「火事で家が燃えてしまった…この先どうしたら良いのだろう?」
「家の解体や焼け焦げた家具の処理はどうすればいい?」
火災で家が全焼もしくは半焼した場合、ショックと混乱でこの先何から取り掛かればよいのか途方に暮れてしまう人がほとんどでしょう。 火災後の処理は、まず以下に沿って進めてください。
上記に沿って進めていけばスムーズに処理できますが、解体工事業者を選ぶ際は注意してください。
中には後から高額請求してきたり、必要な資格や許可を持たず違法な工事をしたりする悪質な業者もいるからです。
業者を適当に選んでしまうと余計なコストがかかるほか、他の業者に依頼し直すなどのムダな労力が発生する可能性があります。
心身とも今より辛い状況にさせないためにも、業者の正しい選び方や費用相場などは事前に把握しておくべきでしょう。
そこでこの記事では、
- 火災後の処理で最初に行ってほしいこと
- 火災が起きた家の解体工事にかかる合計費用と各単価の相場
- 火災が起きた家の解体工事費用を抑える方法
- 火災後の処理をスムーズに終わらせるコツ
- 優良な火災処理業者の見極め方
- 火災後の生活を立て直す流れ
について徹底解説していきます。この記事を読めば、火災後の処理をスムーズに終わらせる方法だけでなく、安心して任せられる優良業者の見つけ方も分かります。
トラブルなく火災後の処理を終わらせ、元の日常生活に早く戻って安心するためにも、ぜひ最後まで目を通してください。
Contents
1. 火災後の処理でまず最初にするべきこと
万が一自分や家族の家で火災が起こってしまった場合、ショックで取り乱してしまうかもしれません。
しかし、早く生活を立て直していけるよう、以下の流れに沿ってまずは行動していきましょう。
以下で詳しく解説します。
1-1. 火災調査に立ち会う
火災が鎮火したら、消防による火災調査が行われるので必ず立ち会ってください。火災調査では以下の確認が行われます。
- 火災が起こった原因
- 火が出た場所
- 死傷者の有無
- 建物の損害 など
火災現場には、火災調査が終了してから立ち入ることができるため、後片付けなどは調査終了後、消防署から許可が出てから行いましょう。
1-2. 罹災証明書を取得する
火災調査が終了したら、消防署で罹災(りさい)証明書を取得しましょう。
罹災証明書とは、火災に遭ったことを証明してくれる書類です。以下を申請する際に必要となります。
- 火災現場のごみ処理費用の減免
- 火災保険
- 税金の免除や減額 など
罹災証明書の申請は、消火活動に当たってくれた消防署へ出向き、所定の用紙に記入して提出するだけです。
申請に必要なものは自治体によって異なりますが、身分証や被害状況が確認できる写真が必要な場合が多いです。
事前に各自治体の公式サイトなどで確認しておきましょう。
もし、本人や親族以外が申請する場合は委任状も必要です。 申請書の形式も自治体によって異なりますが、参考までに以下は茨城県鉾田市の申請書です。
申請後、職員が調査のために火災現場を訪れ、被害の程度を判定したうえで罹災証明書が発行されます。
そのため、自治体によって異なりますが、申請から発行までは数日から1週間程度、長い場合は2週間ほどかかる場合もあります。
このように、申請後すぐに罹災証明書が取得できるわけではありません。
その後の処理や手続きをスムーズに進めるためにも、罹災証明書の申請は火災後すぐに行うようにしてください。
1-3. 保険会社に連絡する
火災保険に加入している場合は、保険金の請求をするために保険会社へ連絡します。
一般的には、保険会社へ連絡後、担当者が現場を訪問・確認し、被害金額を算定したのちに保険金が決定されます。
前述した通り、保険金の申請には罹災証明書が必要です。
そのため罹災証明書を取得してから保険会社へ連絡するのがベストですが、発行まで時間がかかりそうな場合は、先に保険会社へ連絡しておくと安心でしょう。
1-4. ライフラインを停止するよう連絡する
電気やガス、水道、固定電話などのライフラインを止めるために、契約している会社に連絡しましょう。
消防署に通報が入って消火活動が行われた場合は、通常はガス漏れによる爆発を避けるため消防署からガス会社に連絡が入り、ガスが使えなくなります。 しかし、上記の場合も電気や水道、固定電話については自分で連絡しないと停止しません。
