独居老人がとるべき対策15個を特殊清掃員が現場の経験から徹底解説

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独居老人がとるべき対策15個を特殊清掃員が現場の経験から徹底解説

高齢者の一人暮らしが増えている現代。

「離れて住んでいる高齢の父が一人暮らしをしているけれど、健康に過ごせているか心配。」
「義理の母が、詐欺などに遭わないか心配。」

と、遠くに離れて住む高齢の家族のことを考えると、不安になる人も多くいるかと思います。

実際に、内閣府政策統括官の一人暮らしの高齢者に対する調査によると、将来の日常生活に不安があるかとう問いに対し、「不安に感じる事はない」と答えた人の数は19.8%となっています。

つまり残りの約80%もの一人暮らしの高齢者が、日常の生活に不安を覚えています。

参考:内閣府政策統括官(共生社会政策担当)「一人暮らし高齢者に関する意識調査結果」

孤独死や事故、詐欺…高齢者を襲うリスクは生活の中にたくさん潜んでいます。

1.【独居老人の対策①】孤独死を防ぐ方法

独居老人の孤独死とは、一人暮らしの高齢者が、誰にも看取られずひとりで亡くなること

独居老人のリスクと聞いて、まずはじめに孤独死を思い浮かべる人も多くいると思います。

核家族の増加や、高齢化、未婚率の増加など、様々な社会的背景からも、一人暮らしの高齢者は今まさにどんどん増えています。

実際に、次の内閣府のデータからわかるように、一人暮らしの高齢者のうち、44%以上もの人が、自分が孤独死することを不安に思っているそうです。

参考:内閣府 平成30年版高齢社会白書(全体版)  4 生活環境

孤独死とは具体的にどのように発生し、どのように発見されるのでしょうか。実際に起きた事例をひとつ見てみましょう。

【60代男性の孤独死 死後2週間後に発見される】
都内在住のある男性が2021年、自宅で亡くなっているのが発見された。

死後2週間が経っており、毎月家賃を手渡しで受け取っていた大家が男性が家賃を渡しにこないことを不審に思い、家を訪ね、発見した。

男性は警備会社で働いていたとみられるが、警備会社が警備員が出勤しないために連絡をすることはまれであり、発見されなかった。

家の中は弁当容器などのゴミが散乱しており、不規則な食生活をしていたと見られる。

参考:デイリー新潮「事件現場清掃人は見た 80代より60~70代男性の孤独死が多いのはなぜなのか」

独居老人の孤独死を防ぐには、とにかく人とのつながりを持つことがとても重要です。具体的には、次の4つの対策をとることで、孤独死のリスクを減らすことができます

  • 家族が同居する
  • 老人ホームに入る
  • 自治体とのつながりを持つ
  • 見守りサービスを導入する

対策を一つ一つ具体的に見ていきましょう。

【独居老人の孤独死について、問題や原因を詳しく知りたい場合は】

独居老人の孤独死の原因や、孤独死に陥りやすい人の特徴などは、「独居老人の孤独死の実情|発生件数や事例と防止策を具体的に解説」 の記事から確認できるので、気になる方はあわせて読んでみてください。

1-1.家族が同居・近居する

独居老人の孤独死を防ぐのに1番の対策は、家族が同居することです。

家族が同居することで、孤独死だけでなく、生活における他のリスクも解決できます。

しかし実際には、同居がなかなか現実的ではない状況もあるでしょう。そういった場合は近くに住む近居という手段も有効です。

最近では、

  • 同じマンションの別の街に住んでいる
  • 車で5分のところに住んでいる

というように、高齢の親の近くの家に住むことで、それぞれ生活は別々だけど何かあったときにすぐに駆けつけることができたり、1日に1階は顔を見に行く、ということもできるようになります。

