部屋のカビを徹底除去!場所別正しいカビ除去と効果のあるカビ取り剤

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部屋のカビを徹底除去!場所別正しいカビ除去と効果のあるカビ取り剤

「家具を動かしたら後ろの壁にカビが生えていた」
「掃除や除湿をしているのに室内にカビができてしまう」

カビは風呂場やキッチンなどの水回りだけでなく、壁や床、天井など部屋の中にもできるものです。

しかしカビの生えた部屋で生活していると考えると、気持ちが悪いし健康面も心配になりますよね。

部屋の中にできてしまったカビを正しく取るには、 以下の手順で行うことが大切です。

  • STEP1:換気をする
  • STEP2:カビ除去する空間の全体を掃除する
  • STEP3:カビを死滅させる
  • STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除く

このSTEPを正しく踏まないと、一時的にカビを取ることができても、すぐに再発してしまうのです。

そこでこの記事では、部屋にできてしまったカビの正しい除去方法と、壁紙や床などの素材を傷めずにカビを除去するおすすめアイテムを場所別・素材別にご紹介します。

記事の最後には、カビを発生させないための再発防止策もご紹介しますので、この記事を読むことで、カビの心配のない清潔な部屋を取り戻すことができるでしょう。

1.部屋のカビを除去する方法4STEP

カビの生えた部屋で生活していては、気持ちが悪いばかりか健康にも悪影響がないか心配になりますね。
まずは部屋の中に生えてしまったカビを除去する方法を、しっかり押さえておきましょう。

部屋の中に生えてしまったカビを除去する上でのポイントは、「①カビを広げない」ことと「②カビの栄養を残さない」ことの2点です。

この2点をしっかり念頭に置いて、以下の手順でカビを除去していきます。

  • STEP1:部屋の換気をする
  • STEP2:カビの生えている部屋の全体を掃除する
  • STEP3:部屋に発生したカビを死滅させる
  • STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除く

順に詳しく見ていきましょう。

1-1.STEP1:部屋の換気をする

カビを正しく除去するには、まずは部屋の換気を行います。

換気をしないと、カビは同じ部屋の中の別の場所に引っ越しをするだけになるからです。

部屋の中にできたカビ除去をする際の換気は、以下のように行います。

■窓を開ける

窓を開けることで、カビを除去したい部屋の空気を入れ替えます。

窓が一つの部屋の場合扇風機を窓の外に向けて回します。
窓が複数ある部屋の場合できるだけ対角線上にある窓を二つ開けます。
窓がない部屋の場合換気扇を回します。

なお、カビは高い湿度を好むため、雨の日には窓を開けてのカビ除去は行わないでください。
かえって部屋の中の湿度が高くなり、カビの好む環境を作り出してしまいます。

部屋のカビを除去する場合は、できるだけ晴れた日の日中に、乾燥した空気を取り込みながら行うことが原則と言えます。

■換気扇を回す

窓のない部屋で換気扇がある場合は、換気扇を利用して空気の入れ替えをします。

空気の入口と出口の両方を確保することで換気効率が良くなるため、ドアを開け、隣接する部屋や廊下の窓を開けた状態で行うと、よりきれいな空気が入ってきます。

■扇風機を回す

部屋の中でも特にクローゼットなど窓も換気扇もついていない場所では、扇風機を回して風を送りながらカビ除去を行います。
その際、クローゼットの中にあるものは事前にすべて出しておきます。
そしてカビの生えている箇所に直接風が当たらないように、扇風機の角度を調整してください。

カビ除去のポイント①「カビを広げない」ことを念頭に、換気をして空気を入れ替えながらカビ除去を行います。換気によってカビの胞子を追い出すことができるだけでなく、この後に使用する薬剤の吸い込みによる危険を回避することもできます。