使わなくても基本料金は発生するため、余計なお金がかかってしまう前に連絡して止めておきましょう。
1-5. 近隣へお詫びの挨拶回りをする
火災後はさまざまな手続きで忙しく、気持ちも落ち込んでしまいお詫びどころではないかもしれませんが、出来るだけ早くご近所へお詫びしましょう。
火災によって近隣の家や建物に被害が及んでしまった場合、放火などの故意や重大な過失でなければ、法律的には賠償責任は発生しません。
しかし、火が燃え移ってしまった場合はもちろん、幸い実害がなかったとしても、ご近所へ迷惑をかけてしまったことには変わりありません。 火災後、数週間経ってからお詫びに来られても相手は気分を害してしまいます。
誠意を見せる意味でも、数日から遅くとも1週間以内にはお詫びに伺いましょう。
もし火災保険に「類焼(るいしょう)損害補償」が含まれている場合、燃え移ってしまった近隣住宅の建物や家財の補償が可能です。
前述した通り、故意や重大な過失でなければ補償する必要はありません。しかし、今後も同じ土地に住み続ける場合、近隣住宅との付き合いは避けて通れません。 そのため、もし類焼損害補償が火災保険に含まれている場合は、ご自宅の火災保険と一緒に申請した方が近隣住宅との良好な関係を維持できるでしょう。
1-6. 解体業者を選定する
火災で建物が半焼、あるいは全焼してしまった場合は、解体業者に依頼して解体工事を行う必要があります。
業者によって、火災ごみの処理費用が違うほか、工事にかかる時間もまちまちです。
そのため、複数の解体業者に見積もりを依頼しましょう。
解体工事に関連する手続きや処理、対応などで不明な点があれば、必ず質問してください。
その際にあいまいな回答をする業者の場合は、信頼に欠けるため依頼しない方が良いでしょう。
信頼できる解体業者を見極める方法は「5. 優良な火災処理業者を見極める4つのポイント」でくわしく解説しているので、ぜひ目を通してください。
ちなみに、部分焼失やボヤの場合は主に火災現場に特化した清掃が必要となります。
その場合も業者を選ぶ際は「5. 優良な火災処理業者を見極める4つのポイント」を参考にしてください。
ライフラインがダメになったくらいでは全解体する必要なし!
火災によってガス管や水道管が壊れてしまったり、電気配線が寸断されたりしても、家を全壊帯する必要はありません。
補修すれば直る可能性があるからです。
工務店に火災に遭った家をどうすべきか相談すると、「早急に全部解体した方がいい」と全解体を勧められるケースがありますが、注意してください。
工務店が売上を上げたいもしくは、ライフラインの復旧知識がないだけの可能性が大きいです。
もし全解体を進められたら、一度リスクベネフィットにご相談ください。 お客様の置かれている現状を把握し、火災現場の清掃および解体の豊富な経験や知識から、最適な解決法をご提案させていただきます。
2. 火災後の解体工事にかかる費用相場
火災に遭って家が燃えてしまった場合、解体業者を選定する必要があるといったところまでは理解できたけど、
「解体工事ってどのくらいお金がかかるのだろう…」と不安に感じている人も多いでしょう。
そこで本章では、解体工事にかかる合計費用の相場と各単価の相場を紹介します。 まずは合計費用の相場から見ていきましょう。
2-1. 火災後の解体工事費用の総額
火災後の解体工事費用は地域や住宅の広さ、使われている建材によっても変わってきます。
たとえば以下は、木造の住宅が火災に遭い、解体する場合の費用相場です。
【木造住宅の火災後解体費用相場】
坪数 | 木造家屋の解体費用相場 |
---|---|
30坪 | 約180万~250万円 |
40坪 | 約250万~350万円 |
50坪 | 約350万~500万円 |
60坪 | 約500万~650万円 |
火災後に解体工事を行う場合、建物が燃えてしまっているので工事費用があまりかからないと思うかもしれません。
しかし上記の表で紹介した通り、実際は一般家屋を解体する場合よりもかなり高額になります。
再利用できない建材をごみとして処理する費用が高額になるからです。
次の項目で、ごみ処理代を含めてほかにどんな費用がかかるのか、解体工事費用の内訳を紹介していきます。
2-2. 火災後の解体工事費用の内訳
火災で燃えてしまった住宅を解体する際にかかる費用の内訳は、以下の通りです。
- 本体工事費
- 人件費
- 火災ごみ運搬処分作業費
- 諸経費
