「ちゃんと資格のある特殊清掃業者を探している」
「どんな資格のある特殊清掃業者を選べばいいのか知りたい」
安心して仕事を頼むことのできる、品質の高い特殊清掃業者をお探しですね。
実は、特殊清掃そのものには、2021年7月現在で必要な資格や許認可制度などはありません。
「特殊清掃を行います」と言うこと自体は、専門業者でなくてもだれにでも許されていることなのです。
そのため、中には品質の悪い業者に当たってしまい、想定外に高い金額を請求されたり、清掃のやり直しが必要になったりするケースがあります。
もしもあなたが、こうしたトラブルを避けるため、特殊清掃に作業品質の確実さや誠実さを望むのであれば、以下の業者を選ぶべきです。
建設リサイクル法に基づいた、建築業許認可の解体工事業登録をしている特殊清掃業者
実はこの解体工事業登録こそ、特殊清掃の品質に直接結びつくものなのです。
この記事では、解体工事業登録をはじめとした特殊清掃業者の資格や許認可について、わかりやすく説明します。
そして、悪質な業者によるずさんな清掃によるトラブルを避けるため、安心して任せることのできる業者の選び方をご紹介します。
この記事を読むことで、特殊清掃を安心して任せることのできる業者を選ぶことができるようになります。
Contents
1.特殊清掃を頼むなら「解体工事業登録」業者を選ぶべき
冒頭でも述べましたが、「解体工事業登録」をしているかどうかは、特殊清掃の品質に直接関わるものです。
しかし残念なことに、特殊清掃を行なっている業者の中でこの登録をしている業者は、まだほんのわずかしかいません。
特殊清掃の品質に大きく関与するにもかかわらず、あまり多くの業者が行なっていない「解体工事登録」について、詳しく解説していきましょう。
1-1.「解体工事業登録」とは
「解体工事業登録」とは、国土交通省管轄の国家資格で、 建設業許可を保有しない場合でも解体工事をすることができる登録制度です。
通常、解体工事は「土木工事業」「建築工事業」「解体工事業」のいずれの建設業許可を持った者でしか行うことのできないものですが、施工を行う各都道県においてこの登録を行うことで、建設業でなくても500万円(税込)未満までの施工であれば解体工事をすることができるものです。
なお、これは施工を行う各都道県ごとの資格のため、1つの資格で他の都道府県で施工する事はできないうえ、取得には以下の条件があります。
国土交通省の定める基準に適合する技術管理者を選任していること
この技術管理者になるためには、大学や高等専門学校などの専門教育機関で知識を身につけた上での2年以上の実務経験が求められたり、2級以上の建築士などの資格が必要になります。
「教育機関での学識を持たず現場での実務経験があるのみ」という場合は、最低でも7年以上の解体工事経験がないと、資格取得のための講習を受けることすらできません。
国家資格であるうえ、一定の実務経験がないと取得することができないため、非常に取得難易度の高い資格であると言えます。
このほか、営業所や施工する工事現場ごとに、必要な標識の設置や帳簿の記載・保存が必要であり、施工の技術だけでなく透明性といった業者としての健全さも同時に求められるものです。
1-2.特殊清掃の業者が「解体工事業登録」をすると悪臭を元から除去できる
取得難易度の高い技術管理者を置き、晴れて「解体工事業登録」をすると、目には見えない部分にある悪臭を元から除去することができるようになります。
孤独死現場やゴミ屋敷などでの特殊清掃の一般的な流れの中で、解体工事がどこで必要になるか見てみましょう。
1.除菌 | 入室前に除菌を行い、作業者が安全に作業できるようにする |
---|---|
2.汚物除去 | 排泄物や腐敗液などで汚染されたものを梱包のうえ撤去する |
3.汚染物清掃 | 汚染物の染み込んだ壁紙や床板を剥がして、腐敗液を取り除く |
4.消臭 | 悪臭の元を取り除いたうえで薬剤により悪臭を引き剥がす |
5.オゾン燻蒸 | 化学反応による完全な除菌と消臭をする |
6.特殊コーティング | 家屋の構造上重要な部分に対するコーティング剤による消臭をする |
この工程の「3.汚染物清掃」で、床板や壁の石膏ボードなどの解体工事が必要になってくるのです。
特殊清掃の現場では、腐敗液などの汚染物質は目に見えない床下や壁の内部にまで浸透している場合があります。
床板の表面や壁紙を取り替えただけでは、内部に浸透してしまった汚染物質を取り除くことはできません。床板剥がしなどの解体工事をしないと、この悪臭の元を完全に取り除くことは不可能なのです。