1-2.老人ホームに入る

事情があり、同居や近況が難しい場合は、老人ホームに入るのも確実な方法です。

もしものことがあったときに、すぐに発見ができるだけではなく、介護士や他の高齢者とのやりとりがあるので、次のようなリスクも予防することができます。

  • 認知症の予防
  • 栄養の偏りの予防
  • 事故があった場合の早期発見

しかし、老人ホームに入るデメリットは、費用がかかること。

老人ホームに入居するための平均の費用は、サービスや地域によって大きく異なりますが、特に都市部での民間の老人ホームの入居費は高額です。

東京大学 公共政策大学院の論文によると、東京都豊島区の老人ホームの利用料は、なんと月当たり約44万円と言われています。

老人ホームに入るメリットはたくさんありますが、その分、出費も覚悟しなければいけません。

参考:東京大学 公共政策大学院 「特別養護老人ホーム域外整備の費用便益分析」

1-3.近隣の人とのつながりを持つ

近所に住んでいる人とのつながりを持つことも、孤独死の予防に大きくつながります。

自治体のイベントやコミュニティに参加するという方法ももちろんありますが、もっと小さなところから近隣の人とのつながりを持つことでも孤独死を防ぐことができます

例えば

  • 新聞配達の人に、何日か新聞が溜まっていたら安否の確認をお願いする
  • 近隣の人と日常的に挨拶をし、何かあったときに助けてもらえる関係を作っておく

など、小さなことでいいので、周りとのつながりを持っておくと、何かあった時のことを心配しすぎずに過ごすことができます。

1-4.見守りサービスを導入する

最近では、高齢者の孤独死を防ぐための見守りサービスが増えてきています。

【見守りサービスとは】
テクノロジーを使って自動的に高齢者の安否を確認し、遠くに住む家族に知らせてくれます。 安否が確認できない場合は、家族や自治体に通報や連絡が届くというシステムです。

具体的には、次のような仕組みのサービスがあります。

  • 廊下にセンサーが付いており、高齢者がそこを通ることで安否を確認する
  • ベッドにセンサーがついていて、ベッドが動くことでセンサーが反応し安否を確認する
  • 仏壇のオリンにセンサーがついており、高齢者が毎日オリンを鳴らすことで安否を確認する
    ※オリンとは…仏壇にあるお椀型の仏具。リン棒と呼ばれる棒で叩いて音を鳴らすもの。

見守りサービスを導入することで、毎日、遠くに住む高齢者の安否を確認することができ、安心して過ごすことができます。

センサー式の見守りサービスであれば、わざわざメールを送る、電話をするといった手間がないので、「連絡するのを忘れてしまった!」ということにもなりません。

こういった見守りシステムの多くは、民間の業者が行っています。下記にて、民間の見守りサービスをひとつご紹介します。

セコムのホームセキュリティ「親の見守りプラン」

出典:セコム・ホームセキュリティ「高齢者見守りサービス」  

ホームセキュリティサービスのセコムでは、高齢者見守りサービスとして「親の見守りプラン」というサービスを提供しています。  

センサーを使用した見守りサービスだけでなく、緊急時に備えたさまざまな対応が含まれたパッケージプランで、総合的にサポートしてもらえるので安心です。

月額料金︎レンタル料金 4,840円(税込)
サービス安否みまもりサービス:センサーを設置し、一定時間動きがないとセコムへ連絡・確認。
救急通報サービス:首から下げるペンダントを提供。緊急時はペンダントを握るだけでセコムへ緊急信号が送られる。
24時間、セコムの看護師に電話相談:健康や医療に関することを看護師に電話相談できる。
公式サイトセコム・ホームセキュリティ「高齢者見守りサービス」

また最近では、自治体が民間の見守りサービスを取り入れるところも増えてきています。

岩手県和賀郡西和賀町の高齢者見守りシステム

岩手県和賀郡西和賀町では、地元の社会福祉法人「西和賀町福祉協議会」と連携し、民間の人間センサーや緊急ボタンを、町内に住む高齢者の家に設置しています。

何かあったら協議会のメンバーに連絡がいくようになっており、現在60名の高齢者の家に設置し、街の高齢者の生活を見守っています。

参考:社会福祉法人 西和賀町福祉協議会 「高齢者見守りシステム 絆-ONEの導入について」

このように、民間のサービスだけでなく自治体で対応しているところもあるので、一度お住まいの自治体が行っているサービスを確認してみるのはいかがでしょうか。

【それでも孤独死が発生してしまったら】

様々な対策をとって、なんとしてでも防ぎたい孤独死ですが、それでも何かしらの理由で残念ながら孤独死が起きてしまう可能性があります。

孤独死が発生した後の家の状態は、発見日数が遅れれば遅れるほど、遺体の腐敗が進み、激しいにおいがします。

そういった家を清掃し、遺品整理をするのは、残された遺族にとってもとても辛いことです。

もしそのような状況になってしまった場合は、リスクベネフィットが責任を持ってお手伝いさせていただきます。

リスクベネフィットでは、孤独死が起きてしまったあとの遺品整理と特別清掃をまとめて対応しています。

孤独死現場の特別清掃において多くの実績を持つリスクベネフィットでは、孤独死のあとに必要な作業がまとまった「孤独死パック」や、遺品整理を含む「家財整理」のサービスを行っております。