- 付帯工事費
- 手数料
解体工事費用合計の相場だけでなく、何にいくらかかっているか各費用の相場も事前に把握しておくことで、業者の見積書を確認する際に適正な価格であるか見極めやすいでしょう。
以下で1つずつ解説していきます。
2-2-1. 本体工事費
本体工事費とは、住宅の解体作業にかかる基本的な費用のことです。
1坪あたりの解体費用×実際の坪数で算出します。
1坪あたりの解体費用は、以下のように住宅に使われている建材によって異なります。
種類 | 1坪あたりの解体費用 |
---|---|
木造 | 20,000~45,000円 |
鉄骨造 | 40,000~55,000円 |
鉄筋コンクリート造(SRC造) | 45,000~60,000円 |
坪あたりの解体費用は首都圏や都市部ほど高くなる傾向にあります。
建材や坪数別の本体工事費の相場は、以下を参考にしてください。
【本体工事費の相場】
♦木造
30坪 | 約60万~135万円 |
40坪 | 約80万~180万円 |
50坪 | 約100万~225万円 |
60坪 | 約120万~270万円 |
♦鉄骨造
30坪 | 約120万~165万円 |
40坪 | 約160万~220万円 |
50坪 | 約200万~275万円 |
60坪 | 約240万~330万円 |
♦鉄筋コンクリート造
30坪 | 約135万~180万円 |
40坪 | 約180万~240万円 |
50坪 | 約225万~300万円 |
60坪 | 約270万~360万円 |
上記はあくまで目安として参考にしてください。
2-2-2. 人件費
人件費は、実際に解体工事を行う作業員に支払われる費用です。相場は1日1人の人件費で3万円以上となっています。
たとえば以下は解体工事にかかる人件費の例です。
【火災後の解体工事にかかる人件費の相場】
3人で7日間作業する場合
3人×3万円×7日間=63万円~
4人で8日間作業する場合
4人×3万円×8日間=96万円~
5人で10日間作業する場合
5人×3万円×10日間=150万円~
上記の表に記載している通り、作業にあたる人数が多いほか工期が長引くほど、人件費は高くなります。
また地域によっても変動し、首都圏や都市部はとくに高くなりやすいでしょう。
2-2-3. 火災ごみ運搬処分作業費
火災後の解体工事では、焼けてしまった建材や屋根瓦、基礎コンクリートなどがごみとして処分されます。
しかし、通常の家庭ごみのようにごみ処理場で処分できないため、産業廃棄物として専用の処理場へ運ばなくてはなりません。
その際にかかる費用を火災ごみ運搬処分作業費と言います。
火災ごみ運搬処分作業費の相場は、解体工事費用の約10〜20%を占めます。たとえば木造住宅の火災後解体工事を行う場合の、火災ごみ運搬処分作業費の相場は以下の通りです。
【木造住宅の火災ごみ運搬処分作業費の相場】
30坪 | 約18万~50万円 |
40坪 | 約25万~70万円 |
50坪 | 約35万~100万円 |
60坪 | 約50万~130万円 |
地域によっては産業廃棄物の専用処理場まで車で数時間かかり、処理作業が完了するまでにかなりの時間がかかるケースもあります。
その分、火災ごみ運搬処分作業費に上乗せされる場合もあるため、高すぎると感じた場合は念のため業者に確認しましょう。
2-2-4. 諸経費
諸経費は業者によってどこまで含まれているか異なりますが、一般的には下記のような費用が含まれています。
- 役所に提出する書類作成費、申請費
- 足場の設置費
- 住宅の養生費
- 防音対策費
- 重機の駐車料、燃料費
- ご近所へ挨拶する際の粗品費
諸経費は解体工事費用の1~15%を占めており、住宅が全焼したのか半焼したのかによって金額が異なります。 たとえば木造住宅の火災後解体工事を行う場合にかかる、諸経費の相場は以下の通りです。
【木造住宅の火災後解体工事を行う場合にかかる諸経費の相場】
30坪 | 約18,000~37,5000円 |
40坪 | 約25,000~525,000円 |
50坪 | 約35,000~750,000円 |
60坪 | 約50,000~975,000円 |
解体工事の準備に関わる費用が、諸経費として分類されます。何のための費用か記載がない場合は、業者に確認しておくと安心です。
2-2-5. 付帯工事費
