あなたはカビ汚れの原状回復についてお悩みではないですか?
たわしで擦ってみても、長年放置したカビはなかなか綺麗になりません。このまま引っ越し、引き渡しとなった場合の原状回復は自分の責任になるのか?不安になりますよね?
でも安心してください。
カビ汚れによる原状回復は、あなただけが責任を背負う必要はありません。
なぜなら、借主(あなた)が負担するケースと貸主が負担するケースが明確に分かれているからです。
そもそもカビ菌はどんな環境でも空気中に浮遊していると言われています。
それが以下の条件が揃った時、増殖をして目に見えてカビが生えたという状況となるのです。
日本で生活している以上、上記の条件を回避するにはそれなりのケアが必要となります。
特に梅雨の時期にケアをする事はとても困難です。
その上で、カビ汚れの原状回復費用は貸主と借主(あなた)のどちらにあるのかは、しっかりとルールがあります。そのルールを知らないとあなたが払わなくてもいい費用を貸主から請求され、何も知らないまま払わなくても良い費用を請求されてたら心配になりますよね。
記事を読み終わった際には、カビ汚れの原状回復費用を把握することができ、不当な金額を請求される事無く大家さんと交渉する事が出来るようになります。
Contents
1.カビ汚れの原状回復は誰の責任?
貸主負担、借主負担がどのように判断されるのかを理解していないと、貸主の言われるまま請求をされてしまう事になります。また、不審な点があった場合に話し合いをする事も出来ません。
退去時の原状回復費用の責務については、国土交通省が発行する「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に以下のように明記されています。
原状回復費用の責任については、このガイドラインが一般基準となっており、判例にも使われています。そのため、原状回復についての判断はガイドラインをしっかりチェックしておけば、大丈夫です。
ここでは、どういったケースが経年劣化と判断され借主負担となるのか。どういったケースが借主の管理不足と判断され貸主負担となるのかを具体的にご紹介します。
1-1.「借主」が原状回復費用を負担すべきケース
借主が原状回復費用を負担するケースは「日頃の手入れ、清掃など管理が不十分の事が原因でカビが発生した場合」です。
どういった場合がそのように判断されるかは、下記2つの借主に課せられた義務を違反した場合です。
- 善管注意義務違反の場合
- 報告義務違反の場合
ここからは、借主に課せられた義務とその違反ケースについてそれぞれ解説していきます。
1-1-1.善管注意義務違反の場合
賃貸住宅に住む借主には、「善管注意義務」が課せられます。
善管注意義務とは、善良なる管理者として借りている物件は大切に扱ってください。という事。
つまり、借主が手入れや清掃等の管理不足が原因でカビが発生した場合は借主(あなた)の責任となるのです。
どういったケースに借主の管理不足と判断されるかは、国土交通省が発行している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では以下の考え方が明記されています。
このように借りている物件の手入れや清掃を怠った事により発生したカビは、善管注意違反と判断されます。そのため、借主が原状回復費用の責任負う事になるのです。
1-1-2.報告義務違反の場合
借主には「善管注意義務」と合わせて「報告義務」が課せられます。
報告義務とは
部屋を借りていて、トイレが壊れた。雨漏りがある。パッキンがひび割れている。などが発生した場合、善良なる管理者の注意義務として、貸主に報告をしなければなりません。
この後、貸主が負担すべきケースで詳しくお伝えしますが、トイレの破損やパッキンのひび割れによる水漏れでカビが発生した場合の原状回復費用は通常貸主が負担します。
しかし、部屋を借りている間にトイレの破損やパッキンのひび割れがある事の報告を貸主へ行わなかった場合は借主にも責任を課せられます。
この場合、100%あなたの責任ではありませんが、報告義務違反として何割かの責任で原状回復費用の支払いが発生します。
1-2.「貸主」が原状回復費用負担するケース
貸主が原状回復を負担すべきケースは、主に建物の構造上の問題や経年劣化・通常消耗が原因でカビが発生した場合です。
このような場合は、あなたがこまめに清掃をしたとしてもカビ発生の原因と考えられます。
このようなケースは、借主が日頃から手入れ、清掃を行っていた場合でもカビが発生してしまう原因となります。そのため、原状回復費用は貸主が負担する事が一般的です。
上記の原因でカビが発生したとしても、あなたが「善管注意義務」「報告義務」を怠った場合は借主にも責任があると判断されるケースもあります。
新築の戸建てに入居し、入居後すぐ窓枠・壁などにカビが発生。
日頃から換気を実施、空気清浄機やエアコンを購入したがカビが収まらなかった。
カビが発生したことは構造上の問題と考えられるが、借主はカビの被害を大家に報告を怠った為、善管注意義務違反となり原状回復費用2割を借主が負担。