これらの理由から、解体工事業登録をしている特殊清掃業者であれば、清掃現場から完全に臭いとその痕跡を消し去ることができるだけでなく、技術面でもスキルや経営体質の面で見ても、品質が高く丁寧で確実な仕事をする業者であると言えます。
「解体工事業登録」をしている特殊清掃業者とは
- 国土交通省の許可を得ている
- 施工の技術、経験、ノウハウが十分にある
- 経営体質が健全で透明性がある
2.特殊清掃に関係する資格や許認可一覧
冒頭でも述べた通り、特殊清掃を行うに当たっては、2021年7月現在で必要な資格や許認可制度などはありません。
しかし、特殊清掃を行う際に発生するさまざまなケースに対応するため、業者によっては以下のような資格や許認可を掲げている場合があります。
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
解体工事業登録 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
一般廃棄物収集運搬許可 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
産業廃棄物収集運搬許可 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
古物商許可 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
脱臭マイスター | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
遺品整理士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
事件現場特殊清掃士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
優良事業認定 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物清掃業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物ねずみ昆虫等防除業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
解体工事業登録については1-1.「解体工事業登録」とはの項ですでに解説したため、そのほかの資格や許認可について、その内容や取得方法などの実際のところを説明していきましょう。
2-1.一般廃棄物収集運搬許可
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
一般廃棄物収集運搬許可 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
一般廃棄物とは、一般家庭の日常生活に伴って生じた廃棄物と、事業活動に伴って生じた廃棄物で産業廃棄物以外のものを指します。
特殊清掃の現場はその多くが一般家庭であるため、清掃現場で出た不用品や廃棄物を運ぶには、本来であればこの一般廃棄物収集運搬許可が必要になると言えるでしょう。
しかしこの許可は、現在ほとんどの自治体で新規許可を出していません。不用品回収や特殊清掃の業者が遺品整理のために一般家庭から出た廃棄物を回収するという目的での申請は、まったく受け付けていない状況なのです。
また、この許可は都道府県ではなく「市町村」単位で申請し許可を得なければいけないものなので、たとえば東京都の23区で一般廃棄物収集運搬業を行なう場合には、23区それぞれでの許可が必要になるなど、特殊清掃業を専門とする者が持つには労多くしてあまり実情にそぐわないものなのです。
特殊清掃をすることによって出た廃棄物は、すでに一般廃棄物収集運搬許可を持つ提携事業者に収集運搬を任せた方が、実際的で効率的であるため、特殊清掃業者が持っていなくても問題のない許可です。
2-2.産業廃棄物収集運搬許可
資格名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
産業廃棄物収集運搬許可 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された、石炭がらや焼却炉の残灰などの「燃えがら」、鉱物性油や動植物性油などの「廃油」、鉄鋼または非鉄金属の破片や研磨くずなどの「金属くず」など20種類の廃棄物のことです。
