耐震性を高められたり、地中の湿気やシロアリなどの害虫の発生を防げたりなどのメリットがあるベタ基礎は、近年多くの住宅で採用される基礎になりました。
しかし、大雨などによってベタ基礎に水が入ってしまう“床下浸水”の被害に合った場合、浸水を解消するための迅速な対応が求められます。
なぜなら、ベタ基礎は住宅に接する地面を厚いコンクリートで覆うという構造で作られており、水が自然と地面へ流れ出たり、蒸発するような仕組みではないからです。
【ベタ基礎の例】
ベタ基礎の『地中の湿気が住宅に入り込まない』という特徴は『水が外へ逃げにくい』という特徴でもあります。ベタ基礎に入り込んだ水をそのまま放置すると住宅にも人体にも悪い影響が出る可能性があるため、なるべく早く対処しましょう。
ただし、自力で排水作業を行うと、120平米の場合だと約14日〜18日ほどかかります。その間に雑菌が増殖し、家の基礎部分が腐食してしまうなど、被害が拡大しかねません。
業者に依頼すると1日〜2日で完了するため、家の被害を最小限に押さえたいなら、業者に依頼することを強くおすすめします。
この記事では、床下浸水してしまって困っている人のために以下の要点を分かりやすく解説しています。
ベタ基礎の床下浸水を対処する前に知ってほしいことも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
1.ベタ基礎の床下浸水は早急な対処が大切
水の逃げ道がない構造で作られているベタ基礎の浸水は早急な対応が求められます。水を放置することで以下のような4つの悪影響が発生するからです。
床下浸水の放置で起こりうるリスク
- 悪臭の発生
- 水分や湿気による住宅の劣化
- カビの発生
- シロアリや害虫の発生
漏水で浸水した場合は、一見綺麗な水なので、危険性を感じにくいかもしれません。
しかし、上記のような影響は、確実に進み、しばらくすると強烈な臭いも発生します。
水の放置が住宅や人体に及ぼす影響を具体的にご紹介します。
1-1.強烈なニオイが発生してしまう
水害による被害の影響で入り込んでしまった水には微生物や雑菌が入った泥が含まれていたり、汚水が含まていたりなど不衛生な水です。
このような水を放置したままにすると、泥の匂いや生ごみの匂いなどの悪臭が家中に漂うため、その家で生活することが困難なほどのニオイに悩まされることになるでしょう。
放置すればするほどニオイは強烈になるため、ニオイに悩まされることない暮らしを実現するには、床下浸水に早急に対処することが望ましいです。
1-2.基礎部分が腐食してしまう
コンクリートはアルカリ性の性質を持って強度が保たれていますが、コンクリートに水が浸透すると空気中の二酸化炭素と結合しやすい環境になり、みるみる中性化が進みます。中性化することによってコンクリートの強度が損なわれ、ヒビ割れなどが生じます。
コンクリートの内部には鉄筋が含まれていますが、鉄筋部分にまで水の浸透が進んでしまうと鉄筋が錆び、さらに基礎としての支える力が弱くなっしまう要因になります。
基礎は建物を支える役割があり、耐久性を左右する重要な部分です。基礎の強度が低下すると建物の重みに耐えきれずに最悪の場合、倒壊する危険も出てきます。
住宅の健康寿命を延ばすためにも基礎に悪影響を及ぼしてしまう状況は一刻も早く排除することが賢明です。
1-3.カビが発生してしまう
水の放置はカビの発生や増殖につながってしまいます。カビは根を張って広がっていくので、発生してしまうと完全に除去することは難しい厄介な汚れです。
基礎部分に発生してしまうと、外壁だけでなく、住宅内にも広がって繁殖していく可能性があるため、早急に対応しましょう。
【外壁のカビの例】
【住宅内のカビの例】
カビは見た目の悪さだけでなく、悪臭を放ったり、カビの胞子が空気中を浮遊して体内に入り込みアレルギーや肺炎を引き起こしたりなど、人体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
健康的な生活のためにもカビが発生する前に水分はしっかり取り除くことが大切です。
1-4.シロアリや害虫が発生してしまう
家の中でシロアリ被害に遭いやすい場所の1つに“床下”があります。
