「身内が孤独死した場合、遺品整理はどうしたらいいの」
「孤独死した場合の遺品整理は、誰がおこなうんだろう」
いま、あなたは身内が孤独死してしまい、遺品整理について悩んでいるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、遺品整理は基本的に、相続人が特殊清掃業者に依頼して行います。
遺品整理の流れは次のようになります。
【孤独死の連絡がきてから遺品整理をするまでの流れ】
遺体があった現場は、腐敗した遺体からの体液や腐臭が部屋中に蔓延している、危ない環境です。
そこで特殊清掃によって、ある程度清掃してから、はじめて遺品整理が可能になるのです。
また、孤独死の遺品整理は、腐敗した体液や大量発生したハエのせいで、基本的にほぼ全てのものを処分することになります。
とはいえ、
「とにかく早くしてほしい」
「遺品をなんとかお金に変えたい」
と、適当な清掃業者に依頼するのは危険です。
遺品を無責任に処分されたり、部屋の強烈なニオイが消せずに、結局別の専門家に依頼することにもなりかねません。
そこでこの記事では、身内が孤独死した場合の遺品整理の方法や、特殊清掃の業者費用の目安や選び方についてなど、詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、突然の身内の孤独死というショックの中でも、パニックにならず、落ち着いて遺品整理を進めていくことができます。
どうぞ最後までお読みいただき、突然の出来事を一緒に乗り越えていきましょう。
Contents
1.孤独死した場合の遺品整理の方法
孤独死した場合の遺品整理は、基本的に相続人が行います。
「孤独死だし、遺品整理は誰がやってもいいのでは」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、亡くなった時点から、法的に遺品の所有権は相続人に移ります。
相続人の順番は次のとおりです。
①配偶者:配偶者は常に相続人
②第1順位:子供、子供が亡くなっている場合は孫
③第2順位:父母、父母が亡くなっている場合は祖父母
④第3順位:兄弟姉妹
相続人の承認を得ずに処分や売却などをしてしまうと、大きなトラブルに発展しかねません。
相続人が高齢で、現場に来ることが出来ないケースなど、やむをえず相続人以外が遺品の整理を行う場合は、すべての相続人の同意が必要です。
なお、相続人であっても、一度遺品を処分してしまうと、相続放棄をすることができなくなるケースがあります。
のちに、故人に借金があることが判明するケースもあるので、遺品整理は慎重に行いましょう。
自分が孤独死を発見した場合の流れや、注意点については、次の記事を参考にしてください。
【注意】遺品を一部でも処分(売却・譲渡など)した場合は相続放棄できない
遺品を勝手に処分してしまうと、相続放棄ができなくなる可能性があります。
民法第921条により、遺品を処分した行為が「相続を承認した」とみなされるためです。
たとえば、遺品の高価な時計や装飾品を売却したり、預貯金を勝手に引き出したりする行為が当てはまります。
そのお金を葬儀費用に宛てたとしても、認められないこともあるので注意が必要です。
2. 孤独死した場合の遺品整理の流れ
孤独死した場合は、通常の死亡時の遺品整理とは異なります。
というのも、すぐに部屋の中に入って、遺品整理をすることが出来ないからです。
部屋の中は、遺体から滲み出た体液や雑菌などで汚染されており、一般の人は入ることはできません。
そのため、遺品整理の前後に、「特殊清掃」が必要となります。
また、遺品整理を行うのはあなたではなく、特殊清掃業者が行うケースが主流です。
実際に、孤独死した場合の遺品整理の流れを見ていきましょう。
また、賃貸住宅の場合には原状回復の義務があります。
特殊清掃で、除菌や消臭をしっかりと行ってから部屋を明け渡す必要があるでしょう。
ただし、持ち家などで取り壊しが決まっている場合であれば、遺品整理前の特殊清掃だけで済むこともあります。
遺品整理の流れを解説していきましょう。
2-1. ①警察の入室許可が降りる日を確認する
まずは、警察の入室許可が降りる日を確認しましょう。
遺品整理ができるのは、警察の現場検証が終了し、入室許可が降りてからです。
ここでは「どのくらいで入室許可が降りそうか」警察に聞きましょう。
下記に、目安を記載します。
事件性がない場合 | 半日程度 |
事件性はないが、死因が分からない場合 | 1~2日程度 |