講習会を受講して試験に合格した修了証に加え、事業計画書などを用意して手数料を支払うことで許可を受けることができます。
特殊清掃の現場で出る廃棄物は基本的に一般廃棄物なので、この資格は本来関係のないものに見えます。
しかし、「解体工事業登録」をしている特殊清掃業者では、解体施工によって出た廃棄物は産業廃棄物となるため、この許可を持っていることで、解体から運搬までを一貫して行える証になります。
とはいえ、一般廃棄物収集運搬許可の項でも述べましたが、すでに一般または産業廃棄物収集運搬許を持つ事業者に収集運搬を任せることは容易にできるため、なくても特に問題はないものと言えます。
2-3.古物商許可
資格名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
古物商許可 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
古物商とは、古物営業法に規定される古物を売買したり交換したりすることのできる許可を受けた業者や個人を指します。
いわゆる「不用品の買い取り」をすることのできる許可で、各地の警察署の窓口に、申請書と身分証明書や住民票などを合わせて提出することで許可されます。
実際の特殊清掃の現場では、現場にある家財道具や日用品のほとんどに腐敗液や悪臭がついていたりすることが多く、あまり買取可能な物品がないため、特殊清掃においての必要度は実はさほど高くありません。
特殊清掃の現場から離れた駐車場に、故人の車やバイクなどが置いてあった場合などは、特殊清掃業者のグループ会社や提携企業があれば買取を行うことはできるため、特殊清掃業者自らが持っていなくてもなんら問題のない資格です。
2-4.脱臭マイスター
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
脱臭マイスター | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
脱臭マイスターは、日本除菌脱臭サービス協会という民間団体の発行する資格で、脱臭技術をはじめ、臭い物質の知識や臭気評価方法、除菌の基礎について総合的な知識を持っているという証明です。
民間資格ではありますが、臭いを完全に除去することは汚れを完全に取ることと密接に結びつくため、高い清掃品質と責任感を持つ業者を判別するための、ひとつの目安になるでしょう。
また、孤独死の特殊清掃の現場では、悪臭が染み付いていたり汚物がついていたりするためにおよそ8割ほどの遺品を廃棄することになりますが、どうしても残したい遺品がある場合は、この脱臭マイスターの資格のある業者であれば、遺品の消臭・除菌が頼める場合があります。
対応や料金は業者によっても異なるため、詳しくは業者に相談してください。
2-4.遺品整理士
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
遺品整理士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
遺品整理士は、遺品整理士認定協会という民間団体の発行する資格で、遺品整理を事業として代行するにあたり、遺品の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を身に付けているという証明です。
教材を元に自習してレポートを作成し、合格基準に達していれば認定証書が発行されます。実務経験などは問われないため、一度も現場に出たことがない人でも認定証をもらうことができます。
孤独死の特殊清掃現場では、悪臭や腐敗液による汚染により残せる遺品が少ないため、貴重品や相続に関する書類などを「汚物の中から見つけ出す」ことが重要になります。
このため、どこにどんなものがありそうかの当たりをつける、経験則が何より求められるのです。
この資格そのものがここ10年ほどでできたものであり、それ以前から遺品整理を含めた特殊清掃の経験を重ねている業者が多くいるため、この資格の有無と業者の遺品整理における知識や経験の有無は、あまり関係性がないのが実情です。
「ないよりはあった方がいい」資格ですが、この資格の有無よりもその業者の実績や対応の丁寧さを見た方が安心できると言えます。
2-5.事件現場特殊清掃士
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