できるだけ大量の新鮮な空気との入れ替えを行うことが、部屋のカビを除去する第一歩です。

1-2.STEP2:カビの生えている部屋の全体を掃除する

換気をしたらすぐにでもカビ除去に取り掛かりたいところですが、まずはカビが生えている場所のある部屋全体の掃除を行います。
なぜなら換気と同様、カビが生えている場所以外の掃除ができていなければ、カビはそちらに引っ越しをするだけになるからです。

カビは目には見えない胞子を放出するのですが、この胞子はほこりや汚れに付着することで、そこで栄養を得て成長し、増殖していきます。

カビ除去のポイント②「カビの栄養を残さない」ことを念頭に、まずはカビ除去をする部屋全体から、カビの栄養となるほこりや汚れをなくすことが先決です。

特に、窓際の結露など水分が多くある箇所は、しっかりと拭き取っておいてください。カビ取り剤の多くは、カビ除去したい場所に水分があると、カビの死滅効果が半減してしまうからです。

1-3.STEP3:部屋に発生したカビを死滅させる

部屋の換気と全体の掃除が終わったら、いよいよカビ取り剤などを使ってのカビの除去に取り掛かります。

ここで注意したいのが、市販のカビ取り剤の多くは、基本的に使用後に薬剤を水で洗い流す必要があるため、部屋の中のカビ除去には使うことができないということ。

部屋の中にできたカビを死滅させるには、水洗いの必要のない、以下の2つの薬剤が有効です。

種類有効濃度表記成分名
エチルアルコール80.00v/v%(80%)エタノール、アルコール、発酵アルコールなど
次亜塩素酸水400ppm(0.04%)次亜塩素酸、次亜塩素酸カルシウム、 ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなど

どちらも使える場所は幅広く、家中のいろいろなところに使えます。

 使える場所注意点
エチルアルコールリビング、キッチン、食品、家電、子供部屋、おもちゃなど・引火性があるため火気を使用している周辺では使わない
・アルコールでかぶれる人は使わない
・揮発しやすいため手早く使う
次亜塩素酸水リビング、キッチン、家電、子供部屋、おもちゃなど・製造時または水溶液作成時をピークとして、除菌力は時間と共に下がっていく

適切な濃度に希釈した上記の薬剤のどちらかを、清潔な布に充分に染み込ませたもので拭き取りをしますが、実際の使い方やシーンなどは第2章で詳しく説明しますので、そちらもお読みください。

どちらの薬剤であっても、大量に吸い込んだり誤飲したりすると危険なので、正しく計測して有効濃度を守って使用してください。
また、エチルアルコールは濃度が80%を超えてしまうと、かえってカビに対する殺菌効果が低くなってしまうので、こちらも適正濃度の範囲で使うようにします。

1-4.STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除く

カビを死滅させたら、しっかりとその死骸を取り除きます。
これはカビ除去のポイント②「カビの栄養を残さない」にあたるものです。

カビの死骸が残っていると、死骸そのものがまたカビの栄養源になってカビが再発してしまいます。
そのため、カビの死骸と死骸の混ざったほこりなどは、しっかり取り除くことが大切です。

カビの死骸は、以下のような方法で取り除きます。

■柔らかいブラシで取り除く

凹凸のある壁紙や部屋の四隅など、薬液を含ませた布で拭き取ることのできなかった分は、残っているカビを含んだ汚れを、柔らかいブラシや刷毛などを使って掻き出します。

硬いブラシなどでゴシゴシとこすり洗いをすると、素材の表面に傷がついてカビの隠れ家を作ってしまうので、ブラシは必ず柔らかいものを選んでください。
また、使い古しの歯ブラシなどを使う際には、必ずよく洗浄してから使ってください。

なお、部屋の中のカビに使えるカビ取り剤には基本的に漂白効果はないので、カビの死骸は取れても、カビの色までは取ることができません。

後述もしますが、どうしてもカビの色素を取り除きたい場合は、塩素系や酸素系のカビ取り剤を薄めた溶液を作り、清潔な布に含ませて色を取りたい箇所にポンポンと叩き込みます。

