「なんだか部屋が焦げ臭い気がする……」
「タバコは吸わないし、火も使っていないはずなのに、何が起きているんだろう?」
突然心当たりのない焦げ臭さを感じ、不安に思っていませんか?
考えられる焦げ臭さの原因は、以下の8つがあります。
原因は一般的に、キッチンのコンロの消し忘れが多いイメージでしょう。しかし、それ以外に電気機器のトラブルが原因の場合も多いです。また、錯覚で焦げ臭さを感じる「異臭症」という病気の可能性も考えられます。
原因によっては最悪の場合、大きな火事につながる恐れがあります。
特に、電気機器のショートや焦げ付きは、一見しただけでは気づきにくく、見逃してしまいがちです。ところが、東京消防庁の資料によると、電気関連の火災は、東京消防庁管内で毎年1,000件前後発生しており、全火災の3割を占めています。
部屋が焦げ臭い気がしたら、すぐに原因を見つけ、対策を取ることが重要です。放置して火事を起こさないためにも、考えられる原因を1つずつチェックし、速やかに対処して、安全を確保しましょう。
Contents
1.【対策付き】部屋が焦げ臭い気がする場合にすぐに確認すべきこと7つ
「なんとなく部屋が焦げ臭い……」と感じたときは、真っ先に近くに出火原因があることを疑いましょう。場合によっては、すぐに対処しないと、取り返しのつかない大火事につながります。
ここからは、焦げ臭さの原因として考えられる7つの可能性を紹介します。
火事を未然に防ぐために、当てはまるものがないか、1つずつチェックしていきましょう。各原因の対策も併せて紹介するので、焦げ臭さの原因が分かったら速やかに対処してください。
1-1.キッチンのコンロの消し忘れ
焦げ臭さの原因として1番多いのが、キッチンのコンロの消し忘れです。料理中の鍋が焦げていたり、お湯を沸かしているのを忘れて空焚きしていたりしませんか?
消防庁の令和元年(1~12月)における火災の状況(確定値)の資料よると、コンロが原因の建物火災は、全国で年間2,864件発生しています。全体の13.6%を占め、たばこ・放火を抑えて1番多い出火原因です。
コンロの周りに油やふきんといった燃えやすい物があると、すぐに火が燃え広がってしまいます。気づくのが遅れて火事になる前に、コンロの消し忘れはないか、しっかり確認しましょう。
【対策】
もしもコンロから火が出ていた場合、出火から1〜2分ほどの天井に火が届いてない段階であれば、初期消火が可能です。ただし、慌てて油を使っているコンロに水をかけるのは危険。
まずは落ち着いて、消防署に119番通報してから、消火器などを使って消火します。消火器がない場合は、水で濡らしたバスタオルやシーツを手前からかけて、空気を遮断するのが有効です。
出火から3分以上経過し、火が天井まで燃え上がっていたら、自力での消火は諦めて速やかに避難してください。
まだ出火していない段階で発見できた場合は、すぐに火を止めて、換気をしましょう。部屋の消臭方法については、「3.部屋に広がった焦げ臭さを消臭する方法4STEP」で詳しく紹介します。
1-2.コンセントの発火
次に、家中のコンセントから火花が出たり、焦げたりしていないか確認しましょう。コンセントの発火は、コンセントとプラグの間にほこりや髪の毛、ホチキス針などの異物が侵入し、放電されることで起こります。
「コンセントが発火する」というのは、知識として知っていても、実際に自宅で起きることはないだろうと高を括っている人は多いかもしれません。しかし、東京消防庁のデータによると、コンセントや差込みプラグによる火災は、過去10年で増加傾向にあり、東京消防庁管内の火災原因の3割ほどを占めています。
コンセントからの出火は、接続された電気製品の電源がオフの状態でも、コンセントにプラグが差し込まれているたけで発生する可能性があります。テレビ台裏の配線・デスク周りの延長コード・調理家電など、家中のコンセントを隈なく確認してください。
【対策】
もしコンセントから出火しているのを見つけたら、慌てずに消防署に連絡をしましょう。消火器が近くにあれば、消火に取りかかってください。