孤独死の対応について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。

お問い合わせは、フリーダイヤルもしくはメールフォームにて受け付けております。

2.【独居老人の対策②】事故・急病の発見遅れを防ぐ方法

転倒・転落ヒートショックお風呂で溺れる…近くに誰かいれば、すぐに見つけて対処することができる、不慮の事故。

ですが、1人で住んでいることによって、最悪の場合、死につながってしまうことがあります。

厚生労働省のデータによると、不慮の事故で亡くなる高齢者の数は、毎年20,000人以上となっており、さらにその数は年々増加しています。

参考:厚生労働省「高齢者の事故の状況について」

「発見さえ間に合っていれば…」

という後悔をあとでしないためにも、不慮の事故に対して対策を打つことは必須です。発見遅れを防ぐには、次の2つの対策があります。

  • スマホのワンタッチダイヤルを設定しておく
  • 緊急通報装置を設置する

それぞれ見ていきましょう。

2-1.スマホの短縮ダイヤルを設定しておく

いざ何かがあったときにすぐに家族や友達に連絡を取れるように、スマートフォンの短縮ダイヤルを設定しておくと良いでしょう。

【短縮ダイヤルとは】
決められたボタンや番号を1つ押すだけで、登録してある電話番号に発信することができる機能です。
スマートフォンの会社によって、「ワンタッチダイヤル」や「スマートダイヤル」とも呼ばれます。

普通は電話帳から名前を検索して電話をかけなければいけないところ、短縮ダイヤルを使えばワンタッチで電話をかけることができるので、緊急の時にすぐに電話で助けを求めることができます

短縮ダイヤルの登録方法はスマートフォンの種類によって違いますので、確認してみてください。

2-2. 緊急通報装置を設置する

緊急事態に備え、緊急通知速報を家に設置するのも、事故の発見を遅らせないために有効な手段です。

【緊急通報装置とは】

緊急事態が発生したときに、ボタンを1つ押すだけで、 登録してある家族や自治体に連絡が行くシステムです。

  • ペンダント型
  • 携帯型
  • お風呂設置タイプ(防水)

など様々な形のものがあり、住まいの環境や健康状態から考えるリスクに合わせたものを選ぶのが良いでしょう。

多くの自治体が、緊急通報装置を市内に住んでいる高齢者に提供しているので、一度お住まいの地域のサービスを確認してみてください。

また、民間企業も同じサービスを提供しているところがあります。費用は割高になりますが、緊急時だけでなく、体調が悪いときにボタンを押すことで、ナースセンターにつながり、相談に乗ってもらうこともできます。

緊急通報装置を取り入れている自治体と民間サービスの例をひとつずつご紹介します。

神奈川県川崎市の高齢者等緊急通報システム

神奈川県川崎市では、市内に住む65歳以上の高齢者の緊急時に連絡ツールを確保するため、緊急通報システムを提供しています。   ・携帯型緊急通報システム ・緊急通報システム(自宅設置型)   の2種類があり、24時間365日、緊急時に対応しています。   携帯型であれば健康相談も受けることができ、緊急時にもより迅速に通報できることから、市としては携帯型の使用を推奨しています。  
参考:川崎市 高齢者等緊急通報システム

ALSOKの「みまもりサポート」

出典:HOME ALSOK みまもりサポート

ホームセキュリティのALSOKでは、高齢者の異常時の連絡装置として緊急通報装置を提供しています。
緊急事は「緊急」ボタンを押すだけで、ALSOKのガードマンが駆けつけ、対応してくれます。
かかりつけの病院の情報を登録しておくこともでき、いざという時も安心できるいつもの病院に搬送してもらうことも可能です。

月額料金︎レンタル料金 2,970円(税込)〜
サービス・緊急時にボタンを押すだけでガードマンが駆けつけ、対応
・24時間、健康についての不安を相談することもできる
公式サイトHOME ALSOK みまもりサポート