事件性が疑われる場合(=司法解剖する場合) | 数日から1か月以上 |
腐敗が進んでいて身元の確認が取れない場合 | 1ヵ月以上かかるケースもある |
いずれにしても、大家さんやご遺族は何もできないため、待つのみです。
なお、遺体の検視や現場検証は、病死など、犯罪性のないことがすぐに確認できるケースではあまり時間はかかりません。
遺体発見から早いと半日、遅くても数日以内に遺体は遺族に返されますし、入室許可も同時に下りる場合があります。
2-2. ②特殊清掃業者に遺品整理前の簡易清掃を依頼する
警察から入室許可が下りたら、ただちに特殊清掃を行えるよう、早い段階で業者の手配をしておきましょう。
特殊清掃業者による簡易清掃は、素人が防護服なしで安全に入室し、室内にある程度の時間滞在をして作業ができるような状態を目指します。
孤独死をした現場は、一般の人が無防備に入っていける環境ではありません。
【孤独死の現場の危険性】
- 遺体の体液や汚物が床に漏れたり、染みたりしている。
- 雑菌などが部屋に充満し、感染症などのリスクがある。
- 死体やゴミなどの腐敗臭が充満している。
- ハエやうじ虫などが大量に発生している
季節にもよりますが、遺体は死後数時間で体内の細菌が異常繁殖し、腐敗が始まります。
吐血して亡くなられた場合、血液が部屋中に飛び散り、感染症リスクが非常に高い状態です。
【特殊清掃業者の作業例】
- 防護服を着た専門の作業員が部屋を密閉して作業
- 近隣への悪臭被害や害虫・害獣による感染症の拡大の防止対策
- 薬剤や機器を使って床下や壁紙まで剥がして確認しながら清掃
※注意!実際の現場にモザイクをかけた写真を参考までに記載します。
現場の写真が苦手な方は今すぐ「2-3. ③遺品整理を行う」に飛んでください。
では、実際の写真を載せます。
ただし、この段階での清掃は、基本的には遺体周辺の、目に見える範囲の汚染物を除去することがメインです。臭いは少し残っていると考えた方が良いでしょう。
特殊清掃業者の探し方
- インターネット検索する(「地名」+「特殊清掃」で検索する)
- 不動産の管理者から紹介してもらう
- 葬儀業者から紹介してもらう
特殊清掃だけではなく、遺品整理サービスも行っている業者を選ぶと、遺品整理と同時に清掃されるので大変便利です。
2-3. ③遺品整理を行う
部屋の特殊清掃が終了したら、遺品整理を行います。
布製や紙製のものは腐敗臭が染み込んでいるため、基本的にはすべて処分した方がいいでしょう。
どうしても残したいものがあった場合には、特殊清掃業者に消臭を依頼し、臭いが漏れないように梱包したり、消臭してもらったりして残すこともできます。 なお、特殊清掃をしてもらう際に、
「見ず知らずの業者が家に入る前に、貴重品をとっておかなくては」
などの心配は不要です。
現金や身分証、家や車の鍵などの貴重品については、警察による遺体の回収の際に、回収・保管されているからです。
保管されていた貴重品の受取りは、遺体の引き取りの際に行われることが多いでしょう。
【遺品整理の分類】
分類 | 処理方法 |
---|---|
遺産相続に関する書類等 | 所定の手続きに沿って 法定相続人が手続きする |
金銭的な価値のある物品等 | 売却または形見分けする |
思い出の品 | 親族や故人と生前付き合いのあった方に 形見分けする |
廃棄処分するもの | 自治体のルールに従って廃棄する |
遺品整理は遺族だけでも行うことができます。
しかし、以下のような場合は業者に依頼すると、相続に関する手続き以外のすべてを一日で済ませることができます。
- 相続人が遠方に住んでいる
- 現場が賃貸住宅で契約期限がある
- 人手が少ない
2-4. ④特殊清掃業者に徹底清掃(仕上げ)を依頼
遺品整理後の特殊清掃は、腐敗臭の元が完全に除去され、孤独死がなかった場合の状態までの清掃を行います。
【形見分け後の特殊清掃の目的と作業内容】
目的
部屋を孤独死が発生する前の状態に戻す
作業内容
・家財品の撤去および処分
・腐敗液の徹底清掃
・壁紙の撤去
・床解体
腐敗液が侵食していると思われる床板や、腐敗臭の染み込んだ壁紙を剥がして、専門の薬剤や機器を用い、特殊光を当てて清掃残りの確認と清掃を細かく繰り返す作業です。
風呂場やトイレなどの水回りが死亡現場であった場合は、排水管の中まできれいに清掃します。
孤独死の現場が賃貸物件である場合は、原状復帰のため、この作業は必ず行わなくてはなりません。