付帯工事費とは、敷地内に残っている樹木や井戸家の門やブロック塀、屋根付き駐車場などを撤去するのにかかる費用のことです。
家の中に残っている家具などを処分する際にかかる費用も、付帯工事費に含まれます。
撤去する残留物や工事の内容によって費用は変わるため、解体工事を依頼する業者に事前に確認しておきましょう。
2-2-6. 手数料
見積書にもし「手数料」という名目が記載されている場合は、業者の利益と考えてください。
一般的には、全体費用の10%~20%が相場となります。
たとえば、木造住宅の火災後解体工事を行う場合にかかる、手数料の相場は以下の通りです。
【木造住宅の火災後解体工事を行う場合にかかる手数料の相場】
30坪 | 約18万~50万円 |
40坪 | 約25万~70万円 |
50坪 | 約35万~100万円 |
60坪 | 約50万~130万円 |
手数料が明らかに高すぎる場合は、他の業者からも見積もりを取って比べてみましょう。安すぎる場合も注意してください。
「お得に解体できる!」と思うかもしれませんが、手抜き工事などのトラブルが起こる可能性もあります。
また見積書に手数料といった項目がない場合は、他の費用に上乗せされていることが多いです。
その場合は、総額が相場とかけ離れていないかを確認しておきましょう。
3. 解体工事の費用を抑える方法
火災で家が燃えてしまい今後の生活にも不安がある状態で、解体工事に数百万円も支払うのは、必要な工事と分かってはいても、とても精神的、経済的に苦しいはずです。
そこで、以下の方法を使って解体費用をできるだけ抑えることをおすすめします。
- 火災保険の損害保険金を充てる
- 火災ごみ処理費用の減免制度を利用する
- 自治体からの災害見舞金を申請する
1つずつ詳しく見ていきましょう。
3-1. 火災保険の損害保険金を充てる
火災後の解体工事の費用を抑えたい場合は、火災保険の損害保険金を充てましょう。
火災保険に加入している場合、保険会社に連絡して手続きを行うことで、審査が通れば保険金が支払われます。
給付される保険金には「損害保険金」と「臨時費用保険金」の2種類ありますが、以下に記載の通り、どちらも解体工事の費用として使えます。
- 損害保険金
解体工事の費用として支払われる。 - 臨時費用保険金
火災後の仮住まいとしてホテルに滞在する場合の費用や、引っ越し費用として支払われるが、解体工事の費用に充てても特に問題なし。
保険金がどのくらい支払われるか、実際の事例を見てみましょう。
以下は隣家で火災が発生し、自宅や家財が全焼した際に支払われた保険金の事例です。
契約していた保険金額:合計23,000,000円 | 支払われた保険金額:合計26,300,000円 |
---|---|
・建物:20,000,000円 ・家財:3,000,000円 | ・建物の損害保険金:20,000,000円 ・家財の損害保険金:3,000,000円 ・残存物片付け費用保険金:2,300,000円 ・臨時費用保険金:1,000,000円 |
このように火災保険に加入している場合、契約内容や契約金額にもよりますが、上記のように解体工事や新居の建設代を保険金でまかなえるケースもあります。
なお、保険金は火災の程度に応じて支払われるため、万が一、火災保険が下りる前に解体工事を行ってしまうと、火災の程度が調査できないため保険金が下りない場合があります。
必ず、火災保険の手続きを行ってから解体工事を始めるようにしてください。
火災保険に入っていれば保険金は絶対にもらえる?
住宅が火災に見舞われた場合、火災保険に入っていれば、ほとんどの場合において保険金を受け取れます。
しかし、以下のような場合は保険金が受け取れないので注意してください。
- 故意に火事を起こした場合
保険金目当てで自ら家に放火したなど - 重大な過失があった場合
油の入った鍋をコンロで加熱している最中にその場を離れたなど - 一部の自然災害による火災の場合
地震や噴火、津波によって引き起こされた火災 - 戦争や暴動などによる火災の場合
他国との戦争や国内での暴動、核燃料の投下によって引き起こされた火災など - 損害金額が自己負担金額(免責金額)を下回っている場合
たとえば損害金額が20万円で自己負担金額が25万円の場合、保険金は支払われない
上記のケースに当てはまっていないか、念のため、確認しておきましょう。
3-2. 火災ごみ処理費用の減免制度を利用する
