孤独死の現状回復費用は本人に請求!相場や請求範囲と解説

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孤独死の現状回復費用は本人に請求!相場や請求範囲と解説

「孤独死が発生したけど、原状回復費用は遺族に請求できる?」
「まさか、原状回復費用が大家負担になるなんてことないよね?」

管理物件で孤独死が発生してしまい、これから発生するであろう多額の原状回復費用に、頭を抱えているところかもしれません。

結論から言うと、原状回復費用の支払い義務はまず本人、次いで相続人に発生します。
しかし、大家さんにもある程度の負担は生じてしまいます。

そして原状回復費用の平均額は、残置物処分費用とあわせて、平均60万円となっています。
(参考:日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第8回 孤独死現状レポート」)
決して安いとは言えない金額ですよね。

そのうえ、悪徳な特殊清掃業者に騙されて、平均以上のぼったくり料金を請求されてしまうケースが後を絶ちません。

遺族との費用分担の話し合いもしなければいけない中で、不当な高額請求をされてしまえば、話し合いはますます難航するでしょう。

「こんなに高額だなんて聞いていない!」と、遺族側が支払いを拒否してしまう可能性もあります。

そこで、この記事では、大家さんが少しでも損をしないように、次の3つについて詳しく解説をしています。

【この記事で分かること】

  • 原状回復費用の支払い義務者がすぐに判別できるフローチャート
  • 孤独死現場の原状回復費用の相場
  • 悪質な特殊清掃業者に騙されないための4つのコツ

この記事を読めば、誰に原状回復費用の支払いを請求すべきかがすぐにわかり、なおかつ大家さんであるあなたがこれ以上の負担を被らずに済むための、業者選びのコツが理解できます。

必要以上の出費や手間を防ぐためにも、ぜひ目を通してみてくださいね。

1.孤独死が発生したときの原状回復費用の支払い義務者

原状回復費の支払い義務順

  1. 本人(遺産・保険金)
  2. 相続人や連帯保証人
  3. 保証会社
  4. 大家や不動産業者

入居者が孤独死した場合、その部屋の原状回復費用は、上記の順番で支払い義務が発生します。

原状回復費用の支払い責任が最も大きい人は、死亡した本人です。

本人の遺産があったり、孤独死保険等に加入していたりする場合は、そのお金で原状回復費用を支払ってもらいます。
支払い手続きを行うのは、遺産を相続した相続人です。

ただし、借り主や相続人、連帯保証人に原状回復費用を全額負担してもらうことは難しく、大家も費用負担を行わなければいけないケースが多々あります。

詳しくは「5.孤独死の原状回復を遺族に全額請求するのは難しい!」で解説しますので、参考にしてみてください。

2.こんなときは誰が払うの?ケース別の原状回復費用の支払い事例

孤独死した部屋の原状回復費用は、先述の通り、最初は本人に支払い義務が生じます。

しかし本人の遺産だけでは足りない場合や、遺族が相続放棄し、支払いをしてくれない場合もあるでしょう。

支払い義務がどのように発生するのかは、上記のフローチャートで確認できます。

ここではさらに、

  • 遺族と連帯保証人が同じで相続放棄をした場合
  • 借主本人が生活保護受給者だった場合

について解説します。

2-1. 相続人と連帯保証人が同じで相続放棄をした場合は「連帯保証人が支払う」

相続人と連帯保証人が同じで、相続放棄をした場合でも、連帯保証人が費用を支払うことになります。

たとえば、借り主の子どもであるAさんが連帯保証人になっていた場合、仮にAさんが相続放棄をしても、Aさんに支払いの義務が残るということです。

連帯保証人の義務は、相続放棄をしても消滅しません。
よって「相続人=連帯保証人」の場合は、相続放棄後も費用負担の義務が残ることになります。

【注意:連帯保証人に極度額以上の請求はできない】

連帯保証人が費用を負担する場合、事前に定められた「極度額」以上の金額は請求できないので注意しましょう。
2020年度に行われた民法改正により、連帯保証人は契約書にて事前に定められた「極度額」以上の金額を支払う義務はなくなりました。