特殊清掃の費用の目安
特殊清掃の費用は、臭気レベルや遺品の量などによって料金が変動します。
間取り別のパックプランごとの料金目安は次の通りです。
【パックプラン】
間取り | 該当する |
---|---|
1R・1K | 40,000円~80,000円 |
1DK | 60,000円~120,000円 |
1LDK | 80,000円~200,000円 |
2DK | 110,000円~250,000円 |
2LDK | 120,000円~300,000円 |
3DK | 160,000円~400,000円 |
3LDK | 180,000円~500,000円 |
ただし、作業別の料金プランを出す業者は絶対依頼しないでください。
項目を分けて記載するのは、「料金安く見せるためのテクニック」です。
特殊清掃は、実際に現場に足を踏み入れてみないと、費用を出せません。
特殊清掃の流れやコストは下記の記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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3. 孤独死の遺品整理は基本的に特殊清掃業者にセットで依頼すべき
孤独死の場合、遺品整理もできる特殊清掃業者に、セットで依頼することをおすすめします。
遺品整理もできる特殊清掃業者は、遺産相続に関する書類や金銭的な価値のある物品、遺族から特別な依頼のあったものについて、特別に対応してくれるためです。
たとえば、雑多なチラシや雑誌の中に挟まっていた、家族に宛てた大切な手紙や、封筒入りのお札なども、きちんと見つけ出してくれるのです。 また、孤独死での遺品整理は心理的な苦痛を伴いますが、さらに次のような問題もあります。
- 遺品に腐敗臭や体液がついて、感染症のリスクがある
- ハエ、ゴキブリなどの害虫が大量に発生している可能性がある
- ゴミの分類や処分に、大きな時間と労力がかかる
上記のような状況でも、特殊清掃業者なら、ひとつひとつ丁寧に消毒や消臭をしたうえで梱包し、遺族に引き渡してくれます。
現場で出たゴミの処分などもおまかせできるので、大きく手間を省くことができるでしょう。
遺品整理だけを行っている業者では、遺品についた腐敗臭の消臭などの対応ができません。
遺したいものがある場合は、遺品整理のできる特殊清掃業者に相談しながら進めていくことをおすすめします。
4. 孤独死現場に対応できる遺品整理業者を選ぶポイント
これまでにもお伝えしてきましたが、腐敗した孤独死の現場を遺品整理するにあたっては、必ず特殊清掃の専門業者を選ぶことが大切です。
特殊清掃業者の選び方について、詳しく解説していきましょう。
チェックしておきたいポイントは、以下の5点です。
- 特殊清掃の専門家であること
- 実績が十分にあること
- 遺品の分類ができること
- 遺品の消臭ができること
- 担当者が信頼できること
順にひとつずつ、重要性や判断の目安をお伝えします。
4-1.特殊清掃の専門家であること
腐敗した孤独死の現場では、「特殊清掃もできる」とうたっている廃品回収業者や遺品整理業者ではなく、
特殊清掃の専門業者に依頼することを何より強くおすすめします。
これまでにも何度かお伝えしていますが、特殊清掃は防護服を着た専門の作業員が、専用の薬剤や機器を使い、近隣への配慮をしながら入念な確認作業を繰り返して行う必要のあるものです。
単に現場にあるものを次々に捨てていくだけの廃品回収では、周辺に悪臭や害虫・害獣を拡散させてしまいますし、大切な貴重品を一緒に処分してしまう可能性もあります。
また、遺品整理だけを行う業者では、腐敗した孤独死現場の対応・装備に慣れていないため、作業員本人や周辺に感染症の危険を負わせてしまうでしょう。
費用面で考えても、遺品整理と特殊清掃を別々の業者に頼むのは、いたずらに出費を多くしてしまうだけです。
孤独死があった場合は、とにかくまず特殊清掃の専門業者に相談するようにしてください。
4-2.実績が十分にあること
腐敗臭や腐敗液を少しも残さずに清掃することのできる、十分な実績のある特殊清掃業者を選びましょう。
実績が十分にない業者では、作業終了後も「ニオイが消えない」というリスクがあるからです。
孤独死による腐敗臭は、普通の清掃業者では取り除くことができません。
特に、体液が床下まで染み込んだ場合は、何年も腐敗臭が残り、日常生活を送ることは不可能です。