スマホを取り出してボタンを押すという手間さえも、緊急時には命につながることがあります。

ボタンをただ1つ押すだけで発信できる緊急通報装置は、いざというときの強い味方になります。

3.【独居老人の対策③】食生活の偏りを防ぐ方法

独居老人が1人で暮らしをしていると心配なのが食生活の偏り

「1人だし、今日は適当なものを食べよう。」
「今日はあまり動かなかったのでお腹が空いていないからご飯はいらない。」
「1人で寂しいので、ご飯を食べる気がしない」

といった理由から、ご飯を食べなかったり、適当なもので済ませてしまうと、栄養のバランスが偏ってしまいます。栄養バランスが偏れば、病気になりやすくなるリスクが出てきます。

そこで、食生活の偏りを防ぐ方法は2つの対策があります。

  • 食事宅配サービスを利用する
  • ヘルパーさんに食事を作ってもらう

それぞれ具体的に見ていきましょう。

3-1. 食事宅配サービスを利用する

高齢者向けの食事宅配サービスを利用すれば、栄養バランスをうまく食事をとることができます。

【高齢者向けの食事宅配サービスとは】
お弁当やレトルト食品などの食事を、家に宅配してくれるサービス。 サービスによって、7食セット、単発申し込みOK、1ヵ月申し込みなど、様々な期間で決めることができます。

「高齢者 食事宅配」と検索すれば、様々なサービスが出てくるので、申し込めば家に宅配してもらえます。

ここでは、食事宅配サービスの一例をご紹介します。

高齢者専門宅配弁当 宅配COOK 123

出典:高齢者専門宅配弁当 宅配COOK 123  

シニアライフクリエイトが運営する高齢者専門宅配弁当の宅配COOK 123では、「全てはご高齢者のために」の理念のもと、管理栄養士が献立した無理のない量で、想いをこめたお弁当を提供しています。  

  • 普通食
  • カロリー
  • 塩分調整食
  • たんぱく
  • 塩分調整食
  • 透析食
  • やわらか食
  • ムースセット食

など、豊富なラインナップの中から個人の健康状態に合わせて選ぶことができます。

料金︎普通食 ごはんつき 594円(税込)〜
サービス高齢者向けのお弁当宅配サービス。 1日1食から注文OK。前日夕方までの注文で翌日お届け可能。 優れた栄養バランスと食べやすさへの配慮がポイント。 年中無休で、お届け時に安否も確認。
公式サイト高齢者専門宅配弁当 宅配COOK 123

また、自治体で同様の食事宅配サービスを行っているところもあります。

東京都三鷹市社会福祉事業団の食事の配達サービス

東京都三鷹市では、市内に住む65歳以上の高齢者や障がいのある方に向けて、管理栄養士が栄養バランスを計算した暖かい手作りのお食事の配達をしています。  

年中無休で、昼食と夕食の配達を行っています。  

料金:810円(税込)/1食 + 別途会費300円/1世帯  

また、

  • 配達時に体調や生活環境を確認
  • 薬の服用や水分補給の声掛け(希望者のみ)  

といった生活のケアも合わせて行っている、高齢者に寄り添うサービスです。  

参考:三鷹市社会福祉事業団の食事の配達サービス

主に、健康を重視したメニューとなっているので、栄養バランスが良く、作るのがめんどくさくて食べない、という状況も防ぐことができます。

食事宅配サービスを選ぶときのポイントは次の通りです。

  • おいしさ
  • 料金
  • 栄養バランスの良さ
  • お弁当のみか、単品メニュー購入も可能か
  • 季節の野菜を使った食事など、食を楽しむことができるか
  • 高齢者向けにやわらかい食事になっているか
  • 基礎疾患がある方は、食事制限に見合った内容になっているか