カビ除去したいものによって、以下の漂白剤を使い分けてください。

 液性(ph脱色力使い方
酸素系漂白剤弱アルカリ性色柄物にも使用可能
塩素系漂剤アルカリ性白物以外使用不可

どちらの漂白剤も、使用した後は水拭きをして、薬剤が残らないようにします。

やってはいけない!NGカビ除去方法

部屋に生えたカビを掃除する際に、ついやってしまいがちな以下の方法。
一時的にカビを除去することができても、実はカビを拡散させたり再発させたりする可能性が高いやり方です。

誤ったカビ掃除影響
カビ取り剤をカビに直接吹き付けるスプレー等の勢いでカビを周囲に拡散させる
カビを水拭きするカビを周辺に拡散させる
カビに掃除機をかけるカビを空気中に拡散させる
カビに直接ドライヤーを当てる強い風でカビを周囲に拡散させる
カビの死骸を残したままにするカビの栄養源になって成長を促進する

せっかくきれいにカビ除去をしたのに、すぐに再発したり別の箇所にカビが現れたりするのは、このような掃除をしているからかもしれません。

部屋の中にできたカビの掃除でこのようなことをしていないか、ぜひ一度振り返ってみてください。

誤ったカビ掃除についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

2.部屋のカビ除去におすすめのカビ取り剤と使い方

部屋の中のカビとひと口に言っても、それがリビングなのかキッチンなのか、壁なのか床なのかによっても、使うべきカビ取り剤やその使い方は変わってきます。

まずは、STEP3:部屋に発生したカビを死滅させるで紹介した、部屋に生えてしまったカビを取ることができるカビ取り剤をご紹介していきます。

2-1.エチルアルコール系は広範囲に使える万能型

アルコールを主成分とし、カビをはじめとしたさまざまな細菌やウィルスを死滅させる効果があります。

エタノール、アルコール、発酵アルコールなど

使える場所注意点
●リビング
(壁紙、土壁、天井、床、畳、窓、サッシなど)
●キッチン
(調理器具、保存容器、食器、食品など)
●その他
(家電製品の表面、家具、おもちゃなど)
・引火性があるため火気を使用している周辺では使わない
・アルコールでかぶれる人は使わない
・揮発しやすいため手早く使う

部屋の中から食品まで、いろいろな素材のものに広範囲に使うことができるエチルアルコール系製剤で、カビ取りにおすすめの商品は以下の3点です。

■ドーバー パストリーゼ77

出典:ドーバー酒造株式会社

酒造会社のノウハウから生まれたアルコール製剤。アルコールの含有率が77%と高濃度で、カビをはじめとした多くの細菌やウィルスを除菌します。ドラッグストアなどでも購入できるので、思い立った時にすぐにカビ除去ができます。

清潔な布に含ませてカビを拭き取ったり、日常の掃除の後にひと吹きすることでカビ予防にも役立ちます。

■ジェームズマーティン フレッシュサニタイザー

出典:株式会社ファーストコレクション

「お客様やスタッフをウイルス・細菌から守りたい」という、約55業態1400店の外食店舗の現場から生まれたアルコール製剤。一般的なアルコールスプレーでは除菌が難しいとされている、ノロウィルスなどのノンエンベロープウイルスの除菌にも有効です。

アルコールは揮発しやすいため、拭き取りの際はこまめに布に吹き付けて使うようにすると効果的です。

■健栄製薬 消毒用エタノール

出典:Amazon

エタノール (C2H6O) 76.9~81.4vol%を含有し、消毒用として幅広く使える第3類医薬品。ドラッグストアなどでも安価で購入できるため、一家に一本備えておくことができて安心です。

2-2.次亜塩素酸水は保存期間で液体と粉末を使い分け

カビをはじめとしたさまざまな細菌やウィルスを死滅させることのできる次亜塩素酸水は、うがい薬としても使うことができるほどの安全性を持っています。

次亜塩素酸、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなど

使える場所注意点
●リビング
(壁紙、土壁、天井、床、畳、窓、サッシなど)
●キッチン
(調理器具、保存容器、食器、食品など)
●その他
(家電製品の表面、家具、おもちゃなど)
・製造時または水溶液作成時をピークとして、除菌力は時間と共に下がっていく