賃貸物件では、次に部屋を借りた人とのトラブルに発展する可能性もあります。
実績が豊富な特殊清掃業者なら、部屋を完全消臭するための経験と技術を持っています。
必要があれば壁紙や床下を剥がし、特殊な機材で臭いの発生源を確認しながら、清掃を繰り返します。
また、清掃後にも専用の機械を使って数値化して提示することもできるのです。
そのため、廃品回収業者や遺品整理業者が二次対応として行っている特殊清掃では、対応することが難しいといえるでしょう。
遺品整理のために入室する際にも、実績が十分にある経験豊富な特殊清掃業者であれば、その場でいろいろな相談にも乗ることができます。 特殊清掃業者を選ぶ際は、実績が十分にあるかどうかを基準にしてください。
4-3. 遺品の分類・消臭ができること
孤独死の現場では、遺品をしっかりと分類できる業者を選ぶことが重要です。
遺品整理は、金銭的な価値のある物だけでなく、故人の思い出の詰まった品物など、廃棄したくないものもでてくるからです。
業者によっては、単にゴミを分類するような意識で、思い出の品をまとめて廃棄される危険があります。
たしかに、孤独死の現場では、室内にあるほとんどの物を廃棄処分しなければなりません。
だからといって、片っ端から廃棄物として扱われるのは、遺族にとって本意ではないでしょう。
しっかりとした業者なら、手紙や写真などの遺品でも、遺すことができるかどうか、適切な判断をしてくれます。
また、腐敗臭がついた遺品でも、完全に消臭してくれるので、故人の思い出をきれいに残すことができるのです。 廃棄物に関しても、適切な処理や手続きのできる業者でないと、後に法令違反で遺族にまで処罰がおよぶことがありますので、その点もしっかり確認しておきましょう。
4-4. 担当者が信頼できること
見積もりや相談などの実際のやりとりを通じて、あなた自身が安心して任せようと思える業者を選びましょう。
聞きたいことを聞いた時に、経験の豊富な業者であれば、きちんと答えることができます。
担当者が信頼できるということは、他の社員も適切な教育を受けていると考えても良いでしょう。
一方、言葉遣いや対応に横柄さやぞんざいな印象を受ける業者は、遺品整理の作業においても配慮が欠けるだろうと考えられます。
また、見積もりが一番安かったからという理由だけで業者を選び、作業を始めてからの追加請求のトラブルが起こるケースも、残念ながらよくあります。 賃貸住宅の管理者からの紹介で決めるケースも多いですが、その場合でも、事前にきちんと担当者と話をして、あなた自身が納得できる業者かどうか、判断することをおすすめします。
5. 孤独死の遺品整理なら実績豊富なリスクベネフィットにお任せください
もしあなたが孤独死したご家族の遺品整理をお考えであれば、特殊清掃の専門家集団である株式会社リスクベネフィットにまずはご相談ください。
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特殊清掃においては、過去8,000件以上の豊富な実績を持っており、さらに以下のような強みがあります。
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清掃時には、特殊光を用いて臭いの発生源である体液残りを確認しながらの清掃を繰り返すほか、清掃後にも専用の機械を使って数値化して提示することができます。
これは、賃貸住宅の原状回復を求められた場合にも、管理者に提出できる唯一のエビデンス(証拠)となるものです。
また、遺品整理においては、ゴミを片付けるのではなく、徹底して貴重品を探す姿勢をとっております。
ゴミや雑誌などに紛れてしまった、大切な遺品もお任せください。
安心の少人数で丁寧に遺品整理をするため、遺族様の
「近隣の方にできるだけ迷惑をかけたくない」
「もしも残せるなら残して欲しい遺品がある」
というお気持ちに、高い作業品質で応えられます。
5.まとめ
孤独死の現場での遺品整理について解説してきました。
ここで、記事を振り返ってみましょう。
孤独死をした場合の遺品整理は基本的に相続人が行う
●相続人の順番は次のとおりです。
①配偶者:配偶者は常に相続人
②第1順位:子供、子供が亡くなっている場合は孫
③第2順位:父母、父母が亡くなっている場合は祖父母
④第3順位:兄弟姉妹
孤独死があった場合の、遺品整理までの流れ
孤独死があった場合の遺品整理では、基本的にまず現場の特殊清掃を行い、それから遺品整理を行うことになります。