たとえば賃貸借契約書に「極度額は家賃の24ヶ月分」と書かれていた場合、連帯保証人は家賃24ヶ月分を超えた費用を支払う必要がないのです。

そのため、極度額を超えた分の支払いは連帯保証人ではなく、保険会社または大家が負担することになります。

ただし以下の図のように、法改正が実施された2020年の4月1日以前に契約を行った場合は、このケースには当てはまりませんので、契約書をよく確認してください。

国土交通省 【参考】民法改正の影響(連帯保証契約)①を基に作図

2-2. 借主本人が生活保護受給者だった場合は「相続人や連帯保証人が支払う」

借り主が生活保護受給者であった場合にも、原状回復費は相続人や連帯保証人が費用負担者となります。

ただ生活保護受給者の中には、親族と疎遠になっており、相続人や連帯保証人が不在で、保証会社を利用している人も多いです。
その場合は、保証会社が代わりに費用を負担することになります。

保証会社の契約内容によって保証範囲は変わってくるので、確認するようにしましょう。
保証されていない部分は、大家さんが支払わなければいけません。

3.孤独死発生時の原状回復にかかる費用相場

孤独死発生時の原状回復費用は、数十万円〜数百万円のお金がかかります。以下の表は、2015年4月〜2023年3月までの孤独死発生時の原状回復費用についてまとめたものです。

孤独死の原状回復費用

平均損害額397,158円
最大損害額4,546,840円
最小損害額5,200円

(出典:第8回孤独死現状レポート 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会)

平均損害額は397,158円で、原状回復費用は約40万円にものぼることがわかります。

また最大損害額は450万円を超えており、遺体が発見されるまでの日数によっては、数百万円近い費用が発生する可能性もあると言えます。

さらに、孤独死の発生時には、原状回復費用だけでなく「残置物処理費用(遺品整理費用)」も発生します。

以下の表は、2015年4月〜2023年3月までの孤独死発生時の残置物処理費用についてまとめたものです。

孤独死の残置物処理費用

平均損害額237,218円
最大損害額1,781,595円
最小損害額1,080円

(出典:第8回孤独死現状レポート 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会)

平均損害額は約20万円ですが、最大でなんと170万円もの費用がかかっています。

原状回復費用と合わせると、孤独死の部屋を元に戻し、次の入居者を迎え入れるためには、平均60万円、最大で320万円もの費用が発生することになります。

原状回復費用に関する詳しい内訳は「孤独死の特殊清掃費用はいくらかかる?相場や場所・作業別費用を解説」の記事でも細かく解説しているので、参考にしてみてください。

4.孤独死発生時の原状回復にかかった費用事例4つ

先ほど原状回復費用の相場をご紹介しましたが、部屋の状況等によって料金は大きく変わってきます。

最大で320万円かかると言われると身構えてしまいますが、部屋の状況を確認し、見積もりをしてもらうまで詳しい料金を出すことはできません。

参考までに、孤独死発生時の原状回復にかかった費用事例を4つ紹介します。

【ケース①】孤独死清掃パック・除菌消毒・簡易消臭・死臭シート

4DKの間取りで、畳の下まで汚染が広がっていた。遺族が遺品整理を行うため、死臭シートで臭いの拡散を防止

料金 130,000円(税込)

【ケース②】孤独死清掃・除菌消毒・簡易消臭・遺品整理

2DKの間取りで、取り壊し予定の建物だったため完全消臭は不要となった

料金 430,000円(税込)

【ケース③】孤独死清掃パック・除菌消毒・簡易消臭・畳撤去・壁紙剥ぎ・完全消臭・臭気測定

5DKの間取りの家を、孤独死清掃から遺品整理、完全消臭までフルパックで対応

料金 620,000円(税込)

【ケース④】孤独死清掃パック・除菌消毒・簡易消臭・特殊コーティング

2LDKの間取りの部屋が再居住可能にまで回復するよう、コーティングを用いて完全消臭を実現

料金 950,000円(税込)

これらは、我々リスクベネフィットが実際に手掛けた孤独死現場の清掃事例と、かかった費用の例です。

私たちは、孤独死清掃に必要な作業をパック料金にしてまとめています。
遺品整理もまとめて行うので、複数の業者を手配する必要がありません。

株式会社リスクベネフィット間取り別の特殊清掃費用(目安)