床下の湿度が高く、シロアリにとって住みやすい環境であるからです。
そのため、高気密な構造であるベタ基礎で建てた家の場合、シロアリの侵入を妨げて住宅を守れるという特徴があります。
ただし、床下浸水によってベタ基礎部分のコンクリートや鉄筋などが腐食し、すき間が生じるとそこからシロアリが侵入する可能性が出てきます。
水を放置していることによってシロアリの好む湿気になるため、増殖する可能性もあるでしょう。
【シロアリ被害を受けた住宅の一例】
木材を栄養にしているシロアリは木材と暗所があればどこにでも発生して繁殖していくため、一度発生してしまうと、床下だけではなく、支柱や屋根、家具など、どこにでも発生する可能性があるのです。
住宅に使われている木材はすべて食いつぶされてしまう可能性があり、もろくなった家は小さな地震や強風など、些細なきっかけで倒壊する危険性もあります。
また、床下浸水して住宅の腐食が進んだり、悪臭が漂うことで害虫が集まりやすい状況になることも懸念点の1つ。具体的には以下のような種類の害虫の発生が考えられます。
●蚊、ゴキブリ、ハエなど
衛生害虫と言い、病原菌を運ぶことで人間の健康を脅かす存在です。水が溜まっている場所を好む傾向にあります。
●ムカデ、ダンゴムシ、アリ、ノミバエなど
不快害虫と言われる害虫です。人間に害を及ぼす危険性は少ないですが、湿気を好むため大量発生する危険性があります。
健康に悪影響を及ぼす害虫の発生はもちろん防ぎたいですが、見るだけで不快な思いをする不快害虫の発生も防ぎたいものです。
集まってきた害虫は産卵を繰り返して大量発生する危険性もあるため、寄せ付けないためにも迅速な対応で床下浸水の対処を行いましょう。
2.ベタ基礎が床下浸水したときの対処の流れ
床下浸水の対処には感染症や慣れない作業による怪我など危険が伴うため、専門業者に依頼することをおすすめします。
しかし、どうしても自力で行いたい場合は、必要な道具や装備を準備すれば、床下浸水を対処することも可能です。 自分で対応する場合の床下浸水の対処の流れは以下のとおりです。
※水害の場合は泥の除去など、清掃も必要です。
配管の劣化などによる漏水の場合は、すぐに業者に依頼しよう
配管などの劣化による漏水が発生した場合は、すぐに業者に依頼しましょう。
溜まった水に雑菌が繁殖し、臭いが発生したりするため、専門的な消毒が必要になるためです。
また、家の基礎部分が長い間水浸しになって、木部が腐っている場合もあります。
漏水は水害と異なり、発覚するまでに長期間かかるケースがあります。 中には、数年にわたって水漏れが続いている場合もあり、早急に専門家による対処が必要です。
2-1.排水をする
ベタ基礎が床下浸水してしまった場合、まずは水を排出してベタ基礎から水分を除きます。
ただし、ベタ基礎は厚いコンクリートで覆われた構造になっているため、水を逃がすには床板や床下収納口、床下点検口などからの排水スペースを確保して行う必要があります。
床から行う排水方法は以下の2つです。
2-1-1.排水方法①バケツなどで汲み出す
バケツなど水を汲み出せるものを使ってベタ基礎に溜まっている水を外へ排出します。バケツの場合は労力が必要ですが身近なアイテムで排水することが可能です。
少し水が残ってしまった場合は、ちりとりを利用すれば、簡単に水をすくい取ることができるでしょう。
2-1-2.排水方法②排水用ポンプを活用する
家に排水ポンプがある、または排水用ポンプを準備できる場合は排水用ポンプを活用しましょう。少ない労力で一気に排水することが可能です。
いずれの排水方法でも排出ができたら水道水で床下を洗い流し、モップや雑巾、新聞紙などで水気を取り除いてください。
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2-2.(水害の場合)泥を除去する
水害の場合は、排水をしても、床下に泥が溜まっている場合があるため、ちりとりやスコップを使って除去します。
泥を放置していると、悪臭の原因となります。
また、泥が乾燥すると、粉じんとなって周囲に舞う危険性があります。
手間がかかりますが、溜まった泥はできるだけ取り除きましょう。 柱などに付着した泥は水で洗い流し、その際に使用した水もきちんと排水するようにします。