食品に直接使うことができない点以外は、エチルアルコール系のものと同じように広範囲に使うことができます。

なお、次亜塩素酸水は、塩化ナトリウムや塩酸を水に溶かして電気分解して得られた水溶液と、水に溶かすことで次亜塩素酸水を生成できる粉末状のものが売られています。

それぞれメリットとデメリットがあるので、使い勝手の良さや使用頻度などに合わせて使い分けることをおすすめします。

表示成分名状態メリットデメリット
次亜塩素酸液体原液のままでカビ取りに使える・保存期間が短い
・開封後すぐに使い切る
次亜塩素酸カルシウム
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
粉末長期保存しても品質が変わりにくい・自分で計量する必要がある
・生成したものはすぐに使い切る

次亜塩素酸水でカビ取りにおすすめの商品は、以下の2商品です。

■エスエーシーラボ ジアニスト

出典:エスエーシーラボ株式会社

ヒトの肌と近い微酸性の次亜塩素酸水で、原液のまま部屋の中にできたカビの除去に使うことができます。水道水で希釈することで、室内のあらゆるものの拭き取り除菌や消臭にも安全に使えます。

■日本トリム ジアウォッシュ

出典:日本トリム公式ショッピングサイト「トリムショッピング」

次亜塩素酸水を生成することのできるパウダー。10gずつ分包してあるため計量が簡単で使い勝手が良いのが特徴。長期保存できるため、使う時だけ都度水溶液を作り、家中の除菌に使うことができます。

2-3.部屋のカビの色素は合成界面活性剤の入っていない漂白剤で取る

STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除くでもお伝えしましたが、カビの色素が残ってしまう場合は、漂白剤を使用します。
部屋のカビの色素に使う場合は、合成界面活性剤の入っていない漂白剤を選ぶことがポイントです。

なぜなら、合成界面活性剤は水洗いしないと取り除くことができず、残るとカビの栄養になって生育を助けてしまうからです。

前述もしましたが、壁紙などの色や柄によって、使う漂白剤は以下のように使い分けてください。

 液性(ph脱色力使い方
酸素系漂白剤弱アルカリ性色柄物にも使用可能
塩素系漂白剤アルカリ性白物以外使用不可

部屋の中に生えたカビの色素を取るための、合成界面活性剤が入っていないおすすめの漂白剤は以下の2商品です。

■花王 ハイター

出典:花王株式会社

塩素系漂白剤で、合成界面活性剤が入っていないものといえばこちら。ハイターといっても、ワイドハイターやハイドロハイター、ハイターEXなどの商品ラインには合成界面活性剤が入っているので、選ぶ際には注意してください。

合成界面活性剤は使っていませんが、漂白後は水拭きまたはアルコールによる拭き取りをして、薬剤が残らないようにします。

なお、塩素系なので、使用後に酸性の次亜塩素酸水による拭き取りは絶対に行わないでください。

■グラフィコ オキシクリーン

出典:グラフィコ

色柄物にも安心して使うことのできる酸素系漂白剤。こちらも合成界面活性剤は使っていませんが、漂白後は水拭きまたはアルコールによる拭き取りをして、薬剤が残らないようにします。