事件現場特殊清掃士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
事件現場特殊清掃士は、事件現場特殊清掃センターという民間団体の発行する資格で、主に孤独死現場の特殊清掃を行うにあたり、特殊清掃の手順や基本的な知識を持っているという証明です。
教材を元に自習して、問題集のすべての設問に回答をして送ると合格し、認定証が発行されます。実務経験などは問われないため、一度も現場に出たことがない人でも認定証をもらうことができます。
この資格もやはりここ10年ほどで新設されたものであり、それ以前から特殊清掃の現場で経験を重ねている業者が多いのが実情です。そのため、この資格の有無と業者の特殊清掃における知識や経験の有無は、まったく関係性がないと言えます。
この資格も「ないよりはあった方がいい」ものではありますが、資格の有無よりもその業者の実績や対応の丁寧さの方がはるかに大切です。
2-6.優良事業認定
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
優良事業認定 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
優良事業認定とは、遺品整理士や事件現場特殊清掃士の資格を持つ者のいる業者のうち、協会の主旨に賛同して一定の年会費を収めている業者に与えられるものです。
協会が、法令を遵守した適正な事業を行なっている業者であるかどうかを監督しているため、万が一何かトラブルがあった場合には協会に訴えることができる点が、利用者にとって安心です。
ただし、前述したように基本的には「年会費を収めている」ことによって行われる認定のため、特殊清掃の作業品質を保証するものではありません。
2-7.建築物清掃業登録および建築物ねずみ昆虫等防除業登録
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
建築物清掃業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物ねずみ昆虫等防除業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物清掃業登録とは、清掃に必要な機材を持ち、清掃作業監督者を配置したうえで、清掃業務についての研修を行なったり講習を受けるなどにより、清掃に必要な知識を身につけているという証明です。
必要書類を添えて申請書を提出することで、各都道府県知事の登録を受けられます。登録を受けた営業所には登録証明書(6年間有効)が交付され、登録業者である旨の表示ができます。
登録業者以外が「登録を受けている」と偽装することは罰せられますが、登録業者以外が清掃業務自体を行うことについては、何ら制限を加えるものではありません。
そのため、特殊清掃業者が持っていても持っていなくても、何も問題のない登録と言えます。
3.特殊清掃業者の資格はここで見ることができる
特殊清掃業者の多くは、作業実績や保有している資格や許認可について、自社サイトに記載しています。
特殊清掃業者のサイトを見る際は、以下のページに注目してください。
- トップページ
- 会社概要ページ
どんな点を注意して見ておくべきか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.トップページ
トップページでは、持っている資格や実績数などについて、多くの特殊清掃業者がアイコン表示などを使ってアピールしています。
ここで気をつけたいのは、2.特殊清掃に関係する資格や許認可一覧でお伝えしたような、実際に特殊清掃を行うにあたって実はまったく不要であったり、なくてもいい資格や許可をいくつも掲げている業者です。
実務経験がなくてもお金を払えばもらえるような資格や許認可を、派手ハデしい装飾でアピールしているところは、あまり誠実だとは言えません。前述の一覧と照らし合わせて、しっかりその内容を読み取るようにしてください。
また、実績数についても、特殊清掃の専門業者でない場合、遺品整理や不用品の回収といった、もろもろの作業の総数である場合もあるため、そもそも何の業者なのかを見極めた上で、その数字を冷静に受け止めてください。
3-2.会社概要ページ
トップページで資格や許認可についてアピールしていない場合は、会社概要ページを見ることで知ることができます。
会社概要ページに記載されている資格や許認可は、認定番号や許可を出している自治体名などと合わせて、客観的な事実として表記されています。