1-3.特約によっては貸主負担すべき費用が借主負担になる場合がある
賃貸契約を結ぶ際、必ず取り交わされるのが賃貸契約書です。
賃貸契約書は入居した後にトラブルが発生しないように契約期間や賃料、共益費や禁止事項などについて明記されています。
しかし、賃貸契約書は契約自由の原則から、大家さんはハウスクリーニングや修繕費について様々な特約を付ける事ができます。
特約例
- カビ発生によるハウスクリーニング費用は借主が全額負担する。
- 退去時の原状回復費用は入居時の修繕費〇〇円にて相殺する。
「賃貸契約書の内容、特約について覚えていない」
「説明された覚えがない」
そんな場合でも、賃貸契約内容、特約については重要事項説明書にて必ず口頭説明を受けています。
重要事項説明書とは
宅地建物取引法によって物件の仲介をする不動産会社は、賃貸契約書に対して発行を義務付けられている書類。内容は賃貸契約書を元に作られる。
賃貸契約を結ぶ際、宅地建物取引の資格を持つ不動産会社の担当者が必ず口頭説明を実施します。
あなたが賃貸契約書にサインをした段階であなたは特約を了承しているとみなされます。
そのため、カビ発生の原因が経年劣化や通常消耗だった場合でも借主が支払わなければならないという事になります。
2.【ケース別】カビ汚れによる原状回復費用の相場
ここまで、カビ発生による原状回復費用の負担について解説してきました。
借主負担とならない為には、あなたが日頃から手入れや清掃を心がけている事が大事です。
しかし、手入れや清掃がなかなか行き届いていない。費用負担は自分の責任になるかも・・・という場合、気になるのは「いくらかかるの?」という事です。
見積りが出た時に、照らし合わせれるようカビ汚れの多い箇所と原状回復費用の相場を確認しておきましょう。
2-1.壁紙(クロス)の張り替えは6畳の部屋で約4万5千円
カビ汚れの代表は結露により壁紙(クロス)に発生するカビです。
壁紙(クロス)の張り替えはカビ発生部分だけ張り替えればいいという訳ではありません。
壁紙は部屋全体が統一されている事が一般的のため、部屋全体を張り替える必要があります。
壁紙(クロス)の張り替えは1㎡=約1,000円が相場です。
6畳の部屋の場合
壁紙(クロス)は、約45㎡となり、部屋全体を張り替えると、約4万5千円の費用となります。
カビ汚れが清掃で除去できる場合は1万円以内で可能に
壁紙に発生したカビの場合、壁紙を張り替える事無く清掃で除去出来る場合もあります。
その場合の相場は、1㎡あたり約2,500円。
カビ発生の場所が3㎡であれば約7,500円で可能となります。
壁紙を張り替えないと行けないほどのカビなのか清掃で取れる程度なのかの確認は立会の際に業者へ必ず確認しましょう。
2-2.フローリング張り替え費用は約5万円以上
フローリングにカビはが発生した場合の現状回復についても壁紙と同じで、カビ発生した場所のみ張り替えは難しく、部屋全てのフローリング張り替えが必要となります。
最近は、フローリングに似たクッションフロアやお洒落な絨毯を利用している賃貸住宅が多くあります。
それぞれの材料費相場は下記のとおりです。
実際に原状回復費用となると、張り替え工賃等が発生する為、フローリング張り替えで5万円以上となります。
2-3.浴室のカビ清掃費用は1万円以上
浴室は、家の中で最も湿気が溜まりやすい場所です。日頃の使用の仕方、定期的に清掃をしているかによって汚れの具合が大きく異なる場所でも有ります。
鏡やタイルなどのカビ清掃の場合は、専用の薬剤などの清掃で原状回復が可能です。
その場合の費用相場は約1万円。
しかし、バスタブの周りにびっしりとついてしまったカビの場合、清掃だけでは終われない場合も有ります。
バスタブの側面にびっしりついてしまったカビは、バスタブを外し配管部分まで綺麗にクリーニングする必要が出てきます。その場合は、2万円以上の清掃費用が必要となります。
3.原状回復費用を抑えるためにするべき4つのこと
ここまで、カビ発生時の原状回復費用の責任のルールについて、あなたが費用負担となった際の原状回復費用相場についてお伝えしました。
ここからは引っ越し後の物件引き渡し時までの準備について解説をします。
退去時の立会いは、大家さんや管理会社と一緒に部屋を確認し修繕費用がどの程度かかりそうか、費用負担を誰がするべきなのかを決定する場となります。
この立会時に上手く立ち回る事が出来れば、原状回復費用をぐっと抑える事が出来ます。
そのためには、原状回復費用を抑える為にするべき4つのステップの実行が必要不可欠となります。
ステップをひとつずつ実行する事で、原状回復費用を抑える事が可能です。
それぞれのステップについて詳しく説明していきます。
3-1.出来る限り自分でカビ除去を行う
原状回復費用が借主負担となった場合、原状回復費用は決して安い物では有りません。日頃の手入れ状況が行き届いて無いと思っている場合は原状回復費用の負担が考えられます。
出来るだけ費用負担を減らしたい!
