーツ ・布団 ・カーテン など |
こちらの事例では、タバコの火の不始末から出火。建物や家財で約200万円の損害がでましたが、約266万円の保険金をもらえました。
このように、火災保険に加入している場合、保険金により火災の清掃費用や家財の損害をまかなうことができるケースもあります。
まずは火災保険に加入しているか、加入している場合は何をどれくらい補償してくれるか確認しましょう。
5-2.災害見舞金制度を利用する
災害見舞金制度を利用できるかも確認してみましょう。
災害見舞金制度とは、自治体や加入している共済保険などから支払われる災害の見舞金制度のことです。
例えば、災害見舞金制度の一例には以下のようなものがあります。
地方職員共済組合の災害見舞金
組合員が非常災害(火災・水害・地震など)により住居や家財に損害を受けた時は、損害の程度に応じて災害見舞金が支給される。
支給額 住居および家財の損害の程度に応じて支給
- 全部が焼失または滅失:標準報酬額の3ヶ月分
- 1/2以上が焼失または滅失:標準報酬額の1~2ヶ月分
- 1/3以上が焼失または滅失:標準報酬額の0.5~1ヶ月分
参照:地方職員共済組合「災害にあったとき」
こちらは、すべての自治体や共済保険についている訳ではありません。
お住まいの地域や加入している共済保険には災害見舞金制度があるか・補償の対象になっているか確認してみてくださいね。
保険金などを早く支給してもらうポイント
保険金などは、支給にされるのに1週間~数ヶ月かかるなど、時間がかかってしまうケースがあります。
できるだけ早く支給してもらうには、以下のポイントを抑えておきましょう。
保険金をできるだけ早く給付してもらうには
- 火災直後に罹災証明をもらっておく
- できるだけ早く被害の連絡をする
- 書類に不備がないように確認してから提出する
できるだけ早く保険金を給付してもらい、費用の負担を抑えるためにも、保険会社へ速やかに連絡して、申請書類などは不備がないように確認をしっかりしましょう。
6.火災現場の清掃業者の選び方
火災現場の清掃は、自分で行うと健康に被害がおよぶ可能性もあるため、火災現場清掃業者に頼みましょう。
ですが、いざ火災現場の清掃業者を選ぼうとすると、多くの清掃業者がありどう選べばいいか迷ってしまうのではないでしょうか。
火災現場の清掃業者を選ぶポイントは次の5つです。
- 有害物質の除去を徹底している
- ごみ廃棄の割引方法の知識・経験がある
- 火災保険会社とのやりとりも対応してくれる
- 火災現場での作業に必要な免許を持っている
- 高い消臭技術がある
この5つのポイントをしっかり押さえている清掃業者を選べば、1つの清掃業者で必要な手続きを全て対応でき、費用もおさえることができます。
それでは清掃業者を選ぶ時の5つのポイントを具体的に見ていきましょう。
6-1.有害物質の除去を徹底している
火災現場には、火災で発生した有害物質が残っていることがあります。
火災現場の知識や経験が浅い清掃業者だと、有害物質の対応が至らず、次のようなリスクがあります。
- 火災現場を立ち入りする作業員の服についた有害物質を知らないうちに外へ持ち出してしまう
- 有害物質を除去したと言っているが、有害物質は目に見えないので、本当に除去されたのか不安が残る
経験と知識が豊富な清掃業者であれば、有害物質の対策を徹底しています。
有害物質の除去を徹底している業者かを判断するには、次の2つのポイントをチェックしてみましょう。
【有害物質除去を徹底している業者か判断する2つのポイント】
- 有害物質を外へ持ち出さないために、作業開始前にシャワールームを設置するか
- 清掃完了後に有害物質の濃度を数値で測り、除去できたことを証明してくれるか
この2つのポイントをおさえている清掃業者であれば、有害物質の除去を徹底して行ってくれるといえます。
当社リスクベネフィットでは、ダイオキシンを分解・無害化し、下図のように数字データで証明しています。
このようにデータで分かると安心ですよね。
6-2.高い消臭技術がある
前述の通り、火災による焼け焦げたにおいは、消臭がとても難しいです。そのため、高い消臭技術を持っている業者を選ぶのが大切なポイントとなります。
完全消臭してくれる業者かどうかを判断する基準は、次の2つです。
【高い消臭技術がある業者か判断する2つのポイント】
- 消臭に特殊技術を使っているか
- 消臭後ににおいレベルをチェックしてくれるか
業者の中には、高い技術の消臭技術を使って完全消臭し、さらにそれを数値化して、においが完全になくなっていることを証明してくれる業者があります。
反対に、数値のように目に見える形で証明してくれない業者は危険です。