火花が飛んでいる状態であれば、被害の拡大を防ぐためにコンセントからプラグを抜きます。ただし、感電の恐れがあるので、素手で触るのは禁物。乾いたゴム手袋などを着けてプラグを引き抜き、できればブレーカーも落としてください。通電を遮断した状態であれば、水をかけても大丈夫なので、完全に消火しましょう。
消火できたら、電気工事会社に連絡を入れます。黒焦げになったコンセントは使えないので、修理を依頼しましょう。
また、東京都内にお住まいで、電化製品に焦げ跡を見つけて不安になった人は、東京消防庁版電気製品火災相談ガイドをご確認ください。状況に応じて取るべき対処法の診断や、消防署への現状報告とともに詳しい原因の調査依頼ができます。
1-3.ブレーカーの発熱
ブレーカーが老朽化すると、内部の接続ネジの緩みによる発熱が起こりやすくなり、火災につながることがあります。一般的に玄関や洗面所、キッチンなどに設置されている分電盤を開け、ブレーカーが焦げていないか、焦げ臭いにおいが強くないかを確認してください。
家庭の電気関連の装置は、保証期間が10年で切れることが多いです。ブレーカーを設置してから10年経過している場合は、念入りに確認しましょう。
【対策】
ブレーカーが焦げているのを発見したら、コンセントの場合と同様に電気工事会社に問い合わせましょう。ブレーカーが焦げている状態で気づけたら不幸中の幸いです。そのまま使い続けていたら大きな火事になっていたかもしれません。
そして、ブレーカーの修理は、電気工事士しかできない作業です。早めに業者を呼んで、対処してもらいましょう。
1-4.電球に付着したほこりやテープの焦げ
電球にほこりやテープが付着すると、熱が伝わり焦げてしまうことがあります。最近は、LEDライトが主流になっていますが、従来の蛍光灯は発熱しやすいです。
自宅で蛍光灯のシーリングライトやデスクライトを使用している場合は、電球が焦げ付いていないかチェックしましょう。
また、従来の蛍光灯用の照明器具にLEDランプを取り付けて、発煙・発火するケースもあります。もし最近LEDランプに取り替えた場合は、この原因の可能性が高いので、照明をよく確認してください。
【対策】
焦げた電球を見つけたら、電気を消して、新しい電球に取り替えましょう。LEDに対応していない照明器具には、LEDランプを取り付けてはいけません。
照明器具の説明書を確認し、照明器具が対応しているランプの種類(蛍光灯・LED)やランプ根元の口金のサイズなどを確認してから新しいランプを購入してください。
また、電球の焦げや発煙を起こさないために、定期的に掃除や点検をすることが大切です。
1-5.ストーブに衣類が接触しての着火
石油ストーブ・電気ストーブ共に、衣類や布団、ペットの毛などが近くにあると、火が燃え移ってしまいます。ストーブの近くに洗濯物を干していたら、知らぬ間にストーブの上に落下していたということもあり得ます。
布や紙に引火すると、火が広がるのも速いです。ストーブの近くで何か燃えていないか確認してください。
ストーブによる火災というと、石油ストーブを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし東京消防庁や神戸市のデータによると、近年のストーブ火災は、石油ストーブよりも電気ストーブが出火原因の事例が多いです。
電気ストーブを使用している場合も油断せず、しっかりと確認してくださいね。
【対策】
万が一、ストーブ付近ですでに火が燃え上がっていたら、すぐに119番通報しましょう。まだ火が天井に達していなければ、自分で初期消火を行うことが可能です。濡らしたバスタオルやシーツなど、大きめの布を手前から火に被せ、酸素を遮断してください。
ただし、消火が難しく、身に危険を感じたらすぐに避難を。その際にもし余裕があれば、空気を室内に入れないために、窓やドアを閉めておくと良いです。
1-6.エアコンの焦げ付き
焦げ臭さの原因として、エアコンの故障も考えられます。電気系統のショートや、内部にたまったほこりの焦げ付きが起こっているケースです。目視しにくい部分のモーターに不具合が生じていることも考えられます。
また、部屋のエアコンではなく、室外機から焦げ臭いにおいがしたり、煙が出たりする場合もあります。故障したまま使い続けると火事になる恐れがあるので、エアコンからにおいが出ていないか、よく確認しましょう。