タイプ費用
緊急入室プラン
※入室に必要な清掃・消毒・簡易消臭セット
78,670円
完全消臭プラン
1DK、1LDK
70,000円
完全消臭プラン
2DK、2LDK
80,000円
完全消臭プラン
3DK以上
100,000円
おまかせプラン
特殊清掃~遺品整理~完全消臭
480,000円
※金額は作業費に人件費・車両費・回収運搬費・廃棄物処分費をあわせた費用目安です。

基本的には、一般の人が入室できる状態にまで清掃する「緊急入室プラン」と、「完全消臭プラン」を合わせて利用することになります。

なお、特殊清掃業者によっては、作業ごとに料金を設定しているところもあります。 一見安く見えるのですが、いざ作業をしてみれば「あれもこれも必要だった」と高額な料金を提示してくるケースが多いので注意しましょう。

5.孤独死の原状回復を遺族に全額請求するのは難しい!

ここまで紹介してきたように、原状回復費用は決して安いとは言い切れません。

これらの原状回復費用を相続人や連帯保証人に全額負担してもらいたいところですが、残念ながら全額を請求することは難しいと言えます。

病死や自然死で孤独死した場合は、誰にでも起こり得る死のため、借り主はもちろん、遺族や連帯保証人に責任を追及することはできません。

一般的な賃貸物件の原状回復時と同様の扱いになり、相続人や連帯保証人に費用の全額を請求することは不可能なのです。
よって遺体発見までの日数にもよるものの、死因が病死や自然死の場合は、大家の費用負担は比較的大きくなってしまうでしょう。

原状回復には多くの費用がかかることを相続人や連帯保証人に話し、相談しながら費用負担額の割合を決めることをおすすめします。

原状回復費用の請求に関しては「入居者が孤独死した際に大家さんが行うべき対応を解説」でも説明しているので、参考にしてみてください。

自殺やゴミ屋敷状態での孤独死は大部分の費用を請求できる

自殺やゴミ屋敷状態での孤独死は、相続人や連帯保証人に大部分の費用を請求できます。

しかしこのケースも、発生した費用の全額を請求することは難しい場合が多いです。
負担割合でお悩みの際は、弁護士に相談することをおすすめします。

なお孤独死の原因が自殺の場合、大家は相続人や連帯保証人に損害賠償を請求することも可能です。

自殺が発生した部屋は事故物件となり、家賃を減らさなければいけなくなるケースが多いです。
そのため、家賃の減収分に対する損害賠償の請求が可能になります。

過去の判例では、賃貸物件で自殺が発生した場合、2年分の家賃減収分を損害賠償として支払うことが認められています。

家賃値下げによる収益減少が予測される場合も、一度弁護士に相談してみると良いでしょう。

6.悪徳な特殊清掃業者に騙されないための業者選びのコツ

孤独死の原状回復費用は決して安くありませんし、遺族に全額負担してもらうことも難しいです。

そのため「できれば安い特殊清掃業者に依頼したい」と考える方も多いでしょう。

しかし、特殊清掃業者の中には大した技術も持たず、ずさんな清掃を行うところも存在します。
臭いが残ったまま、体液が染みついたままの部屋に、新しい入居者を呼べるでしょうか?

結果的に別の特殊清掃業者に手直しを依頼しなければならなくなり、費用が倍かかってしまうケースもあとをたちません。
そんな悪質な特殊清掃業者に引っかからないためにも、業者選びの際は次のポイントを必ず守るようにしてください。

【特殊清掃業者選びのポイント】

  • オプションではなくパックプランで料金を出す
  • 特殊清掃の実績が豊富にある
  • 特許を取得した完全消臭技術を持っている
  • 解体許可の資格を保持している

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

6-1. オプションではなくパックプランで料金を出す

特殊清掃業者を選ぶ際は、必要な作業をパックにして、料金を出してくれる業者を選ぶようにしましょう。

「完全消臭がオプションで付けられます」
「作業内容によって料金が異なります」

などという業者には注意してください。

物件を原状回復して次の入居者に貸し出すためには、完全消臭が必須だからです。

物件の取り壊しが決まっている場合は必要ないことも多いのですが、オプションにする必要性がありません。

また作業内容が増えれば増えるほど料金が増えていくため、パック料金よりも作業内容別の料金を出している業者のほうが、結果的に高額になる可能性が高いです。

必要な作業を、パックで最初からまとめてくれている特殊清掃業者を選んでください。

6-2. 特殊清掃の実績が豊富にある

特殊清掃の現場に、一つとして同じ場所はありません。死後何日が経過していたか、部屋の状態はどうか、死因はなんだったのかなど細かい状況によって、必要な特殊清掃は変わってきます。