その業者の実態を知るにあたり、もっとも実際的で具体的な情報が開示されているため、特にトップページで資格や許認可について書かれていない業者は、会社概要ページを確認しましょう。
なお、会社概要ページをそもそも設けていない業者は、信頼性に欠ける場合があるため、そもそも避けておくことをおすすめします。
4.解体工事業登録をしている特殊清掃業者に清掃を頼むメリット
解体工事業登録をしている特殊清掃業者に清掃を頼むと、以下のようなメリットがあります。
- 完全に臭いを消し去ることができる
- 病原菌を完全になくすことができる
- 「清掃やり直し」の手間や費用がかからない
それぞれ詳しく説明していきましょう。
4-1.メリット①:完全に臭いを消し去ることができる
解体工事業登録をしている特殊清掃業者であれば、床板や壁に染み込んだ腐敗液だけでなく、床下まで透過してしまった腐敗液なども取り除くことができます。
表面をどれだけきれいに清掃しても、悪臭の元となるものがあれば、臭いが消えることはありません。
腐敗液などが完全になくなることではじめて、臭いを完全に消し去ることができるのです。
床板をいくら表面上きれいに清掃したとしても、もしも腐敗液などの汚物が床板を完全に透過して床下まで到達していた場合、床板を解体することでしか汚物を取り除くことはできません。
なお、トイレや洗面所などの狭い箇所での孤独死では、腐敗液が広がらず床下や周囲の壁の内部まで到達してしまうケースが多いです。
4-2.メリット②:病原菌を完全になくすことができる
汚物を完全になくすことで、臭いだけでなく病原菌までも完全になくすことができます。
汚物が残ったままだと、そこに雑菌や病原菌が繁殖してしまいます。場合によっては、害虫や害獣なども引き寄せることになってしまうのです。
汚物をなくすということは、雑菌の発生を防ぎ、病原菌を持つ害虫や害獣を寄せ付けてしまう危険をなくすということに繋がります。
4-3.メリット③:「清掃やり直し」の手間や費用がかからない
最初から解体工事業登録をしている業者に特殊清掃を依頼することで、手間と費用を抑えることができます。
解体工事業登録をしていない業者が特殊清掃が表面だけの清掃をすると、悪臭の元が残って賃貸物件のオーナーや近隣住民から特殊清掃そのもののやり直しを求められる場合があります。
清掃やり直しになった場合、同じ業者にやり直しをさせたとしても、その業者が解体工事業登録をしていないのであれば、いくらやり直しても結局表面だけの清掃しかできません。悪臭の元を取ることはできないのです。
そのため解体工事業登録をしている別の業者に頼み直すことになるのですが、もちろんその分の特殊清掃費がかかることになります。
「解体工事業登録」業者にデメリットはないのか?
解体工事業登録をしている特殊清掃業者は、ほかの業者より高かったり、解体後の修繕費用が余計にかかったりしないのでしょうか?
実際のところ、解体工事登録をしている業者に特殊清掃と頼む場合と、登録をしていない業者に頼む場合のそれぞれのデメリットは、以下のようになります。
●解体工事登録業者に依頼するデメリット
- 床板剥がしなどをしたら、原状回復のための修繕費がかかる
●登録していない業者に依頼するデメリット
- 解体工事ができないため見えないところに汚物が残る
- 特殊清掃のやり直しが必要になることがある
- 結局解体工事をして汚物を完全に取り除くことになるので二度手間になる
両方のデメリットを比較して見ると、最初から解体工事登録業者を選んだ方が良いと言えるでしょう。
なお、「解体工事業登録をしていること」を理由に高い料金を提示する業者は、仕事に対する誠意がない業者であると言えます。
特殊清掃を行うにあたり、目に見えないところの汚物もきちんと除去して原状回復させることは、あまりにも当然のことと言えます。
解体工事業登録だけでなく、何かしらの資格があることを理由に高い料金を提示してくる業者は、避けておいた方が無難です。
5.特殊清掃を安心して任せられる業者の選び方
特殊清掃を依頼するなら、なにより解体工事業者の登録をしている業者から選ぶべきだとお伝えしてきましたが、その上でさらに安心して相談することのできる業者の見分け方はあるのでしょうか。
具体的には、以下の5つの点に注意して、業者選びをすることをおすすめします。
- 特殊清掃の専門家であること
- 豊富な実績があること
- 完全消臭のエビデンスが出せること
- 作業開始後の追加請求がないこと
- 担当者の対応が信頼できること