これらのポイントを確認しつつ、​​ご家族やご自身に合ったものを選びましょう。

3-2.家事代行サービスやヘルパーさんに依頼し食事を作ってもらう

家事代行やヘルパーさんに頼み、食事を作ってもらうという方法もあります。

【家事代行サービスとは】
自宅に来て、代わりに家事をしてくれるサービス。掃除や洗濯といった家事だけでなく、自宅で料理も作ってくれます。

買い物から料理まで対応してくれ、冷蔵庫に保管しておいてくれるので、高齢者向けのみでなく幅広い世代に人気上昇中のサービスです。

  • 1週間分の夕食を1回の訪問で作り置き
  • 朝食・昼食・夕食を作る
  • 食材の下ごしらえ・準備

など、必要に応じて対応してくれます。

家事代行サービスを依頼すれば、食事をまとめて作ってもらうことができ、好き嫌いやアレルギーなども考慮してもらうことができます。

ここでは料理代行サービスを行っている民間サービスをひとつご紹介いたします。

家事代行のベアーズ 料理代行

出典:家事代行のベアーズ 料理代行  

家事代行業者のベアーズが行う料理代行サービスは、依頼者の好みやアレルギーなどを考慮した料理を作っています。

  • 定期プラン:1週間分の夕食を作りおき。
  • スポットプラン:1食分のお料理を作る。
  • エクスプレスプラン:当日14時までに依頼すれば、最短3時間以内に自宅を訪問、料理代行スタート。  

など、さまざまなプランがあるので、状況に応じて依頼することができます。

料金︎楽ラクうちごはん定期プラン:26,474円〜/月
スポットプラン:14,117円〜
サービス家事代行サービス業者が行う料理代行。
自宅へ訪問し、キッチンを借りて料理をします。
必要に応じて、掃除や洗濯などの家事もセットで依頼できるので便利。
公式サイト家事代行のベアーズ 料理代行

ヘルパーさんにきてもらっている場合はあれば、ヘルパーさんに料理をお願いすることもできます。

自分の好みや、飲み込みがうまくできるかどうか、といった自分の健康状態に合わせた料理をお願いすることができます。

またヘルパーさんに全部作ってもらうだけでなく、ヘルパーさんと一緒に自分で作るのも良いですね。

自分の好きな料理が作れるだけでなく、料理をすることで認知症などの予防にもなりますし、楽しい時間を過ごすことができます

4.【独居老人の対策④】薬の飲み忘れを防ぐ方法

1人で生活をしていると、薬の飲み忘れもよくあることです。特に、認知症の高齢者は、薬を飲み忘れてしまうことがよくあります。

薬を飲み忘れたら、もちろん、健康に影響が出てきます。

そこで、薬の飲み忘れの対策は次の2つです。

  • 飲み忘れ防止ピルケースやお薬カレンダーを活用する
  • アプリを活用してアラームを鳴らす

それぞれ具体的に見ていきましょう。

4-1.飲み忘れ防止ピルケースやお薬カレンダーを活用する

薬の飲み忘れを防ぐための便利グッズ「飲み忘れ防止ピルケース」や「お薬カレンダー」を活用すれば、飲み忘れを防ぐことができます。

【飲み忘れ防止ピルケースとは】
曜日ごとに小分けになっているピルケース。
該当の曜日の薬をピルケースから取り出して飲みます。

【お薬カレンダーとは】
カレンダーの日ごとに小さい袋が付いていて、そこに、その日飲むべき薬を入れておくことができます。 壁掛けカレンダーのように、壁に貼ることができるので、常に目に入るところに貼っておけば、飲み忘れを防止することができます。

処方せん袋から毎日必要な分の薬を取り出して飲むとなると、次のような問題が起きることがあります。

「毎回手間がかかってめんどくさくなる」

「何錠を飲んだかを忘れてしまった!」

ですが、ヘルパーさんや家族が週に一度、ピルケースやお薬カレンダーに薬の振り分けをしておけば、あとは該当の曜日の薬をとって飲むだけでよくなり、飲み忘れ防止ができます。

ここでは、飲み忘れ防止ピルケースとお薬カレンダーをひとつずつご紹介していきます。

Opret 飲み忘れ防止ピルケース

Opretのピルケース。  
曜日ごとに色が別れており、さらに朝・昼・夜とマークが書いてあるので、飲み間違いや飲み忘れを防ぎます。

料金︎998円〜(税込)
購入ページAmazon

ビーグラッド お薬カレンダー

出典:Amazon  

ビーグラッドのお薬カレンダー。  
壁掛けできるカレンダーなので、生活している中で目に入り、飲み忘れを防止。
日本語表記なので高齢者にもわかりやすく、使い勝手も良いです。

料金︎1,406円〜(税込)
購入ページAmazon
楽天

4-2.アプリを活用してアラームを鳴らす

スマホアプリを活用してアラームを鳴らすのも薬の飲み忘れ防止になります。

【スマホアプリのアラームとは】
飲む時間を設定しておけば、時間になったらアラームが鳴り、薬を飲む時間であることを知らせてくれる、薬飲み忘れ防止のスマホアプリが多く開発されています。