そのため、特殊清掃を行う上で、あらゆる現場に対応してきた実績の豊富さは非常に重要な点となっています。

実績が足りなければ、これまで経験のないような現場に立ち会った際、満足いく特殊清掃を行うことは難しいでしょう。

その結果臭いや体液が残ったまま、大家であるあなたに部屋が戻ってくるケースも考えられます。
せっかくの依頼費用を無駄にしないためにも、特殊清掃業者の実績は必ず確認してくださいね。

6-3. 特許を取得した完全消臭技術を持っている

孤独死が起きて、部屋に染みついた腐敗臭や死臭は、特許を取得したような完全消臭技術がなければ、消すことは不可能です。

以下の動画をご覧ください。 技術が足りないのにも関わらず特殊清掃を引き受け、完全消臭をするためにはあと「○○万円必要だ」と、費用をどんどん釣り上げていった悪徳業者の実態です。

このような悪徳業者が、特殊清掃業界には数多く存在しています。業者選びの際は必ず「完全消臭技術」を持っているかどうかを確認することが大切です。

6-4. 解体許可の資格を保持している

遺体からしみ出た体液や死臭は、床板などにも浸みこんでしまいます。そのため床板をはがさなければ、完全に死臭を取り除くことはできません。

しかし、床板は誰でもはがしていいわけではなく、解体許可の資格を保持していなければ、床板をはがす作業は行えないのです。

そのため業者選びの際は、必ず解体許可を保持しているかどうかを確認するようにしましょう。

7.孤独死の原状回復・遺品整理は「リスクベネフィット」におまかせください!

安心して依頼できる特殊清掃業者をお探しなら、私たちリスクベネフィットにぜひご依頼ください!

リスクベネフィットは特殊清掃に特化した清掃業者で、特許技術による完全消臭が可能なため、遺体の損傷が激しい孤独死現場の消臭にも対応しています。

  • 薬剤散布:孤独死現場の臭気成分を研究し、結果に合わせた薬剤を使用
  • オゾン燻蒸:通常換気に2年かかる死臭などの匂いを、たった1~2日で分解
  • コーティング:専用のコーティング剤「シャダーン」で、臭気物質を徹底的に封じこめ

これまで上記の技術で、あらゆる特殊清掃現場の完全消臭を実現してきました。他社の手直し実績も数多く保有しています。

さらにリスクベネフィットでは、孤独死現場に必要な作業をすべてセットにした「孤独死パック」を8万円以下の金額で提供しています。

孤独死が発生した部屋の原状回復やニオイでお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

8.まとめ

孤独死が発生した部屋を復旧し、次の入居者に貸し出すためには、原状回復が必須です。
原状回復費用は、次の順番で支払い義務が発生します。

原状回復費の支払い義務順

  1. 本人(遺産・保険金)
  2. 相続人や連帯保証人
  3. 保証会社
  4. 大家や不動産会社

そして原状回復には原状回復費用と残置物処理費用の2種類が必要で、費用は平均60万円、最大で320万円となっています。

ただし原状回復費用の全額を、相続人や連帯保証人に請求することはできません。
たとえ自殺の場合だったとしても、大家であるあなたにも費用負担が発生してしまします。

余計な金額を支払わないためには、特殊清掃業者選びが重要です。
悪質な業者に引っ掛からないためにも、次のポイントを意識して業者選びを行いましょう。

特殊清掃業者選びのポイント

  • オプションではなくパックプランで料金を出す
  • 特殊清掃の実績が豊富にある
  • 特許を取得した完全消臭技術を持っている
  • 解体許可の資格を保持している

孤独死現場の清掃は、お得なパックプランを用意し、豊富な実績と確かな技術を持つ、我々リスクベネフィットにぜひお任せください!

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