火災後の解体工事の費用を抑えたい場合は、火災ごみ処理費用の減免制度も利用しましょう。
自治体には、「2. 火災後の解体工事にかかる費用相場」で説明した解体工事の費用の中で、もっとも高額だった「火災ごみ運搬処分作業」の費用を減免してくれる制度があります。
再利用できない建材は産業廃棄物として処理しなくてはなりませんが、処理費用を全額免除、もしくは一部免除することで、経済的な損失を抑えられます。
たとえば、神奈川県横浜市では「廃棄物を自ら処理施設に搬入する(解体業者でも対象になる場合あり)」ことで、
処理手数料が無料となります。
参考:火災や、天災等の被害により生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について|横浜市
ただし、減免されるのはあくまで処理手数料のみです。
火災ごみの運搬費用については解体業者に支払う必要があるので、注意してください。
申請は、お住まいの地域にある資源循環局収集事務所に事前に問い合わせた上で行ってください。
申請には罹災証明書が必要となります。
3-3. 自治体からの災害見舞金を申請する
火災後の解体工事の費用を抑えたい場合は、自治体からの災害見舞金も申請しておきましょう。
自治体ごとで金額が異なりますが、火事や大雨、台風などが原因で自宅が失われたり壊れたりしたた場合、災害見舞金が支給されます。
たとえば埼玉県戸田市では、以下のように災害見舞金が支給されます。
ケース | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
住宅が全焼、全壊、流失 | 7万円 | 10万円 |
住宅が半焼、半壊 | 3万円 | 5万円 |
住宅の床上浸水(居宅部分に限る) | 2万円 | 4万円 |
住宅の部分焼、水損(消火活動による) | 2万円 | 4万円 |
住人の死亡 | 10万円 | 10万円 |
住人の負傷(全治2週間以上の傷害) | 4万円 | 4万円 |
災害見舞金を申請する場合は、消防署で取得した罹災証明書および、役所で配布される申請用紙に記入が必要です。
また各自治体で申請期限が設定されているので、事前に確認した上で、必ず期限内に申請しましょう。
4. 火災後の処理をスムーズに終わらせるコツ
早く日常を取り戻すためにも、火災後の処理をできるだけ早く終わらせたい人は多いかと思います。
火災後の処理をスムーズに終わらせるためには、解体工事を滞りなく進めることが重要です。
具体的には以下にならって行動しましょう。
- 近隣に解体工事があることを事前に伝えておく
- 解体工事は優良業者に依頼する
1つずつ見ていきましょう。
4-1. 近隣に解体工事があることを事前に伝えておく
火災後の処理をスムーズに終わらせるためには、近隣住宅に解体工事を行うことを事前に知らせておきましょう。
近隣住宅に挨拶や告知をしないまま工事を始めると、トラブルが発生するケースがあるからです。
たとえば以下のようなクレームが入り、対応に時間を取られる可能性があります。
- 「工事の騒音がうるさい」
- 「砂埃や粉塵(ふんじん)で洗濯物が汚れた」
- 「業者のトラックが邪魔なところに停まっている」
- 「業者の話声がうるさい」 など
解体工事を滞りなく終わらせ、火災後の処理をスムーズに行うためにも、近隣住宅には事前に解体工事を行う旨を伝えておきましょう。
4-2. 解体工事は優良業者に依頼する
火災後の処理をスムーズに終わらせるためには、解体工事を優良業者に依頼することも重要です。
解体工事業者の中には悪質な業者もおり、以下のように工事が長引いてしまう恐れがあります。
- 必要な処理が抜け漏れており、他の業者を探して依頼する必要が出てくる
- 経験不足や技術不足により工期が大幅に遅れる
- 「予想外の障害物があった」などといった理由から高額な追加料金を請求し、料金を支払うまで工事を再開しない
優良業者であれば必要な処理は必ず行うほか、豊富な経験や確かな技術により、決められた期間内に工事を終わらせます。
また、追加料金が発生することもほとんどありません。
解体工事を迅速に終わらせ、火災後の処理もスムーズに終わらせるためにも、解体工事は必ず優良業者に依頼しましょう。
5. 優良な火災処理業者を見極める4つのポイント
火災後に解体工事や消臭工事を行う場合、どのような基準で業者を選んだらよいのでしょうか?
