「実家がゴミ屋敷になってしまい、一人住まいの親に孤独死などあっては心配だ」
「ゴミ屋敷と孤独死は関係があるのだろうか」
家族や親しい人が、ゴミ屋敷で一人で暮らしているのは心配ですよね。
実際のところ、ゴミ屋敷では孤独死が起こりやすいものです。
というのも、ゴミ屋敷は、孤独死になる3つの条件に当てはまりやすいからです。
【孤独死になりやすい3つの条件】
- 条件①:一人暮らし、かつ高齢者
- 条件②:異変に気づかれにくい環境
- 条件③:ゴミ屋敷ならではの事故や病気の危険
ゴミ屋敷の住人は、近所や親戚との関係が希薄になっている場合も多く、病気やケガをしても、ゴミに阻まれて発見されにくい環境です。つまり、約10年間孤独死現場を見てきた筆者の経験から申し上げると、屋敷化は孤独死前のシグナルなのです。
「孤独死前のシグナルを見逃さなければ、救える命はたくさんあるのに……」
と、私たちリスクベネフィットも、現場ではいつも歯がゆく思っております。
孤独死は、通常の死と比べて遺族の負担や苦痛が大きいだけでなく、時に近隣に住む人や不動産の管理者などにも大きな影響を与えます。
大切な人がゴミ屋敷の中で孤独死をするという悲しい最期を迎えないよう、ゴミ屋敷と孤独死の関係性を正しく理解し、いまのうちにできる対策があれば備えておきたいものです。
そこでこの記事では、ゴミ屋敷と孤独死の関係や、ゴミ屋敷で孤独死が起こる主な原因、孤独死にいたる理由について分かりやすく解説していきます。
また、ゴミ屋敷にさせないための対策や、ゴミ屋敷で孤独死してしまった場合の対処法も、詳しくお伝えします。
大切な人をゴミ屋敷で孤独死させないため、どうぞ最後までじっくりお読みください。
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Contents
1.ゴミ屋敷では孤独死が起こりやすい
一人暮らしのゴミ屋敷では、孤独死が起こりやすい傾向があります。
というのも、孤独死になりやすい3つの条件を、ほぼ満たしているからです。
【孤独死になりやすい3つの条件】
- ゴミ屋敷に住む住民は一人暮らしかつ高齢者の人が多いから
- 異変が外から気づかれにくい環境だから
- ゴミ屋敷ならではの事故や病気の可能性があるから
どういうことなのか、それぞれ詳しく解説していきましょう。
1-1. ゴミ屋敷に住む住民は一人暮らしかつ高齢者の人が多いから
そもそもゴミ屋敷には、「1人暮らし」かつ「高齢者」が多い傾向にあります。
そのため、次の2つの問題が発生しやすくなります。
- 外部との接触がない
- そもそも病気を持っているから、死亡リスクが高い
ゴミ屋敷は景観が悪く、悪臭であることから、基本的に近所の人は関わろうとしません。
しかも、うつ病などを患わっていることが多く、人との関わりを避けがちです。
身寄りのない高齢者も多く、病気を抱えていても、積極的に治療することが困難です。
こういう背景から、孤独死になりやすいのです。
1-2. 異変が外から気付かれにくい環境だから
ゴミ屋敷の場合は、たとえ中で人が孤独死していても、周囲がその異変に気づくまで長い時間がかかります。
たとえば、次のような理由で発見が遅れます。
- ゴミに音が吸収されて外に届かない
- 近隣住民がそもそも寄り付かない
- 悪臭を封印するために窓を密封し、中の様子がわからない
ゴミ屋敷の住人の多くは、日頃から近隣とトラブルを起こしていたり、家族と疎遠になっています。
郵便物がポストにたまっていたり、長期間連絡が取れなくても、心配して訪問してくれる人が少ないのが現状です。
これらの理由から、孤独死しても発見までに長い時間がかかる場合が多く、腐敗がどんどん進んでいきます。
いわゆる死臭と呼ばれる強烈な臭いが家の外に漏れて、初めて発見されることになるのです。
1-3. ゴミ屋敷ならではの事故や病気の危険があるから
ゴミ屋敷の中は、通常の室内よりも、死につながる事故や病気になりやすい環境です。
次のような事故や病気になる可能性が非常に高くなります。
事故
転倒、ケガ 、火災
病気
食中毒 、熱中症
膝下ほどまで高く積まれたゴミは、足を取られて転倒事故が発生しやすい状態です。
また、ゴミの中のライターやスプレー缶が突然爆発して、大火事になるケースもあるのです。
不衛生な環境が原因で食中毒になったり、「熱中症」になりやすいことも、孤独死へと繋がります。
実は案外多い「熱中症」による孤独死
冷暖房器具や、エアコンのスイッチが、ゴミに埋もれて見つけることができなくなるのも問題です。
たとえば、猛暑の夏場に熱中症を起こして、そのまま意識を失ったとみられるケースが多発しています。
実際のところ、孤独死は夏場に増加する傾向があり、特に7月と8月だけで全体の2割を占めているのです。
【月別による孤独死の件数】
2.ゴミ屋敷は早急に片付けないと孤独死リスクが高まり続ける!