塩素系漂白剤のようなきつい臭いがないため、赤ちゃんやペットのいる部屋でも使うことができます。

【注意】木製製品のカビ取りには酸性〜中性

フローリングや書棚をはじめとした木製製品には、酸性〜中性の薬剤でカビ取りを行います。
なぜなら、木材はアルカリ性に弱く、変色が起こりやすいからです。

これまでご紹介した成分の液性(ph)は、以下の通りです。

種類液性(ph
メチルアルコール中性
次亜塩素酸水強酸性〜微酸性
塩素系漂白剤アルカリ性
酸素系漂白剤弱アルカリ性

ご覧いただくと分かるように、木製製品を傷めないようにカビ除去を行うことができるのは、以下のふたつの薬剤のみです。

  • メチルアルコール系
  • 次亜塩素酸水

ただし、フローリングに使用する場合に注意したいのは、薬剤をつけた状態で放置すると、木材に施されたワックスが溶けて白く変色したようになること。

フローリングのカビを除去する場合は、薬剤をつけたまま放置せず、手早く薬剤を拭き取ってください。

3.カビが生えやすいのはこんな部屋

冒頭でも述べましたが、以下のような環境や暮らし方をしていると、部屋の中にカビが生えやすくなります。

  • 日当たりが悪い
  • 風通しが悪い
  • 洗濯物の部屋干しをしている
  • ペットを飼っている
  • 室内でタバコを吸う

それぞれ、原因と対策方法を見ていきましょう。

3-1.日当たりが悪い

日当たりの悪い部屋では、湿度が高くなりやすいため、カビが生えやすくなります
窓を開けても明るい光が入ってこないので、太陽光の紫外線による自然除菌も望めません。

間取りなどで日当たりの悪さを良くすることが難しい場合、こまめな換気を心がけ、湿度が60%を超えないように調整しましょう。

3-2.風通しが悪い

風通しの悪い部屋では、湿度が高くなりやすいことと、空気中に浮遊するカビの胞子の逃げ場が少ないことで、カビが生えたり再発しやすくなります

部屋に隣接して隣家や塀などの建物、大きな樹木があると、窓を開けてもあまり風が通らない場合があります。

換気の際は、開けた窓に向けて扇風機を回すと、効率よく室内の風を入れ替えることができます。

3-3.洗濯物の部屋干しをしている

洗濯物の部屋干しをしていると、部屋の中の湿度が高くなるため、室内にカビが生育しやすくなります

とはいえ、仕事や天候などの理由で、どうしても部屋干ししなければならない時はあるでしょう。
洗濯物の室内干しをする際は、以下のことを心がけるようにしてください。

■できるだけ早く乾かす

エアコンの除湿機能や扇風機を使い、できるだけ早く洗濯物が乾く環境を作ります。
可能であれば、エアコンや扇風機に当たる面を入れ替えるなどすると、より早く洗濯物を乾かすことができます。

■晴れた日には部屋中の空気を入れ替える

洗濯物の室内干しをしたからと言って、その日にすぐカビが生えるわけではありません。
晴れの日にはできるだけ換気をして、部屋の中の空気を入れ替えましょう。
その際、クローゼットや押し入れなど、部屋の中にある扉はすべて開けることで、こもった空気をすべて入れ替えることができます。

3-4.ペットを飼っている

カビは有機物によるほこりや汚れを好みます。
「有機物」と聞くと少し難しく聞こえますが、その内容は毛、フケ、アカ、爪といったヒトや動物の体から出るものや、すべての食品、油脂、花粉やダニの死骸などを指します。

部屋の中でペットを飼っていると、人間だけで暮らしているよりも、より多くの毛や皮膚のかけらなどが部屋の中に落ちるため、カビの栄養が多くなってしまうのです。

3-5.室内でタバコを吸う

タバコのヤニはカビの好む栄養のひとつなので、部屋の中でタバコを吸うのは、カビに栄養を与えている状態です。

また、タバコのヤニは脂なので、そこにホコリやダニの死骸などが付着しやすいことも、カビに栄養を与えやすい環境を作ることになります。

4.部屋の中でカビが生えやすい4つの場所

先にお伝えしたような、カビが生えやすいような環境の部屋だったり、カビの生えやすい暮らし方をしていたりしなくても、部屋の中にはカビが生えやすい場所というものがあります。