アプリによっては

  • 処方された薬がもともと何錠あったかを入力することで、あと何錠残っているか知らせてくれる
  • 血圧や体重、その日にした運動を入力することで、健康状態をグラフ化できる

といった機能も持っているものもあり、総合的に健康状態を管理することもできます

ここでは服薬時間をアラームで知らせてくれるアプリをひとつ紹介します。

smartpatient GmbH 「お薬リマインダー・飲み忘れ防止アプリ 」

このアプリに服薬の時間を設定しておけば、時間になったらアラームが鳴り、薬を飲むことを知らせてくれます。  

多くの操作は不要で、高齢者にとってもシンプルで使いやすいアプリです。  
さらに

  • 血圧や今日のアクティビティ登録
  • 月間の健康レポート作成

もでき、総合的に健康状態を管理してくれます。

料金︎無料
ダウンロードページiOS
Android

アラームが鳴ったら、すぐに薬を飲むことを心がけていれば、飲み忘れを防止することができますね。

5.【独居老人の対策⑤】認知症の進行を防ぐ方法

独居老人が一人暮らしをして特に怖いのが認知症の進行です。一人暮らしをすることで、周りとのつながりが薄くなり、話をする機会がなくなります

そうすると、脳の機能が衰え、認知症の進行が進む可能性があります。

実際に、認知症の高齢者のうち、アメリカでは10〜30%、カナダでは31.5%、イギリスでは25%が一人暮らしであるとわかりました。

日本での数値はわかっていませんが、他の国と同じくらいだと推測すると、日本でも認知症の高齢者の1〜3割が一人暮らしであると推測できます。

65歳以上の認知症の患者数は、2025年で700万人になると推測されているので、独居の認知症高齢者の数は、140万人もいることになります。

参考:大阪府立大学看護学雑誌 22巻1号「一人暮らし認知症高齢者を行政機関につなげる 地域住民の思い」

   内閣府  平成28年版高齢社会白書(概要版)

認知症の進行を防ぐための対策は次の3つです。

  • 家族や友人と定期的に会う予定を立てる
  • 地域のコミュニティに入る
  • オンラインコミュニティに参加する

それぞれ具体的に見ていきましょう。

5-1.家族や友人と定期的に会う予定を立てる

1つ目の対策は、家族や古くからの友人と定期的に会うことです。思い出話などをすることで、脳が活性化され、認知症になることを予防することができます。

ポイントは定期的に会う頻度を決めておくこと。

「何かイベントがあったときに会えばいいや」
「そのうちまた会えるだろう」

と思っていると、意外とタイミングを逃して合わない期間が長くなってしまうこともあります。

例えば

  • 月に1回は会う
  • 週2回は電話をする

など期間を決めて定期的に会う予定を立てれば、確実に定期的に話をすることができ、認知症をある程度予防することができます。

5-2.地域のコミュニティに入る

住んでいる地域の自治体が主催しているコミュニティやサークルに入れば、周りとのつながりができます。

各自治体は、高齢者向けとは限らず、様々なコミュニティサークルセミナー講座などを行っています。

  • ゲートボールクラブ
  • 高齢者クラブ
  • 手話教室
  • ボランティア活動

など、サークル活動やコミュニティを通じて、自治体とそこに住む人々とつながることにより、人と話をする機会ができます。

5-3.オンラインコミュニティに参加する

高齢者の方にとっては意外な方法かもしれませんが、オンラインコミュニティに参加するのも1つの方法です。

【オンラインコミュニティとは】
趣味や住んでいる地域など、共通点がある人たちが集まり、インターネットを通じて交流する場

週に1度のテレビ電話を通じての交流会や、チャットやメッセージでのやりとりなど、オンラインを通じて人とのつながりを作ることができます。

やりとりは基本的にオンラインになるので ズームやSkypeといったオンライン技術を使いこなす必要があります。

「高齢の人にオンラインなんて!」と思うかもしれませんが、実は高齢者向けのオンラインコミュニティは最近増えてきています。下記はその一例です。

シニア向けオンライン趣味コミュニティ「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」

出典:趣味人倶楽部  

同じ趣味を持つ仲間に出会えるシニア向けオンラインコミュニティ「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」。
4,000名以上の登録者がおり、趣味を通じてのイベントやオンライン上でのやりとりなど、仲間同士で活発にコミュニケーションをとり、楽しい時間を共有することができます。  