ここまでお読みになって、ゴミ屋敷は早急に片付けないと孤独死になりやすいことがお分かりになったのではないでしょうか。
悲惨な孤独死を防ぎ、多額の原状復帰費用が必要となる前に、ゴミ屋敷を早急に片付けることをおすすめします。
なぜなら、そのままにしていると、ゴミは増え続けて、決して減ることはないからです。
そのうち、ゴミが入口を塞いでしまうと、中で何かあっても、発見されることは極めて困難になるでしょう。
さらに、発見が遅くなるほど、ゴミ屋敷での孤独死は、悲惨な状態になります。
たとえば、次のような問題が起こります。
- 床に広がってしまった体液は、どんなに清掃しても人間の型の跡が残ってしまう
- 遺族や関係者は、そのような場所に入って、荷物や遺品の整理をしなければならない
- 特殊清掃に依頼し、原状復帰してもらうのに約200万円かかるケースもある
- 現状復帰の費用は基本的に遺族(相続人)または連帯保証人に請求される
このような問題を避けるためにも、1秒でも早くゴミを片付けることをおすすめします。
孤独死の原状回復費用について詳しく知りたい方は「孤独死の現状回復費用は誰が支払う?相場や請求範囲と解説」の記事をご覧ください。
3.ゴミ屋敷で孤独死させないための対策
これまでにも何度もお伝えしていますが、ゴミ屋敷で孤独死が起きると、発見が遅れやすく遺体の腐敗が進んでしまう可能性が非常に高くなります。
孤独死が起きると、遺族に大きな負担がかかるだけでなく、周辺の不動産価値まで下げるほどの影響を与えます。
周りの住人にも、多大な迷惑をかけてしまう可能性も高いのです。
悲惨な事態を起こさせないよう、家族の住む家がゴミ屋敷になってしまったら、早めに対策を打っておく必要があるでしょう。
あなたの大切な人が、ゴミ屋敷に住んでいる場合にとるべき対策は、以下の順番で3つです。
- まずは特殊清掃業者にゴミの回収と清掃を依頼する 重要
- 定期的に連絡を取る
- 心身状態の改善を図る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 【重要】まずは特殊清掃業者にゴミの回収と清掃を依頼する
まずは、ゴミ屋敷の清掃が何より先決です。
ゴミ屋敷の清掃は、一般的な不用品の回収業者ではなく、特殊清掃業者にゴミの回収と清掃を依頼します。
なぜなら、堆積したゴミは下の方に行くほど質量が重くなり、床や壁に張り付いて固まっているため、単に「たくさんのゴミ袋をどかす」という作業では済まないからです。
ゴミから滲み出た何らかの液体が、床板を侵食してしまっているケースもよくあるものです。
業者に清掃を頼むと費用はかかりますが、自力で行うよりもはるかに短い時間で、大量の汚いゴミと悪臭に耐える必要なく、すべてのゴミが片付きます。
さらに、ゴミをひとつどかすたびに、下から害虫が飛び出してくることも多いです。
自力でやると、精神面でも衛生面でもかなりのダメージを受けるでしょう。
ゴミ屋敷の清掃は、無理をして自力で行うよりも、できるだけ早く特殊清掃業者に任せるべきです。
3-2. 定期的に連絡を取る
ゴミ屋敷がきれいになった後も、定期的に連絡を取りましょう。
特殊清掃業者に依頼をして、一旦家が綺麗になったとしても、住んでいる人の意識や習慣は変わりにくいからです。