新しく家を建てるわけではなく、ひとまず解体して更地にするのが目的であれば、費用が安い業者に頼みたいと思うかもしれません。
しかし、安いからという理由で依頼した結果、追加費用が発生して最終的には高額になってしまったり、騒音や埃、煤(すす)の対策がしっかり行われず、ご近所とトラブルになってしまっては本末転倒です。
そのため業者を選ぶ際は以下のポイントを必ず確認し、優良業者か見極めた上で依頼しましょう。
以下で1つずつ解説していきます。
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5-1. 解体工事業の許認可を受けている
優良な火災処理業者を見極めるには、まず解体工事に必要な許可を取得しているかを確認しましょう。
中には解体工事に必要な許可を受けずに、無許可で営業している業者もいるからです。
解体工事を行うためには、国家資格を持つ技術管理者を定め、業者が解体業の届出を出している必要があります。
解体業の届出をきちんと出している優良業者であれば、公式サイトの会社概要などのページに届出を出している旨を記載しているはずです。
参考までに、以下は弊社リスクベネフィットの公式サイトに記載している解体業届出についての説明です。
- 東京都知事(登-1)第3771号
- 埼玉県知事(登-1)第2284号
- 千葉県知事(登-1)第1708号
- 神奈川県知事(登-30)第1935号
- 静岡県知事(登-30)第865号
- 愛知県知事(登-31)第3215号
- 大阪府知事(登-30)第1042号
- 広島県知事(登-解-1)第441号
- 岡山県知事(登-1)第464号
「丁寧に作業します」「リーズナブルな費用で解体可能です」など、どれだけ都合の良い言葉を並べていたとしても、
解体業に必要な許可を持っていない業者には、依頼しないようにしましょう。
5-2. 石綿含有量調査に必要な資格を持っている
石綿含有(せきめんがんゆう)量調査に必要な資格を持っているかも、優良な火災処理業者を見極めるポイントとして挙げられます。
石綿含有量調査は、工事する建物などの建材に、アスベストが含まれているかを確認する調査のことです。
アスベストは人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の調査は2023年10月より義務化され、建物の解体工事や改修工事前に必ず行う必要があります。石綿含有量調査を行うのに必要な資格は以下の2種類です。
- 建築物石綿含有建材調査者
- アスベスト診断士(2023年9月30日以前に資格登録済の者のみ調査可能)
このように解体工事の前には石綿含有量調査が必須のため、業者を選ぶ際は、調査に必要な資格を持っているか事前に確認しておきましょう。
5-3. 解体時の煤の飛散対策を行ってくれる
家の解体時に煤(すす)の飛散対策を行ってくれるかも、優良な火災処理業者を見極めるポイントとして挙げられます。
煤には以下のような、二次被害を引き起こす可能性があるからです。
- 呼吸器疾患などの病気を悪化させる
- 残った臭いが頭痛やめまい、吐き気を引き起こす
- 水分と混ざった煤が金属製の外壁や屋根に付着してサビを発生させる
- 建物の外壁や屋根に付着して黒く汚れる・洗濯物に付着して黒く汚れる など
火災で発生した煤は上記のように、周辺の建物や近隣住民に被害を及ぼす可能性があります。
そのため、解体現場を防塵(ぼうじん)シートで覆ったり、シャワールームを設置して煤を外部に持ち運ばないようにしたりするなど、
煤が周囲に飛び散らないように対策してくれる業者を選ぶと良いでしょう。
5-4. 見積書に追加費用が発生した場合について明記されている
見積書に追加費用が発生した場合について明記されているかも、優良な火災処理業者を見極めるポイントとして挙げられます。
中には見積書には安い金額を記載し、解体工事の途中や工事が終わった後に追加費用を突然請求してくる業者もいるからです。
見積書を受け取った段階で、どのような場合にいくら追加費用がかかるのか、見積書に記載されているかを必ず確認しましょう。
もし見積書に記載されていない場合は追記してもらい、必ず書面に残すようにしてください。
業者との間で余計なトラブルが発生し、火災後の処理が滞らないためにも、見積書に追加費用が発生した場合について明記されている業者を選びましょう。
「リフォームもやります」といった業者は信用しないで!