そんな場合は退去前に自分でお手入れ、清掃をしてカビ除去を行いましょう。
通常の生活を送る上で発生してしまったカビだと判断されれば、あなたの原状回復費用を抑える事が出来る可能性があります。
表面上のカビは自分で清掃を行う事が出来ます。カビ除去方法のステップは以下のとおりです。
STEP1:換気をする
⇒空気中に浮遊しているカビを拡散させない為に換気をします。
STEP2:カビ除去する場所の空間全体を掃除する
⇒部屋の埃や結露はカビの栄養源となり、カビが増殖する要素となります。カビ除去前に部屋全体の清掃が必須。
STEP3:カビを死滅させる
⇒キッチンペーパーやラップを使用し薬剤を浸透させ、カビを死滅させる。
STEP4:死滅後のカビの死骸を取り除く
⇒水やアルコールなどを用いて、取り除く。
STEP5:水気を取る
⇒空気中のカビ胞子が付着しないように水気を拭き取る。
カビ除去方法を更に詳しく知りたい!カビ発生箇所に合わせた薬剤を知りたい!
そんな場合は、こちらを参考にご覧ください。
「カビとの戦いを終わらせる!正しいカビ除去と意外なNGカビ掃除を解説」
なかなか自分の清掃では綺麗にならない。そんな場合は、自分で業者へ依頼する事で費用を抑えられる可能性もあります。
国際機関が認めた唯一の除菌工法を持つ特殊清掃の専門家
もしあなたが自分自身では取り除く事が出来ないカビにお困りであれば、特殊清掃の専門家集団である当社リスクベネフィットにまずはご相談ください。
リスクベネフィットは、全国の特殊清掃業者をつなぐ業界最大手の専門家集団です。
水害現場の完全復旧や事故現場の特殊清掃に関する3つの特許技術を持ち、あらゆるシーンの特殊清掃に関する知識とノウハウを持っているため、自身で除去する事ができない酷いカビ汚れも除去する事が可能です。
- 過去8,000件以上の豊富な実績
- 自社特許技術で完全消臭を実現
- 数値分析で臭いを視覚化
- 国際機関(WHO・CDC)の認定を受けた、新型コロナウィルスにも対応した唯一の除菌工法
カビを丁寧に除去した後は、空間全体に善玉菌を送り込むことで、悪玉菌を寄せ付けないための防カビ処理も行います。
原状回復費用を支払うよりも費用を抑える事が出来る可能性があります。
3-2.カビ発生の原因を特定する
「自分で清掃をしてみたけど全然綺麗にならない!」
長年放置をしたカビはなかなか掃除で落す事は難しいです。
そんな場合は、カビ発生の原因を特定し、自分に原状回復の責任があるのか?貸主に負担責任があるのか?の判断を明確にしましょう。
カビ発生の原因を特定する事で、借主の負担を抑える事が出来ます。
原因の特定が難しく、責務がどちらになるか判断出来ない場合は、事前に貸主へ相談する事も一つの手です。事前に貸主へ相談する事で、日頃から注意して清掃を行っていると判断される可能性も有ります。
建物の構造上の原因でカビが発生していたとしても、あなたが「報告義務」を怠っていた場合は、借主にも責任負担が発生します。
3-3.貸主負担である事をアピールする
カビ発生原因を特定したら、いよいよ退去立会いです。
退去立会いでは、管理会社の担当者もしくは、大家さんと一緒に部屋内を確認する作業となります。
その時にカビ発生がある箇所の聞き取りが必ずあります。その時に、カビ発生原因の特定した事をしっかり伝える事が重要です。
その中で、経年劣化や通常消耗、構造上の理由がある場合ははっきりと伝えます。また、あなたが善管注意義務、報告義務を行っていた事もアピールしましょう。
貸主が負担すべき費用であっても、借主負担として請求をされる事も多く見受けられます。
貸主はあなたが知識を持って立会いに望んでいる事が解れば、不当な請求をする事は出来なくなります。あなたが借りていた部屋を丁寧に利用していた事をしっかり伝えましょう。
3-4.請求額に納得出来ない場合は大家さんに交渉する
退去立会が終了し、実際に退去費用の通知が来るのは退去後2週間~1ヶ月後となります。
通知が届いたらまずは内容をしっかり確認し、不明点が無いか?不当な請求がされていないか?をチェックしましょう。
【確認する内容】
- 請求書の内容と、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に書かれている内容を照らし合わせ、不当な請求ではないか?を明らかにする
- 退去した物件の契約書をよく読み、請求書と照らし合わせ自分に不利な内容が書かれていないかを確認する
届いた請求額に納得が行かない場合は、まず大家さんへ連絡を入れましょう。