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2-3.乾燥させる
完全に排水が完了したら床下を乾燥させます。床下の部分は陽が当たらず、風の通りもさほどありません。そのため、下記のような扇風機や送風機を活用して乾燥させます。
扇風機
送風機(サーキュレーター)
もしも乾燥が十分ではない場合、基礎の腐食の進行やカビや害虫の発生が懸念されます。
目視できない内部の方は湿っているケースもあるため、数日間~1週間ほどしっかり時間をかけて床下を乾燥させることがポイントです。
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2-3.消毒する
乾燥ができたら床下の衛生環境を改善するためにも消毒で仕上げを行いましょう。消毒を省いてしまうと雑菌が増殖して感染症の危険性が高まるため、消毒で仕上げることはおすすめです。
床下の消毒で使われる消毒には逆性石けん、クレゾール石けん水、消石灰などがありますが、ご自分で消毒を行うのであれば消石灰を使用することが一般的です。
※目に入ると失明する恐れがあるほどの刺激があるものなので、必ずゴーグルや手袋、マスクを装着して行ってください。
消石灰はホームセンターなどでも取り扱いがあり、水害のあった地域では配付される場合があるので、特に入手しやすい消毒薬であると言えます。消石灰は1平方メートルの範囲に対し、1キログラムの量を床下に散布してください。
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3.自分で対処する際にかかる費用一覧
自分で『排水・乾燥・消毒』を行う場合には、それぞれの工程に必要な道具と、身を守るためのアイテムを準備しなければなりません。
どこまで準備するか、何人分用意するのか、など状況によりますが、床下浸水にそろえる道具と費用の目安は以下のとおりです。
下記ではさらに詳しい内訳を紹介しています。そろえるべきアイテムや相場費用の参考にご覧ください。
3-1.身を守るために必要なアイテムと費用相場
ベタ基礎の床下浸水を対処するには感染症対策が必要不可欠になります。そのため、身を守るためのアイテムは必ず用意しましょう。
作業用ゴーグル300円~、10枚入りの防塵マスク2,000円~、作業用全身ウェア7,000円~、長靴2,000円~、ゴム手袋600円~など1人あたり合計1万円以上の費用が必要です。
身を守るために必要なアイテムと費用相場合計 11,900円~
ゴム手袋 600円~
作業用ゴーグル 300円~
長靴 2,000円~
防塵マスク 2,000円~(10枚入り)
作業用全身ウエア 7,000円~
近年は手頃な価格のアイテムが多く展開されているため、提示した費用相場よりも安価で手に入れられるアイテムもあります。
たとえば作業ウェアはカッパでも可能ですが、すぐに破れてしまうようなものでは身を守れるアイテムとは言えません。
床下浸水の対処を行うなら丈夫な作業用のものを選ぶなど、作業に適したアイテムを準備するようにすることが大切です。
3-2.排水に必要なアイテムと費用相場
排水で役立つアイテムと費用相場はバケツ300円~、スコップ1,000円~、家庭用排水ポンプ10,000円~です。
排水に必要なアイテムと費用相場合計 11,300円~
バケツ 300円~
スコップ 1,000円~
家庭用排水ポンプ 10,000円~
ただし、排水でそろえるべきアイテムはベタ基礎部分の浸水状況で異なります。もしもスポンジや雑巾などで吸い上げられる量であれば、排水ポンプを用意する必要がないので提示している額よりも安価な費用でまかなえるでしょう。
しかし、水量が多い場合には排水用ポンプを利用して外へ排水することが望ましいです。また、水害が起こった地域では電気の供給がストップしてしまっている場合もあるかもしれません。
コンセントに差して利用する家庭用排水ポンプよりも高価なバッテリータイプの排水ポンプを準備するなど、状況に応じて用意するべき排水ポンプは異なるので注意しましょう。