火災処理業者の中には、解体工事だけでなく「家のリフォームもやりますよ」と提案してくる業者もいますが、
ぼったくり料金を請求してくる悪質業者がほとんどなので、依頼しないことをおすすめします。
基本的に火災処理に必要な資格とリフォームに必要な資格は、以下のように全く異なります。
- 火災処理に必要な資格
解体業の許可や建築物石綿含有建材調査者 など - リフォームに必要な資格
建築士や塗装技能士、電気工事士 など
「解体工事からリフォームまで丸ごとお任せください」とうたっている業者は、一方の分野は自社で行い、残りの分野は下請け業者などに外注している可能性があります。
上記の場合、下請け業者に依頼する分の費用を、依頼したこちら側の費用に上乗せして請求してくるでしょう。
中には火災処理もリフォームも両方外注している業者もいるかもしれません。
そのため、基本的には「リフォームもやります」と言ってくる業者には依頼しないことをおすすめします。
6. 火災後の解体工事ならリスクベネフィットにお任せください
リスクベネフィットは、火災現場の解体経験が豊富な特殊清掃・災害復旧専門業者です。
具体的な特徴としては、以下の通りです。
- 複雑な火災ごみ処理方法に精通
- 解体に必要な許可や資格を保持
- 現場経験8000件以上の豊富な実績
以下で1つずつ説明していきます。
6-1. 複雑な火災ごみ処理方法に精通
火災現場から出たごみは、家庭から出る一般ごみとしては処分できません。一般的には、産業廃棄物として処理されるため専用処理場への持ち込みが必要になりますが、細かいルールは自治体によって異なります。
リスクベネフィットでは、自治体と協議の上、すべてを火災ごみとして仕分けるのではなく、一般ごみとして出せるものなど約10品目に仕分けを行います。
できるだけ一般ごみとして出せるよう工夫を凝らしているため、ごみ処理にかかる費用の削減が可能です。
最終的に解体工事費用が100万円単位で変わってくることもあります。
たとえば、火災ごみとして処理しなくてはならない大きな廃材なども、長さを半分に切って処分するなどして、できるだけ費用を抑えられるよう心がけています。
このようにリスクベネフィットは複雑な火災ごみの処理に慣れているため、産業廃棄物の運搬・処理費用を抑えられ、最終的にお客様の工事費用を安く抑えられます。
6-2. 解体に必要な許可や資格を保持
リスクベネフィットは解体工事に必要な許可や資格を持っているため、安心してご依頼いただけます。
解体業の許可は、以下の地域で取得済みです。
- 東京都
- 埼玉県
- 千葉県
- 神奈川県
- 静岡県
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 岡山県
また、人体に悪影響を及ぼす恐れのあるアスベストが、建物の建材に含まれているか事前に調査する必要があり、2023年より法律によって義務付けられています。
弊社は、アスベストの調査が可能な資格を保有しているため、法律に反することなく建物の解体が可能です。
このようにリスクベネフィットは解体工事に必要な許可や資格を持っているため、火災後の解体工事をスムーズに進められます。
6-3. 現場経験8000件以上の豊富な実績
リスクベネフィットは、火災現場の解体や清掃をはじめとした現場経験が豊富な業者で、8000件以上の特殊清掃実績があります。
火災後の解体工事については、実例をリスクベネフィット公式サイトの事業内容ページで紹介しているので、ぜひご覧ください。
全焼して建物がすべて倒壊してしまった建物の解体事例や、ほかの業者が手に負えず途中で逃げ出してしまった解体事例など掲載しています。なお、より詳しい情報が知りたい場合は以下からお問い合わせください。
それぞれ火災後の状況が異なりますので、詳しく様子をお伺いして、最適な解体方法やお見積もりをご提案させていただきます。
7. 【5STEP】火災後の生活を立て直す手順
火災後は罹災証明書の申請や保険会社への連絡、解体業者の選定、役所へ出向き受けられる支援について相談したりと、やるべきことがとても多いです。
その中で「今後の生活ってどうすればいいんだろう…」と不安を抱えてしまう人も多いかと思います。 本章では、どのように生活を立て直していくべきか、以下5つのSTEP順に紹介していきます。
STEP1 仮住まいを確保する
STEP2 自治体から救援物資を受け取る
STEP3 自治体から生活資金を借り入れる
STEP4 生活必需品を揃える
STEP5 家族のメンタルケアをする
1つずつ順番に見ていきましょう。
7-1. 【STEP.1】仮住まいを確保する
火災後の生活を立て直すためには、まず仮住まいを確保します。
自治体によっては、火災によって住む所がなくなってしまった場合、公営住宅に一時的に入居できます。
たとえば東京都では、3か月間は都営住宅の空き部屋に入居可能です。罹災証明書を持参の上、役所で手続きを行ってください。
必要なものは自治体によって異なるため、事前に問い合わせておくと安心です。
仮住まいと言っても、火災後に解体工事をして再度家を建て直す場合は、半年から1年は仮の住まいで暮らすことになります。