いかにすごそうな消臭技術を謳っていたとしても、データで証明してくれない業者の場合、後からにおいが気になることがあります。
その時に業者に相談しても「においは個人の主観なので」と相手にされず、泣き寝入りしてしまうケースもあるのです。
においを完全に消臭し、安心して過ごすためにも、高い消臭技術を持ち、においを数値化してくれる業者を選びましょう。
6-3.ごみ廃棄の割引方法の知識・経験がある
前述の通り、火災で発生したごみは、普通のごみとして処分することができません。特別管理廃棄物として、処理する必要があります。
この時に、「罹災証明書」があれば、ゴミ処理費用が割引になります。
こういった知識をきちんと持ち合わせていて教えてくれる業者であれば、費用の面で得をすることができます。
ごみ廃棄の割引方法の知識・経験がある業者か判断する2つのポイント
- 罹災証明書があればごみ処理が割引になることをホームページで説明しているか
- 火災清掃業者が依頼者に罹災証明書の提出を求めているか
6-4.火災保険会社とのやりとりを対応してくれる
火災現場となった建物が火災保険に入っている場合は、申請をすれば保険金を受け取ることができます。
申請の手続きは、簡単に次のような手順になります。
【火災保険申請の流れ】
- 火災保険会社へ連絡
- 火災保険会社からの案内・説明
- 火災現場の損害状況の確認
- 必要書類の提出
- 保険金の支払い
しかし、火事が起きたあとはまだショックや恐怖が残り、細かい手続きや書類にまで頭が回らない状態の人も多いのではないでしょうか。そんな時、清掃業者が火災保険会社とのやりとりまで対応してくれれば、全てを一括で任せることができ、手間が省けますよね。
清掃業者の中には、火災保険会社とのやりとりまで対応してくれるところがあります。ぜひそういった業者を探してみましょう。
火災保険会社とのやりとりを対応してくれる業者か判断するポイント
- 火災保険会社とのやりとりを対応してくれることをホームページで説明しているか
(ホームページに記載がなければ、電話で問い合わせて聞いてみる)
6-5.火災現場での作業に必要な免許を持っている
火災現場の清掃には、様々な作業が含まれていますが、その中には特別な免許や資格が必要な作業があります。
正しい免許を持っておらず、違法で作業をする業者もありますので、注意が必要です。
例えば、火災現場での作業に必要な免許は次の2つです。
6-5-1.解体作業には石綿(アスベスト)含有量調査の資格者が必要
解体作業を行う場合は、石綿含有量調査が必要です。
1章の「ステップ①石綿含有量調査」でも解説したように、アスベストには人体に影響を及ぼすリスクがあるため、解体などを行う前には、事前調査が義務化されました。
調査は必ず有資格者が行わなければならないため、以下の資格があるか確認しましょう。
【石綿(アスベスト)含有量調査を行える資格】
- 建築物石綿含有建材調査者
- 上記または、令和5年9月30日までに日本アスベスト調査診断協会に登録された者
参照:厚生労働省「建築物石綿含有建材調査者」
石綿含有量調査が必要な際は、上記の資格を持っている必要があります。
6-5-2.解体作業には【解体業】の届出が必要
壁紙剥がしや建材の解体といった解体作業には、「解体業」の届け出が必要です。
解体作業は、正しい方法を知らないと、建物にも作業所にも被害が発生する可能性のある危険度の高い作業です。
そのため、国家資格を持つ技術管理者を定め、会社として解体業の届け出を出している必要があります。
6-5-3.火災ゴミを捨てるには【特別管理産業廃棄物収集運搬許可証】が必要
火災ゴミは通常のゴミとして捨てられず、特別管理廃棄物として捨てなければならないことは前述しましたが、さらにこの廃棄物として処理をするには、特別な許可証を持っている必要があります。
それが「特別管理産業廃棄物収集運搬許可証」です。
必ずしも、火災現場の清掃をする業者が持っていなければいけないわけではありません。
この許可証を持っている他の業者と提携し、スムーズにやりとりができれば問題ありません。
火災現場での作業に必要な免許を持っている業者か判断する3つのポイント
- 「石綿含有量調査」の資格を保有しているかホームページで確認する
- 「解体業」の届出を保有しているかホームページで確認する
- 「特別管理産業廃棄物収集運搬許可証」を保有しているか、もしくは保有している業者と提携しているかをホームページで確認する
7.火災清掃ならリスクベネフィットにおまかせください
火災現場の有害物質除去は、 火災現場清掃に多くの実績を持つリスクベネフィットへおまかせください!