  • クローゼットや靴箱などの収納部
  • 大型家具や家電の裏側
  • 北側の部屋や窓際

それぞれの場所でカビができやすい理由を、詳しく見ていきましょう。

4-1.クローゼットや靴箱などの収納部

クローゼットや押入れ、靴箱の中は、湿気がこもりやすい上に日当たりも風通しも悪い場所です。
特に、使った後の洋服や布団、靴をすぐにしまう習慣のある方は要注意です。

着用や使用によってついた汗を乾かさなかったり、ホコリを落とさないままで収納してしまうと、カビの好む湿度と、カビの好む花粉などの栄養を一緒に閉じ込めることになります。
わざわざカビを培養しているかのように、カビの生育に最適な環境を与えているのです。

出かける際には扉を開けておいたり、週に一度は扇風機で風を送るなどして、湿気をこもらせないようにしてください。

4-2.大型家具や家電の裏側

部屋の中にカビが生えているのを見つけることが多いのは、模様替えなどで大型家具や家電を動かしたタイミングです。

大型家具の裏は風が通りにくいため、湿気がこもりやすくなりがちです。
加えて家電の場合は、静電気や熱が発生することで、よりカビの好むホコリが集まりやすく、カビの生育しやすい高温の環境を提供している状態です。

掃除のしやすさと合わせて、できれば大型家具や家電の後ろには5cm程度の隙間を開けて配置するようにしてください。

4-3.北側の部屋や窓辺

北側の部屋や窓辺は、部屋の中の気温と外気温との差ができやすく、結露が発生しやすい場所です。

カビが発生しやすいのは梅雨時期から夏の終わりにかけてですが、北側の部屋や窓辺は、冬場には窓を閉め切ったりしていることが多いため、一年を通じてカビのできやすい環境にあります。

北側の部屋や窓辺では、特に換気に注意し、結露を見つけたら必ずすぐに拭き取るようにしてください。

4-4.和室の壁や畳

和室はカビが生育しやすい環境と言えます。

昔ながらの和風建築であれば、家全体として通気性の良い造りになっているのですが、洋風建築の一部にある和室では、残念ながらカビが発生しやすくなります

和室の土壁や畳は、吸湿性の高いことが特徴です。
吸湿性が高いということは、夏場などの湿度の高い時期に、壁や畳が湿気を吸い取って室内の湿度を下げるということ。
つまり、土壁や畳自体は、高い湿度を蓄えている状態なのです。

さらにイグサやワラなどの天然素材でできた土壁や畳は、カビの好む有機物がたくさん含まれています
和室では特に、こまめな掃除と換気を心がけてください。

特に和室の土壁についてしまったカビを除去したい方は、以下の記事もご覧ください。

5.部屋の中にカビを発生させないための予防策

これまでにも何度かお伝えしていますが、カビが生育しやすい環境をなくすことで、カビを発生させなかったり、成長を止めたりすることができます。

カビが生育しやすい環境は、以下の3つです。

カビの好む栄養がある毛、フケ、アカ、爪、食品、油脂、花粉やダニの死骸など
カビの好む湿度である64%94%
カビの好む気温である25度〜28度(0度〜40度で生育可能)

このうち、カビの好む気温を避けて暮らすことは現実的でないため、カビの好む栄養や湿度を避けることで、カビが生育しやすい環境をなくしていきましょう。

具体的にどんなことをすればいいか、詳しく説明していきます。

5-1.こまめに部屋を掃除する

カビの胞子は空気中を漂い、ほこりや汚れがあるとそこに付着して栄養を得ます。
まずは部屋の中にほこりや汚れを溜めないことが何より大切です。

ほこりを見つけたり、壁や床を汚してしまったりしたら、その場ですぐに処理しましょう。

そして拭き掃除の際に、STEP3:部屋に発生したカビを死滅させるで紹介した以下の薬剤を使うことも非常に効果的です。

  • エチルアルコール
  • 次亜塩素酸水

薬剤を使った拭き掃除によって、たとえカビの胞子が壁や床に付着しても繁殖することを抑えられるため、カビは発生しにくくなります。

5-2.部屋を換気して湿度を下げる

カビは湿度の高い環境を好みますが、逆に湿度が60%以下になるとまったく生育できなくなります

窓のない部屋ではエアコンをつけたり換気扇を回すほか、クローゼットなどエアコンのない空間では扇風機を回すなどしてこもった空気を入れ替えたり、除湿剤を利用することで湿度を60%以下に押さえましょう。