それぞれ詳しくその必要性を判断ポイントを見ていきましょう。
5-1.特殊清掃の専門家であること
孤独死やゴミ屋敷の現場の清掃は、「特殊清掃もできる」とうたっている廃品回収業者や遺品整理業者ではなく、特殊清掃の専門業者に依頼することを何より強くおすすめします。
特殊清掃は防護服を着た専門の作業員が、専用の薬剤や機器を使い、近隣への配慮をしながら入念な確認作業を繰り返して行う必要のあるものです。
単に現場にあるものを次々に捨てていくだけの廃品回収では、周辺に悪臭や害虫・害獣を拡散させてしまいますし、大切な貴重品を一緒に処分してしまう可能性もあります。
また、遺品整理を専門としている業者では、腐敗した孤独死現場の対応・装備に慣れていないため、作業員本人や周辺に感染症の危険を負わせてしまうでしょう。
そもそもこれらの業者では、この記事で何度もお伝えしている「解体工事業登録」は持っていないことが多いでしょう。
特殊清掃をする場合は、とにかくまず特殊清掃の専門業者に相談するようにしてください。
5-2.豊富な実績があること
腐敗臭や腐敗液を少しも残さずに清掃することのできる、十分な実績のある特殊清掃業者を選びましょう。
実は特殊清掃の仕事というものは、賃貸住宅の管理者が作業依頼するケースが多いものです。
いくつもの賃貸物件を抱えていると、居住者の孤独死という事態に遭うことも、少なからず起こります。
そのため、管理者同士のネットワークによる紹介や、図らずもリピーターとして清掃依頼をすることになる場合が多いのです。
特殊清掃を抜け漏れなくしっかりと行うことのできる業者には、次々に仕事が集まってくるため、実績が十分にあるということは、そのまま仕事が丁寧で安心して任せられるということに繋がります。
廃品回収業者や遺品整理業者が二次対応として行っている特殊清掃では、なかなか実績が伴わないでしょう。
遺品整理のために入室する際にも、実績が十分にある経験豊富な特殊清掃業者であれば、その場でいろいろな相談にも乗ることができます。
特殊清掃業者を選ぶ際は、実績が十分にあるかどうかを参考にしてください。
5-3.完全消臭のエビデンス(証拠)が出せること
完全消臭できたかどうかを、機械による科学的な分析で数値として示すことができる業者であれば、清掃作業に抜かりがなく安心です。
特殊清掃は、さまざまな理由で汚染された場所を、汚染が起こらなかった状態にまで戻すのがゴールです。
当然そこには、目に見えない「臭い」までも、汚染が起こる前の状態まで完全に消し去ることが求められます。
特殊清掃業者の中には、完全消臭を数値で出すことのできる業者がいます。
万が一清掃に抜かりがあれば、作業後に数値で清掃残りが明るみになるため、完全消臭のエビデンスが出せる業者は、仕事に自信と誠意のある業者であると言えます。
特に、特殊清掃する場所が賃貸物件だった場合、臭いまで完全に消えたかどうか、原状回復できたかどうかの判断は、物件の大家さんに最終的な判断をしてもらうことになります。その際に客観的な数値で証拠を示すことができれば、清掃のやり直しなどを求められることもなく安心です。
5-4.作業開始後の追加請求がないこと
現場を見て見積もりを出しているのに、作業を始めてから追加請求をするような業者はプロとは言えません。
実績が豊富にあれば、現場を見ることで必要なすべての作業が思い浮かぶものです。
現場の確認の仕方が甘かった、想定外の作業が発生してしまったというのは業者の側の落ち度なので、その作業費用を追加で払う必要はありません。
また、見積もりが一番安かったからという理由だけで業者を選び、作業を始めてからの追加請求のトラブルが起こるケースも、残念ながら非常によくあるのです。
実績があってプロ意識の高い特殊清掃業者であれば、追加請求がないことを事前にしっかりと伝えています。
5-5.担当者の対応が信頼できること
見積もりや相談などの実際のやりとりを通じて、あなた自身が安心して任せようと思える業者を選びましょう。
聞きたいことを聞いた時に、経験の豊富な業者であれば、きちんと答えることができます。
一方、言葉遣いや対応に横柄さやぞんざいな印象を受ける業者は、きっと現場での作業も丁寧ではないでしょう。
賃貸住宅の管理者からの紹介で決めるケースも多いですが、その場合でも、事前にきちんと担当者と話をして、あなた自身が納得できる業者かどうか、判断することをおすすめします。
6.特殊清掃業界を牽引するリスクベネフィットなら安心です