【対策】
エアコン内部のトラブルが発生していた場合や、明らかにエアコンから焦げ臭いにおいがする場合は、すぐに電源を切ってコンセントを抜き、購入先の家電メーカーや販売店、修理業者に問い合わせましょう。
また、エアコンの故障を防ぐために、エアコン内部の掃除をこまめにすること、室外機の周りに物を置かないことが大切です。
1-7.マンション・アパート内の火災
焦げ臭いにおいが自宅ではなく、同じマンション・アパートの別室から漂ってきている可能性もあります。自宅に火元や電気機器のトラブルがないか調べたら、近隣で火災が起きていないか確認しましょう。
【対策】
もし近所で火災が発生していた場合は、119番通報をするとともに、マンションの廊下やロビーにある非常ボタンを押します。そして、「火事だ!」と大声で叫んで近隣住民に知らせてください。
マンションは耐火構造により、自分の家まで火が燃え広がる可能性は低いので、落ち着いて行動することが大切です。自宅に火が燃え広がるのを避けるために窓や扉を閉め、慌てずに避難しましょう。
2.鼻や神経系の病気でも焦げ臭い気がすることがある
「火元や電気トラブルがないことを確認したのに、まだ焦げ臭い気がする……」という人は、鼻や神経系の病気が原因かもしれません。
錯覚で焦げ臭いにおいを感じる病気として、「異臭症」があります。鼻の中でにおいを感じる嗅上皮が傷つき、脳に信号を送る神経の一部に問題が生じる病気です。
以下の条件に当てはまる人は、「異臭症」が疑われます。自分がいくつ該当するかチェックしてみましょう。
異臭症の可能性をチェック
- 鼻の奥から焦げ臭いにおいがする
- タバコのような煙臭いにおい
- 最近、風邪や副鼻腔炎を発症した
- 焦げ臭いにおいが出たり消えたりする
- 寝起きは大丈夫なのに、日中発作的に起こる
- 空気が乾燥しているときに臭うことが多い
「周りにいる家族には臭わないのに、自分だけ焦げ臭さを感じる」「もしかしたら異臭症かも……」と感じる人は、一度耳鼻科に相談してみることをおすすめします。
3.部屋に広がった焦げ臭さを消臭する方法4STEP
焦げた鍋や電気トラブルが原因で部屋に広がった焦げ臭さは、なるべく早く消臭したいですよね。ところが、ボヤ後の焦げ臭さはなかなか消えず、1週間〜1ヶ月経ってもにおいが残る場合もあります。
「焦げたもの自体は取り除いたのになぜ?」と疑問に思うかもしれませんが、それはボヤ発生時に、においの原因となる煤(すす)が部屋全体に広がっているためです。目に見えない煤の微粒子が壁や天井、布製品などに付着し、家具の隙間などにも入り込んでしまっています。
ここからは、室内に溜まっている煤を取り除き、焦げ臭さを和らげるための4STEPを紹介します。
【STEP1】換気
まずは、部屋にこもった煙やにおいを外に出すために換気をします。換気扇を回し、窓を開けて空気の入れ替えをしましょう。
このときに、換気扇から近い窓は閉めたままで、換気扇から離れた対角にある窓のみを開けると、効率よく換気できます。部屋を通る空気量が増え、部屋の中央付近の空気も排出できるためです。
また、窓を開ける際に、できれば網戸も開けておきましょう。網戸を閉めていると、網戸に煤の粒子が付き、あとで拭き取るのが大変になることもあります。
煙がなくなっても、においの元となる物質は部屋に留まっています。焦げ臭さが消えるまでは、しばらく換気を続けてください。
【STEP2】部屋の布類を洗濯
次に、部屋にある衣類・布団カバー・カーテンなど、洗える布製品はすべて洗濯しましょう。洗剤で洗い流すことで、においの原因を除去します。
カーペット・クッション・布団など、水洗いできないものは天日干しして、風にさらしながら叩いて煤を取り除いてください。
【STEP3】天井・壁・床を拭き掃除
続いて、部屋の天井・壁・床を拭き掃除します。
ただの水拭きではなく、壁用のスプレー洗剤を吹きかけながら拭き掃除するとより効果的です。専用の洗剤がない場合は、食器用洗剤を500mlの水に対し小さじ1杯(5g)ほど入れ、そこに浸けた雑巾を固く絞って使用する方法も有効です。