元々はオフラインのコミュニティですが、最近はオンラインを利用しての投稿やZoom飲み会なども開催されています。

  • 旅行
  • ゴルフ
  • グルメ
  • 語学

など、幅広いテーマで同じ趣味を持つ仲間とつながることができます。

日々の日記を投稿したり、人の日記を読むこともできるので、毎日の楽しみがひとつ増えるかもしません。

登録料金︎無料
公式サイト趣味人倶楽部

パソコンやスマホの使い方を一度覚えてしまえば、外に出なくても、遠くに住んでいる仲間とのやりとりをすることができます。

趣味を通じてつながることもできるので、「近所に話が合う人がいない」という悩みを抱えている人は、オンラインで仲の良い友達を作ることができるかもしれません。

パソコンやスマホの使い方を覚えるのは、新しいことを学ぶという意味でも、脳の活性化が起こり認知症の予防にもつながります。

6.【独居老人の対策⑥】詐欺に遭うことを防ぐ方法

近年よく話題となる、高齢者を狙った詐欺

家族が同居していれば異変に気づきすぐに止めることができますが、一人暮らしだとその違和感に気づかず、詐欺に遭ってしまうリスクが高くなります。

高額の被害額を払わないためにも、詐欺に遭うことを防ぐ対策は次の2つです。

  • キャッシュカードの利用限度額を低く設定する
  • 地域の人が見つけたら声をかける

具体的に見ていきましょう。

6-1.キャッシュカードの利用限度額を低く設定する

銀行のキャッシュカードの1日の利用限度額を低めに設定しておくことで、高額の被害を避けることができます。

銀行のキャッシュカードの1日の利用限度額は自分で決めることができます。

限度額を10万円や20万円に設定しておけば、少なくとも、100万円など高額の詐欺被害は避けられます。

家族が、高齢者本人と一緒に、限度額の変更手続きを行ってあげましょう。

6-2.地域の人が見つけたら声をかける

近隣の人や地域の人が高齢者を見守り、少しでも違和感を感じたら、声をかけてあげるという意識を持つことも大事です。

最近では、高齢者が詐欺に遭いそうなところを、コンビニの店員が気づいて止めた、というニュースもよく耳にするようになってきました。

ニュースで詐欺被害が増えていることで、周りの人も、詐欺には敏感になり、より注意するようになっているのではないでしょうか。

  • 高齢者が電話をしながら焦って歩いている
  • コンビニのATMの前で高齢者が電話をしながら手続きをしている

こういった状況を見つけたら、声をかけてあげることが、詐欺被害防止につながります

なかなか勇気がいることですが、 それで取り越し苦労に終われば失うものは何もありませんし、万が一それが詐欺だった場合に、1人の高齢者を救うことができます。

7.まとめ

独居老人の生活や将来には様々な不安や問題リスクがありますが、それを未然に防止するための対策は次の通りです。

【独居老人の対策①】孤独死を防ぐ方法

  • 家族が同居する
  • 老人ホームに入る
  • 自治体とのつながりを持つ
  • 見守りサービスを導入する

【独居老人の対策②】事故・急病の発見遅れを防ぐ方法

  • スマホのワンタッチダイヤルを設定しておく
  • 緊急通報装置を設置する

【独居老人の対策③】食生活の偏りを防ぐ方法

  • 食事宅配サービスを利用する
  • ヘルパーさんに食事を作ってもらう

【独居老人の対策④】薬の飲み忘れを防ぐ方法

  • 飲み忘れ防止ピルケースやお薬カレンダーを活用する
  • アプリを活用してアラームを鳴らす

【独居老人の対策⑤】認知症の進行を防ぐ方法

  • 家族や友人と定期的に会う予定を立てる
  • 地域のコミュニティに入る
  • オンラインコミュニティに参加する

【独居老人の対策⑥】詐欺に遭うことを防ぐ方法

  • キャッシュカードの利用限度額を低く設定する
  • 地域の人が見つけたら声をかける

この記事を読むことで、独居老人の生活における不安やリスクを少しでも減らし、高齢者本人も、周りにいる家族や友人も、皆が安心して生活できることを願っております。

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