安心して任せられる特殊清掃業者をお探しであれば、特殊清掃の専門家集団である株式会社リスクベネフィットにまずはご相談ください。
株式会社リスクベネフィットは、全国の特殊清掃業者をつなぐ業界最大手の専門家集団です。
特殊清掃における以下のような強みを持っています。
リスクベネフィットの強み
- 過去8,000件以上の豊富な実績
- 自社特許技術で完全消臭を実現
- 清掃中も清掃後も臭いの視覚化を実現
- WHOの認定を受けた、新型コロナウィルスにも対応した唯一の除菌工法
清掃時には、特殊光を用いて臭いの発生源である体液残りを確認しながらの清掃を繰り返すほか、清掃後にも専用の機械を使って臭いを数値化して提示することができます。
「近隣の方にできるだけ迷惑をかけたくない」「もしも残せるなら残して欲しい遺品がある」というご遺族の想いに、高い清掃品質と細かい配慮で応えられるのは、リスクベネフィットならではです。
もちろん、取得難易度の高い「解体工事業登録」を有し、特殊清掃の本来目的である原状回復を確実に成し遂げるプロ意識を持っています。
確実で高品質な特殊清掃は、ぜひリスクベネフィットにお任せください。
7.まとめ
今回は、特殊清掃に必要な資格や許認可について解説しました。
特殊清掃を事業として行う場合に、必ず持っていなければいけない法的な資格や許認可はありません。
しかし、特殊清掃現場の完全な原状回復を求めるのであれば、「解体工事業登録」をしている業者を選ぶべきだとお伝えしました。
また、特殊清掃業に関係する資格や許認可について、特殊清掃を行うにあたっての本当の必要度と取得難易度をまとめた以下の一覧は、実際の業者選びの際にはいま一度ご確認ください。
特殊清掃に関係する資格や許認可一覧
資格・許認可名 | 必要度 | 取得難易度 |
---|---|---|
解体工事業登録 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
一般廃棄物収集運搬許可 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
産業廃棄物収集運搬許可 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
古物商許可 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
脱臭マイスター | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
遺品整理士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
事件現場特殊清掃士 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
優良事業認定 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物清掃業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
建築物ねずみ昆虫等防除業登録 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
解体工事業登録をしている業者に特殊清掃を任せるメリットは、以下の3つです。
解体工事業登録をしている特殊清掃業者に頼むメリット
- 完全に臭いを消し去ることができる
- 病原菌を完全になくすことができる
- 「清掃やり直し」の手間や費用がかからない
デメリットについても、解体工事業登録をしていない業者のデメリットと合わせてもう一度ご確認ください。
解体工事登録業者に依頼するデメリット
- 床板剥がしなどをしたら、原状回復のための修繕費がかかる
登録していない業者に依頼するデメリット
- 解体工事ができないため見えないところに汚物が残る
- 特殊清掃のやり直しが必要になることがある
- 結局解体工事をして汚物を完全に取り除くことになるので二度手間になる
「解体工事業登録」をしている業者のうち、特に安心して任せることができる業者選びのポイントは、以下を参考にしてください。
特殊清掃を安心して任せられる業者の選び方
- 特殊清掃の専門家であること
- 豊富な実績があること
- 完全消臭のエビデンスが出せること
- 作業開始後の追加請求がないこと
- 担当者の対応が信頼できること
この記事が、特殊清掃という非常事態に遭遇してしまったあなたを、悪質な業者によるトラブルから守れるものになりますように。