住宅火災の火災現場の消臭や解体はもちろん、ボヤ程度の火災から、大規模な工場の火災まで、幅広く対応しております。
リスクベネフィットは、前に解説した火災清掃業者を選ぶときの5つのポイントを全ておさえております。
ここでは、リスクベネフィットに火災清掃を依頼するメリットを3つご紹介いたします。
- 有害物質の除去を徹底している
- ごみ処理から火災保険対応まで一括で対応
- 火災のにおいを完全消臭!数値化して証明します
7-1.有害物質の除去を徹底している
次の表は、通常の火災清掃ステップと、リスクベネフィットの火災清掃ステップの比較です。
表からわかるように、リスクベネフィットでは、有害物質の分解を徹底しています。
通常の火災清掃ステップ | リスクベネフィットの火災清掃ステップ |
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①石綿含有量調査 ②残置物撤去 ③建物の解体作業 ④スス除去 ⑤消臭作業 | ①石綿含有量調査 ②初期有害物質分解 ③残置物撤去 ④建物の解体作業 ⑤有害物質(スス)除去 ⑥有害物質分解・消臭作業 ⑦ダイオキシン濃度測定 |
特に「初期有害物質分解」・「ダイオキシン濃度測定」は独自の技術に基づいて除去を行っています。
【リスクベネフィットの初期有害物質分解】
1.シャワールーム設置
火災家屋には毒性の強い煙が残っていることがあるので、火災現場の入り口にシャワールームを設置します。
ここを通って出入りするので、有害物質を外へ持ち出しません。
2.建物内部密閉作業
ダイオキシンの分解作業を効率よく行うために、建物を密封します。
3.初期有害物質分解作業
ダイオキシン分解装置を使い、オゾンガスを発生させ、ダイオキシン濃度を一時的に下げ、清掃作業ができる状態にします。
【リスクベネフィットのダイオキシン濃度測定】
清掃終了後の状態のダイオキシン濃度を測定し、人が住める状況か判断します。
「検査結果報告書」の提出も可能、また、環境基準に対し適合を認める認定書もお渡しいたします。
7-2.火災のにおいを完全消臭!数値化して証明します
リスクベネフィットでは、特許を取得した技術を使用し、火災現場のにおいを完全消臭しています。
「完全消臭といっても、どうやって完全ににおいが消えたことを保証するの?」と思うかもしれません。
リスクベネフィットではにおいを数値化し、においがきちんと取れたことをお客様の目で確認できるようにしています。
【火災現場の臭気を測定し可視化】岡山一軒家火災のケース
においのレベルはこのように可視化され、消臭されたことを感覚だけでなく目で見て確かめることができます。
消臭保証つきで安心!
リスクベネフィットの火災現場清掃では、作業プランによって消臭保証もついています。
これは「においを全く感じない」というレベルではなく、部分的に剥がした壁紙や床材を仕上げたあとに、異臭を感じないレベルをお約束するものです。
これまでの弊社の施工実績では、再施工に至ったケースは一度もありませんので、ご安心ください!
7-3.ごみ処理から火災保険対応まで一括で対応
火災清掃業者を選ぶポイントで説明したように、業者によっては対応していない作業や手続きがあります。
一部対応していない業務がある清掃業者を選んでしまうと、その手続きだけ他の業者に頼まなければならず、二度手間になってしまいます。
リスクベネフィットは、ごみ処理(ごみ処理の割引の手続きも含む)から火災保険会社への連絡まで全て対応していますので、安心してご依頼ください。
火災現場の清掃の全体の流れと、工程表については、「火災現場清掃 作業工程説明及び料金表」からご確認ください。
火災の清掃業者を探している方、火災清掃について質問がある方は、以下よりお気軽にご相談ください。
8.まとめ
火災現場の清掃内容は、業者によってことも異なりますが、大きく5つのステップに分けることができます。
火災現場の清掃内容
- ステップ①:石綿含有量調査
- ステップ②:火災現場の残留物や燃えがらの撤去
- ステップ③:建物の解体作業
- ステップ④:スス除去
- ステップ⑤:消臭作業
◎火災現場の清掃は、清掃業者に頼むのが1番です。次の5つの理由から、自分で清掃するのはおすすめしません。
自分で火災現場の清掃をしてはいけない理由
- 火災現場はできるだけ早く清掃を行う必要があるため
- ススによる健康被害の恐れがある
- 火災ごみを出すには手続きが必要
- 火災によるにおいは自分では消臭が難しい
- 汚れや有害物質で近隣に迷惑をかける
火災現場の清掃業者を選ぶポイント
- 有害物質の除去を徹底している
- ごみ廃棄の割引方法の知識・経験がある
- 火災保険会社とのやりとりも対応してくれる
- 火災現場での作業に必要な免許を持っている
- 高い消臭技術がある
この記事を読むことによって、あなたが、火災現場の清掃内容や費用について理解でき、さらに業者に清掃を依頼し、安心できる心地よい過ごせる生活をいち早く取り戻せることを心より願っています。