賃貸マンションやアパートの場合、大家さんが不動産管理会社へ任せきりというケースがほとんどです。
その場合、大家さんへは敷金の返還やハウスクリーニング費用の内訳などを通知せず、敷金をピンハネしているというケースも見受けられます。
【電話交渉のポイント】
■不当請求である事を明確に伝える
「キッチン水回りのカビ除去費用○○円が請求されているが、水道のパッキンが古くなった事による水漏れが原因と考えられます。これは自然消耗が原因となります。自然消耗の場合、ガイドラインによると費用は貸主負担となるかと思いますがいかがでしょうか?」
貸主にとって請求した内容に対して異議申し立てをされる事は気持ちのいい事ではありません。やっかいな借主だな・・・と適当な事を言ってあしらわれる事も大いに考えられます。
知識がある上で交渉を行う事で、貸主もただの文句ではない事を理解し話し合いに応じてくれるでしょう。
4.トラブルに発展した場合は第三者に協力を依頼する
「貸主と話をしてもまともに取り合ってくれない。」「貸主がなかなか価格交渉に応じてくれない。」
あなただけでどうする事も出来ない状況では、物事は上手く進まずストレスばかりが溜まっていきます。
そんな場合、自分だけで頑張る必要はありません。
原状回復費用に関するトラブル事案は多くあり、第三者の視点からアドバイスをしてくれる機関やあなたに変わって対応してくれる業者が多数存在します。
請求費用を相談したいのに、第三者に相談する事で余計に多額の費用がかかるのでは?と思う所です。
ですが、「消費者センター」は無料で相談が可能です。まずは無料で相談する事から初めてみるといいでしょう。
第三者への相談ステップは以下のとおりです。
ここからは、相談機関への相談出来る内容や相談方法について詳しく解説していきます。
4-1.消費者センターへ電話相談
原状回復費用に関するトラブル相談はまず消費者センターへ電話しましょう。
「消費者センターってどんなところ?」
「クレームみたいで電話しづらい。」
「消費者センターに電話して解決するの?」
など、電話相談をする事に抵抗を感じている方も少なく無いでしょう。
しかし、安心してください!消費者センターは、消費者が不利な状況にならないように作られた公的機関なのです。
消費者センターとは?
消費者被害の相談や救済、くらしに役立つ情報提供を行っている行政サービス。
消費者基本法では、「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差」を認め、国や地方公共団体に消費者の権利の尊重と自律の支援を求めています。
そして、消費者センターには借主が賃貸住宅退去時に、ハウスクリーニングなどの現状回復費用として敷金が返金されない、敷金を上回る金額が請求されたという相談が下記のとおり多数あるのです。
消費者センターへの相談例
キッチン水回りのパッキンにカビが発生しており、原状回復費用として請求されています。パッキンの劣化による水漏れが原因でのカビ発生だと思い、自然消耗による劣化は貸主が負担となります。と、貸主へ話をしておりますが、取り合ってもらえません。こういった場合でも費用は借主負担となるのでしょうか?
消費者センターへの相談は、当事者同士では正確な判断ができない内容を公的な立場として適切なアドバイスをもらう事が出来ます。
また、高額な費用を請求された場合は弁護士の紹介や、業者との交渉で解決をめざすあっせんをという制度の紹介もしています。
まずは気軽に電話相談をしてみてはいかがでしょうか。
4-2.内容証明郵便を送付する
貸主が話を取り合ってくれない。請求金額に納得していない金額を敷金から天引きされて返還された。
など、交渉しているにも関わらず、一方的な金額の請求や敷金返還があった場合は、内容証明郵便を送付しましょう。
そもそも敷金は、入居者から部屋が返還されたら返金しなければなりません。
借主が家賃の支払いをしていないなど、借主がお金に関する責務を履行していない時は、その額を敷金から差し引いて返す事が出来ます。
その他、お話してきたとおり借主の責任により原状回復費用が発生した場合は敷金から差し引く事も可能です。
原状回復費用について大家さんと交渉した結果、交渉が決裂し一方的に計算された金額が返還された場合は、内容証明郵便を利用し敷金返還請求をしましょう。
「内容証明郵便って何が出来るの?」
「内容証明書を作成するのは難しそう。」
など、なじみの無い言葉で躊躇される事もあるかと思いますが、難しい事は無く下記の文例を参考にしていただければ簡単に自分で作成することが可能です。
内容証明郵便とは?