長期にわたるため、仕事や子どもの学校などを考えると、住む場所はどこでも良いという人は少ないでしょう。
そのため、最低限の日常が取り戻せるまでは自治体から紹介された仮住まいで暮らし、並行してより精神的に安定して生活できる仮住まいを探していくことをおすすめします。
7-2. 【STEP.2】自治体から救援物資を受け取る
仮住まいを確保したら、自治体から救援物資を受け取りましょう。
火災で自宅が全焼・半焼した場合などに、各自治体と連携している日本赤十字社より、救援物資を受け取れます。
たとえば鹿児島県熊毛郡中種子町では、以下のような物資を受け取れます。
- 毛布
- タオルケット
- ブルーシート
- 見舞品セット(バスタオルやフェイスタオル、Tシャツなど)
- 緊急セット(タオルやウェットティッシュ、懐中電灯など)
参考:被災者支援活動|日本赤十字社|社会福祉法人 中種子町社会福祉協議会
生活に必要なものすべてが支給されるわけではありませんが、毛布やタオルなどはどの季節でも役立つアイテムです。
そのため、救援物資を受け取っておくことをおすすめします。
自治体によって異なりますが、お住まいの地域の社会福祉課や福祉政策課に連絡して受け取ってください。
7-3. 【STEP.3】自治体から生活資金を借り入れる
低所得世帯の場合は、自治体から生活資金を借り入れることも検討しておきましょう。
たとえば神奈川県横浜市では、市が定める低所得世帯の基準を満たしている場合に限り、無利子で10万円を借りられます。
申請に必要なものは以下の通りです。
- 住民票(世帯全員分)
- 借入申請者本人の身分証明書(運転免許証、健康保険証など)
- 印鑑登録証明書および実印
- 収入金額を証明できる書類(原則として世帯全員分)
- 預金通帳の写し(資金送金口座の確認用)
- そのほか経済的に困っている理由や状況の根拠となる資料(罹災証明書 など)
連帯保証人は不要のため、世帯の代表者が1人申請に行けば問題ありません。
返済期間は12ヵ月ですが、最終的には市と相談した上で決定されます。
申請は自治体によって異なりますが、お住まいの地域の社会福祉協議会や福祉総務課で行ってください。
7-4. 【STEP.4】生活必需品を揃える
次に生活に必要なものを揃えましょう。
火災で家が燃えてしまうと、家電製品や家具、洋服やタオルといった生活用品もすべて失ってしまいます。
着替える下着もないほか、食事をするとしても皿や箸すらないという状況かと思います。そのため、以下のような方法で少しずつ生活に必要なものを揃えていきましょう。
- リーズナブルなお店やコンビニで下着を購入する
- 友人や知人、親戚から不要な服やタオル、食器などを譲ってもらう
- フリマアプリなどを使って洋服や生活雑貨を安く手に入れる
- リサイクルショップで中古の家具や家電を購入する など
7-5. 【STEP.5】家族のメンタルケアをする
自身を含め家族の精神的なケアも欠かさず行いましょう。火災によって家族を失った場合はもちろんですが、たとえ家族が全員無事だとしても、火災は精神的なショックを与えます。
火に包まれた自宅の映像が頭から離れないほか、煙が漂う中、家から脱出した際に感じた恐怖心が残っていることもあるでしょう。
上記のような場合は以下のような方法で、自身を含む家族のメンタルケアを行ってください。
- 悲しい、怖い気持ちを家族で共有する
- 友人や同僚など親しい人に話を聞いてもらう
- 家族や友人など大切な人と一緒に過ごす
- 趣味に没頭したり適度な運動をしたりする
- 普段のルーティンをこなす
- 心療内科にかかる など
とくに感情表現が乏しくなったり、夜眠れなかったりするなどの様子が続くようであれば、クリニックで診てもらうのをおすすめします。
8. まとめ
火災後は、まず以下に沿って処理を行っていきましょう。
家屋の解体工事を業者に依頼する場合、費用は地域や住宅の広さ、使われている建材によって変わってきます。
以下は火災に遭った木造住宅を解体する場合の費用相場です。
【木造住宅の火災後解体費用相場】
坪数 | 木造家屋の解体費用相場 |
---|---|
30坪 | 約180万~250万円 |
40坪 | 約250万~350万円 |
50坪 | 約350万~500万円 |
60坪 | 約500万~650万円 |
上記の通り、解体工事の費用は高額なため、以下の方法でできるだけ費用を抑えましょう。
- 火災保険の損害保険金を充てる
- 火災ごみ処理費用の減免制度を利用する
- 自治体からの災害見舞金を申請する
火災後の処理をスムーズに終わらせるためには、解体工事を滞りなく進めることが重要です。以下にならって行動しましょう。
- 近隣に解体工事があることを事前に伝えておく
- 解体工事は優良業者に依頼する
火災後の生活を立て直すためには、以下のSTEPに沿って行動してください。
STEP1 仮住まいを確保する
STEP2 自治体から救援物資を受け取る
STEP3 自治体から生活資金を借り入れる
STEP4 生活必需品を揃える
STEP5 家族のメンタルケアをする
火災で家を失うということは決して一般的なことではありません。
一刻でも早く安心した生活を取り戻せますよう、この記事がお役に立てますと幸いです。