スコップは泥があるときに準備したいアイテムです。床下浸水の状況を見て必要なアイテムをそろえることが求められます。
3-3.乾燥に必要なアイテムと費用相場
乾燥には扇風機4,000円~を利用します。他にも送風機やサーキュレーターと呼ばれるもので風を送るのも有効です。
広い範囲で床下浸水してしまっている場合は、複数台用意して風をあてると効率的でしょう。
乾燥に必要なアイテムと費用相場 合計 4,000円~
扇風機 4,000円~
送風機(サーキュレーター) 2,000円~
床下浸水した時間や広さ、排水した後の天候によって乾き具合は変わりますが、1週間ほどは乾燥のために扇風機を回したままにすることがおすすめです。ただし、扇風機を回し続けた分、電気代が発生することもお忘れなく。
3-4.消毒に必要なアイテムと費用相場
床下の消毒には消石灰を用いて行います。1平方メートルあたり1kgを散布するので、消毒したい広さ分の消石灰を用意しましょう。 消石灰はホームセンターなどで20kg/1,000円~と比較的安価で売られているため入手しやすい消毒剤です。
消毒に必要なアイテムと費用相場 合計 2,000円~
消石灰 2,000円/20kg
また、水害によって多くの世帯が床下浸水の被害に遭った場合は自治体やボランティア団体から配付されることもあるため、購入せずに済む場合もあります。
役場に問い合わせを行うなど、積極的な情報収集で費用を抑えられる可能性があります。
3-5.費用を抑えるために確認するべきこと
床下浸水を対処するにあたって、なるべく費用は抑えたいですよね。費用を抑えるために確認するべきことは以下の2点です。
- 保険金は適用できるか
- 公的支援金や消毒薬の配付はあるか
それぞれ解説します。
3-5-1. 保険の適用について
配管の劣化に伴う漏水で取り付けの失敗など、人的ミスの場合は、保険が出る可能性が高くなります。 また、水害でも一部のケースは、保険が適用される可能性があります。たとえば、多くの保険では、次のいずれかの条件を満たした場合に適用されます。
- 床上浸水の場合
- 地盤面より45cmを超える浸水の場合
- 災害による住家の損害割合が30%以上の場合
火災保険の適用範囲は、契約や住まいごとに異なります。
保険が適用されるかどうかは、まずは契約している保険証券を確認し、保険会社に問い合わせをしましょう。 各保険で内容が異なり、リスクベネフィットでは答えられないため、保険会社に聞いてみてくださいね。
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3-5-2. 公的支援金や消毒薬の配付について
水害により住宅が被害を受けたときには支援金を給付してもらえる公的な支援制度を利用できる場合もあります。
支援制度には『被災者生活再建支援制度』と『災害救助法』の2つがあり、地震や豪雨、洪水、暴風など自然災害の影響で住宅が被災したときに支援金を給付してもらえる制度です。
適用される住宅であっても支給申請しなければ受け取ることはできません。
市役所で、適用されるかどうかを積極的に確認し、申請手続きを行いましょう。
保険金や公的支援を受けるには罹災証明書が必要
保険金の請求や公的支援を利用するには「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」が必要になります。
罹災証明書は、水害などの災害により、被害を受けたことを証明する公的な書類です。
被災後3か月以内に申請することで、管轄の市役所などで発行してもらうことが出来ます。 手続きには、罹災状況の分かる写真(できれば日付が分かるものがベスト)などが必要になる可能性があるので、出来るだけ詳しい状況を撮影しておくことをおすすめします。
4.床下浸水の対処を行う前に知っておきたい3つの危険性
床下部分の水を抜いたり、消毒したりなどの作業には危険が伴うため、専門家に依頼することをおすすめします。
しかし、どうしても自力で行う場合は、必ず身を守る準備を整えてから作業に当たってください。 次のような危険性があるからです。
- 感染症にかかる危険性がある
- 破傷風になる危険性がある
- 消毒に使う消石灰が目に入ると失明する恐れがある
それぞれ解説していきましょう。