このときの注意点として、「天井→壁→床」の順番で拭いきましょう。煤が下に落ちるため、何度も同じ場所を掃除する手間が省けます。
壁を拭くと同時に、家具や窓ガラスも拭き掃除してください。ここまで済めば、焦げ臭さはほとんど感じなくなるはずです。
【おすすめの消臭・除菌クリーナー】
出典:Amazon.co.jp
スーパーオレンジ脱臭・消毒バブルタイプ480ml
濃度を調整することで、家中の消臭と除菌ができる多目的クリーナーです。
窓ガラスや壁、床などを拭くときは、200倍に薄めて使用しましょう。
【STEP4】備長炭や消臭剤を置く
最後に、備長炭や消臭剤など、消臭効果のある物を設置します。
においが気になると、消臭剤や芳香剤を置いて誤魔化したくなりますが、先ににおいの原因を除去しておくことが重要です。STEP3まで完了してもまだ焦げ臭さが気になるようなら、お好みの消臭剤や芳香剤を置いてください。
備長炭や竹炭は、熱湯で10分ほど煮沸したあと、風通しの良い場所で1日ほど陰干ししてから使うと、消臭効果が上がります。
【おすすめの消臭剤】
出典:Amazon.co.jp
お部屋の消臭力 アロマカモミールの香り 400ml
カモミールの香りが爽やかな消臭剤です。ナノパウダーが部屋に漂うにおい成分を吸着しつつ、香りが広がります。嫌なにおいが混ざり合うことなく、わずかに残った焦げ臭さを和らげてくれますよ。
【おすすめの竹炭】
出典:Amazon.co.jp
炭焼き勘太郎 3kg
竹を約400度の窯で炭化させた竹炭です。6畳の部屋の消臭には、約2kgを目安に置きましょう。
消臭効果に加え、部屋の除湿にも役立ちます。
4.どうしても臭いが取れない場合は消臭業者に相談しよう
上記の方法を試しても焦げ臭さが消えない場合は、「完全消臭」に対応している専門業者に相談しましょう。
焦げ臭さが消えない原因として、においの原因となる煤が部屋の細かい隙間に入り込み、取れなくなっていることが挙げられます。
消臭業者なら、超高濃度のオゾンやオゾン燻蒸促進剤など、専用の機械や消臭剤を使って、完全ににおいを消すことが可能です。通常、自然に消臭されるまで約2年かかるにおいも1〜2日ほどで分解します。
しかし、オゾン脱臭を謳っている業者でも質に差があり、においが取りきれないケースがあるため、業者の見極めが重要です。
リスクベネフィットは、7年以上の火災現場復旧の経験をもとに確立した「完全消臭」の特許技術を持っています。火災やボヤ発生後の消臭には、通常のハウスクリーニングや脱臭とは異なるノウハウが必要です。
リスクベネフィットの完全消臭は、さまざまな技術を組み合わせることで、壁や天井に付着した煤や、熱により発生したダイオキシンなどの有害物質を除去。焦げ臭いにおいが発生する前と同じように安心して生活できます。
ボヤ程度の簡易消臭から大規模な完全消臭まで対応しているので、焦げ臭いにおいが取れずにお困りの場合は、ぜひ一度リスクベネフィットにご相談ください。
5.まとめ
今回は、部屋が焦げ臭い気がするときの原因や対処法について解説しました。
焦げ臭さの原因として考えられるのは、以下の7つです。火災を未然に防ぐため、当てはまるものがないか、1つずつチェックしましょう。
- キッチンのコンロの消し忘れ
- コンセントの発火
- ブレーカーの発熱
- 電球に付着したほこりやテープの焦げ
- ストーブに衣類が接触しての着火
- エアコンの焦げ付き
- マンション・アパート内の火災
もしすでに火が発生していたら、速やかに初期消火または避難してください。電気機器のトラブルを発見した場合は、業者を呼んで修理してもらう必要があります。
上記7つの原因に当てはまらない場合は、「異臭症」の可能性も考えられます。周りの人はにおいを感じないのに、自分だけ発作的に焦げ臭さを感じる場合は、病院に相談してみましょう。
部屋に広がった焦げ臭さを消臭する方法は、以下の4STEPです。
- 【STEP1】換気
- 【STEP2】部屋の布類を洗濯
- 【STEP3】天井・壁・床を拭き掃除
- 【STEP4】備長炭や消臭剤を置く
原因不明の焦げ臭さを感じる状態は不安が大きいと思います。本記事によって、においを解消する糸口がつかめれば幸いです。