郵便を出した内容や発送日、相手が受け取った日時等を郵便局が証明してくれるサービス。
敷金返還を求めた文書を送付し、期限までに応じない場合は法的措置を取ると明文化する事が出来るため、貸主に強いプレッシャーがかかります。
内容証明郵便の送付方法
■必要文書
- 内容文書(相手先に送付される文書)1通
- 謄本(内容文書の写し)2通
■送付方法
(持ち物)
- 上記文書 3通
- 封筒 1通
- 印鑑
内容証明郵便を取り扱っている郵便局にて送付します。「内容証明郵便を送付したい」と伝えます。
配達証明が必要か聞かれた場合は、必ず付けるようにしましょう。
内容証明郵便は全ての郵便局で取り扱っている訳ではないので、事前に確認した上で郵送しましょう。
通知書の参考例文は以下のとおりです。
通知書を書く上でのポイントは、通知内容の書き方に決まりはありません。こちらが異議申し立てしたい内容を細かく明記するようにしましょう。
4-3.最終手段は少額訴訟
消費者センターからのアドバイスを実行しても、内容証明郵便を送付しても期限通りに支払いが無い。
そうなった場合、最終手段は裁判しかありません。
「裁判こそ大がかりで弁護士費用など高額になりそう」
「そんな大げさな事をする程でも・・・」
裁判と聞いて、高額・時間、手間がかかると思ってしまいますが、このまま泣き寝入りするのは待ってください。
大げさにしたくない。費用も時間もかけれないという方のために、民事訴訟の方式で「少額訴訟」という方法があります。
少額訴訟とは?
60万円以下の金銭支払いを求める場合、原則として一回の審判で解決を図る事が出来る制度。
カビ発生に対する原状回復費用の返還請求については、60万円以上となる場合はほぼありません。
その為、少額訴訟を利用する事が可能です。膨大な費用や時間がかかりそうなイメージについては、下記の表をご覧ください。
ご覧頂いたとおり、弁護士を依頼する事無く実施することが可能となる為、費用は手数料、郵送代のみで実施することが可能です。
また、裁判所で取り調べが開かれた日に判決が出るため、長い時間をかけて裁判をする心配もありません。
そして、少額訴訟については訴えた相手から逆に訴えられる事が禁じられている為、逆に訴えられる心配もありません。
しかし、注意するべきことは相手に拒否をされる事です。
少額訴訟で相手が拒否した場合は、通常の手続きで裁判を起こす事になっています。
通常の裁判をする場合、弁護士に依頼しなければ勝つのは難しいと言われています。結果として当初よりも余計なコストがかかる危険性があるのです。
このようにメリット、デメリットを理解した上で適切な手段を選ぶことが大切となります。
5.まとめ
この記事では、カビ発生による原状回復について解説しました。
最後に記事をまとめましょう。
カビ発生原因から貸主、借主どちらに原状回復費用の負担が発生するか?は以下のとおりです。
賃貸契約に特約がある場合は原因が貸主負担であっても、あなたの費用負担が必要な場合もあります。
そうならない為にも下記の事に注意しましょう。
- 契約書はしっかり確認する事。特に特約内容に不明点が無いか要チェック。
- 日頃の清掃を心がける事。
生活している中でカビが発生してしまった!という場合は、大家さんに相談をして早めに対処する事もオススメです。
早めの対処をすることで退去時の費用負担を抑える事もできるかもしれません。
また、記事を読んで頂いて借主負担になる可能性が高い!そう思われた方は、少しでも費用が抑えられるよう下記のステップを取り組んでみましょう。
大家さんに交渉した結果、交渉に応じてくれない。納得していない金額を請求された。そうなった場合は泣き寝入りせず、第三者へ相談を!
- STEP1 消費者センターへ電話相談
- STEP2 内容証明郵便を貸主へ送付
- STEP3 少額訴訟を起こす
事前に自己解決したい。借主負担が明確である場合は、自分自身で業者へ依頼し清掃する事も視野に入れる事もいいでしょう。
この記事があなたのお役にたてることを祈っています。