4-1.感染症にかかる危険性がある
泥に含まれている雑菌には『レジオネラ菌』という有害な菌も存在します。このレジオネラ菌は水分中に存在しているだけではなく、乾燥したあとも砂塵の中に存在している雑菌です。
作業で巻きあがった砂塵を吸い込んだ場合、一緒にレジオネラ菌も体内に入り込み、感染してしまうという危険があります。
感染してしまうと以下のような症状を引き起こし、場合によっては死に至ると言われるため、感染しないための十分な対策を行いましょう。
感染症による症状
- 激しい咳
- 肺炎
- 頭痛
- 高熱
床下浸水の対処を行うときは防塵用のマスクを装着するなどして体内へレジオネラ菌を取り入れないようにする工夫が求められます。
また、万全な対策を行っていても作業が終わったら手洗いとうがいは必ず行いましょう。もしも感染を疑うような症状が出た場合には、すぐに医療機関で診察してもらうようにしてください。
4-2.破傷風になる危険性がある
破傷風とは、土などに存在する『破傷風菌』が体内に侵入することによって発症する感染症のことを指します。もしも感染した場合は以下のような症状が表れ、最悪死に至る可能性もある恐ろしい感染症です。
破傷風による症状
- けいれん
- 呼吸困難
- 肺炎
怪我の大小に関わらず感染するため、作業にあたるときは必ずゴム手袋や長靴、ゴーグル、防塵マスクを装着し、土や泥が直接肌に当たらないようにする工夫が必要です。
作業を行った後はうがいと手洗いを必ず行い、破傷風菌から身を守りましょう。
4-3.消毒に使う消石灰が目に入ると失明する恐れがある
床下浸水の対処は水を排出して乾燥させるだけではなく、消毒することでカビや害虫の発生をくい止めることができます。
一般的に使われている消毒剤は『消石灰』といい、石灰石を粉砕したものです。
消石灰は“一般的に使われている”とはいえ、消石灰が目に入ると失明する恐れもあるほど強いアルカリ性で、強い刺激があります。
散布する際には必ずゴム手袋とマスク、ゴーグルなどを装着して作業にあたるようにしてください。
また、消石灰を散布した後もうがいと手洗いをするようにしましょう。 もしも目に入ってしまった場合には大量の水で洗い流し、医療機関で診察を受けるようにしてください。
5.浸水したベタ基礎を自力で対処するのはほぼ不可能!初めから業者に依頼しよう
床下浸水になったら、はじめから業者に依頼することをおすすめします。 床下浸水は、排水から汚水対策までの一連の流れを早急に行う必要があるためです。
これまでお伝えしてきたように、床下浸水を放置していると、住宅の基礎が劣化し、悪臭や害虫被害が発生します。
漏水の場合は一見綺麗な水のように感じます。しかし、漏水は発覚するまでに時間がかかるため、すでに菌が繁殖し、床下の木やコンクリートはダメージを受けているかもしれません。
そのような中、自力で排水作業を行うと、床下浸水の対処をきっかけに怪我をしてしまったり、感染症になってしまったりなどの危険も伴います。
また、消毒をするまでに完全に乾燥させる必要がありますが、自力で行うと時間がかかる上、完全に乾燥させることは難しいのです。 この章では、業者に依頼したときのサービス内容や費用をご紹介します。
5-1.業者による床下浸水の原状回復方法
業者に依頼すると専門的な知識や技術、道具を使って対処してくれるので、迅速でありながらも徹底した対処が期待できます。床下の洗浄から消毒までかかる時間は3日から4日ほど。
自力で行うよりも少ない労力で元の生活に戻れるタイミングが早まることも業者に依頼するメリットであると言えるでしょう。
自力で行う場合と大まかな流れは同じですが、以下のような内容で床下を原状回復していくことが一般的です。
5-1-1.排水
排水ポンプを利用し、ベタ基礎にたまっている水を迅速に排出します。
5-1-2.汚泥の除去作業
床下にたまった泥を除去します。
5-1-3.床下の断熱材や補修
床下浸水によって床下断熱材がはがれてないか、補修するべき箇所があるかを確認し、軽度であれば補修を行います。
5-1-4.カビの除去作業
業者だからこその知識と道具を活用し、カビを除去します。
5-1-5.消毒剤の散布
入ることが難しい部分にも消毒を散布し、徹底的に雑菌を除去します。