ただし、除湿剤に溜まった水を放置すると逆効果になるため、水が溜まったらすぐに取り替えてください。

5-3.部屋の中の水分や湿気を取る

カビの好む水分や湿気をしっかり取ることで、カビは生育できなくなります

部屋の中の水分や湿気を取るには、以下のことを心がけてください。

  • 1日着用した服や靴は、湿気を取ってからクローゼットや靴箱にしまう
  • 結露はすぐに拭き取る

水分や湿気を取った後に、前述の以下の薬剤をスプレーでさっと吹き付けておくことで、さらに除菌効果が高まります。

  • エチルアルコール
  • 次亜塩素酸水

6.それでもカビが再発する場合は業者に相談

正しくカビを除去していても、カビ防止のための対策をしていてもカビが繰り返すという場合には、業者に依頼して根本的な理由を見つけてもらい、徹底除去してもらいましょう。

正しい対策をしても部屋の中にカビが再発してしまうのには、以下のような原因があるかもしれません。

  • カビ除去をしないまま壁紙だけを張り替えている
  • カビ除去をしないまま壁の塗り直しをしている
  • 家の床下にカビの温床がある

このような状態では、どんなに強力なカビ取り剤を使ってカビ除去を行っても、その場凌ぎにしかなりません。

アレルギーや喘息などのカビを原因とした健康被害を引き起こす危険性が高いため、早めに業者に相談し、根本的なカビ除去をしてください。

国際機関が認めた唯一の除菌工法を持つ特殊清掃の専門家

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カビを丁寧に除去した後は、空間全体に善玉菌を送り込むことで、悪玉菌を寄せ付けないための防カビ処理も行います。

安心して長く暮らし続けるため、繰り返す部屋の中のカビの除去はリスクベネフィットにお任せください。

まとめ

今回は、部屋の中にできてしまったカビを正しく除去する方法について解説してきました。

部屋にできたカビを正しく除去するための、基本の4STEPは以下の通りです。

部屋の中にできたカビを正しく除去する基本の4STEP

  • STEP1:部屋の換気をする
  • STEP2:カビの生えている部屋の全体を掃除する
  • STEP3:部屋に発生したカビを死滅させる
  • STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除く

部屋の中にできたカビを死滅させるには、水洗いの必要のない、以下の2つの薬剤が有効です。

種類有効濃度表記成分名
エチルアルコール70~80%エタノール、アルコール、発酵アルコールなど
次亜塩素酸水400ppm(0.04%)次亜塩素酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム

カビが生えやすい部屋の環境や暮らし方、部屋の中で特にカビの生えやすい場所については、以下のようにお伝えしました。

カビの生えやすい部屋

  • 日当たりが悪い
  • 風通しが悪い
  • 洗濯物の部屋干しをしている
  • ペットを飼っている
  • 室内でタバコを吸う

部屋の中でカビの生えやすい場所

  • クローゼットや靴箱などの収納部
  • 大型家具や家電の裏側
  • 北側の部屋や窓際

部屋にできたカビを正しく除去した後は、再発させないための予防をすることで、カビのない気持ちの良い状態をずっと長く続けていくことができます。
カビを再発させないための予防策は、以下の通りです。

カビを再発させないための3つの予防策

  • こまめに部屋を掃除する
  • 部屋を換気して湿度を下げる
  • 部屋の中の水分や湿気を取る

ここでご紹介した正しいカビ除去をしても、どうしてもカビが再発してしまうという場合は、壁本体や床下など、家の構造や土台の部分にカビの温床がある可能性があるため、早めに業者に相談して、どこに根本的な問題があるのかを見つけましょう。

この記事が、あなたの部屋からカビをなくし、気持ちよく暮らし続けるためのお役に立ちますように。

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