5-2. 業者による床下浸水の対処にかかる期間
業者は、床下浸水を3日〜4日程度で、完全に対処することができます。
その短期間で、排水から清掃、乾燥、消毒、汚水対策まで行ってくれます。そのため、速やかに安心して元の生活に戻ることができるでしょう。
反対に、自力ですべての排水作業を行うと120平米の場合で14日〜18日ほどかかります。
しかも、完全に乾燥させようとすると、数ヶ月もかかる場合があるため、元の生活に戻るには、かなりの日数が必要となってしまいます。 作業中の怪我や、雑菌が繁殖し、感染症リスクも生じるため、床下浸水は業者に依頼しましょう。
5-3.床下浸水の対処を業者に依頼したときの価格相場
業者は自力で対処するよりも高い精度で清掃・消毒することが可能です。ただ、業者に依頼したくても気になる部分は『かかる費用』ではないでしょうか。
業者へすべての工程を依頼するというのも手ではありますが、「床下清掃だけ」「消毒だけ」などの作業別で依頼することも可能です。
一般的な業者の価格相場は以下のとおりです。
さらに、選ぶ業者や付帯するオプションによって費用は異なることは留意して業者選び・プラン選びをしていきましょう。
なお、賃貸物件の場合は、不動産所有者(大家さん)が費用を負担することが一般的です。
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水害復旧!床下浸水の洗浄・消毒の料金
6.リスクベネフィットなら床下浸水の問題を解決できます!
床下浸水した場合の対処法は分かったけど
「床下に入るには抵抗がある」「床を解体せずに洗浄や消毒を行いたい」「安心して住み続ける家に原状回復できる自信がない」
と思っている方もいるでしょう。
床下浸水の対処はわずか3ステップとシンプルな手順ではありますが、実際には体力的・精神的苦痛は相当なものです。安心して長く住み続けられる家を取り戻したい方は、ぜひ『リスクベネフィット』までお気軽にご相談ください。
リスクベネフィットは日本全国で発生する水害復旧作業のお手伝いをしてきたので、あらゆる状況、ご要望にも応えられる経験値と知識があります。
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リスクベネフィットは床下浸水の対処を行うだけではなく、床下断熱材や基礎に異常がないかの確認もします。もしも床下断熱材がはがれていたり、補修できるような軽度な傷みがあった場合は対応可能です。
ベタ基礎の状況も合わせて確認し、対処いたします。
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床下浸水の被害に遭ったことをきっかけにカビが繁殖してしまい、住宅が劣化してしまうという家屋も少なくありません。
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床下浸水の対処に困っているなら、お気軽にリスクベネフィットまでご相談ください。
7.まとめ
もともと日本は台風が多く発生し、水害が多い地域です。さらに近年では経験したことのないような天候が発生することも多くなっており、どの地域も水害被害に合う可能性はないと言い切れない状況になっています。
耐震性の高さや、湿気・害虫の発生を予防できるメリットを持つベタ基礎は、今や多くの住宅で採用される基礎になりましたが、ベタ基礎が床下浸水した場合、自然とベタ基礎から水が抜けることはないので、多くのリスクが発生します。
床下浸水の放置で起こりうるリスク
- 悪臭の発生
- 水分や湿気による住宅の劣化
- カビの発生
- シロアリや害虫の発生
床下浸水してしまった場合には決して放置はせず、迅速に対処しましょう。
ただし、対処には万全な体勢づくりと労力が必要になります。感染症が懸念されたり、慣れない作業で怪我をしてしまったりと二次被害が起きる恐れもあるため、自身で対処する場合には十分に注意して行うようにしてください。不安な場合は業者に相談してプロに任せることもおすすめです。
長く住み続けられる健康的な住宅を取り戻すためにも、水分をしっかり取り除いて快適な暮らしを実現させましょう。