ゴミ屋敷にしてしまう人は、片付けが単純に出来ないケースだけではありません。孤独を感じていたり、精神的な不安から、物への執着が強くなる場合も多いのです。
そのため、ある時気がついたら、元通りのゴミ屋敷になっていることも少なくありません。
だからこそ、定期的に連絡を取ることで、ゴミ屋敷になる「前」に、気づくことができるのです。
病気やケガの早期発見も可能になり、適切な処置ができます。
連絡は、毎日する必要はありません。1週間に1度程度、電話などをすると、何らかの異変に気が付きやすいでしょう。
3-3. 心身状態の改善を図る
ゴミ屋敷の住人の、心身状態の改善を図るには、心理的な支援と社会的な支援が必要です。
支援には、以下の方法があります
心理的な支援
- カウンセリングを受けさせる
- 精神疾患の病院に通わせる
- 親族による精神的なサポートをする
社会的な支援
- 地域包括支援センターを利用する
- 福祉サービスを利用する
- ケアハウスや老人ホームなどの施設に通わせたり入所させたりする
ゴミ屋敷の住人の中には、うつ病などの精神疾患を抱えている場合があります。ゴミを片付ける気力がなくなり、物を捨てられなくなるような精神状態に陥っている可能性が高いのです。
可能であれば、一度カウンセラーや精神科医などに診てもらうことをおすすめします。
また、同時に「社会的な支援」も活用していきましょう。上記の支援は、いずれの場合も、定期的にだれかが来てくれたり、逆に本人が出向くことで安否確認にもなります。
実際には個々人で状態もさまざまなので、それぞれの専門家の意見を仰ぎながら、本人の症状と希望に合ったケアを探していきましょう。
まずは、住んでいる市区町村の福祉課などに相談することをおすすめします。
3-4. 見守りサービスを取り入れる
見守りサービスとは、離れて暮らす家族の状態を確認し、状況に応じてサポートするサービスや商品の総称です。
高齢化や核家族化が問題となっている現在では、さまざまな形で進化しており、家族にピッタリのものが見つかるはずです。
主に以下のようなものがあります。
◎電気ポット
ポットのスイッチを押すことで、安否確認ができる
◎携帯アプリ
携帯の内蔵カメラで動体感知し、安否確認ができる
◎カメラ
任意の場所を、24時間監視することができる
◎センサー
生活動線にセンサーを設置し、警備会社などが管理する
◎郵便局
月1回郵便局員が訪問し、写真付きの報告書で家族に報告する
◎水道局
水道の利用状況で、安否確認ができる
◎家電の利用
特定の家電の利用状況で、安否確認をする
これらのサービスは、インターネットで「(サービスの種類)」「見守り」というキーワードで検索すると、詳しい案内などがでてきます。
仕事や家庭の都合で同居することが難しかったり、施設の入所に空きがなかったりする場合、見守りサービスを活用することは、
万が一の異変をできるだけ早く察知するのに非常に有効です。
4.ゴミ屋敷で孤独死が起きた時の対処法
先ほど解説したように、孤独死させないための対策はいくつかあります。
しかし、孤独死の対策を取ろうとしていたのに間に合わなかったり、本人がゴミ屋敷の清掃を拒むなどの理由で、実際にゴミ屋敷で孤独死が起きてしまった場合にはどうすればいいものでしょうか。
まずは部屋に入らず、外から声掛けなどをして、次のような対応を行います。
生死が確認できない場合
救急車を呼ぶ(119番)
死亡していることが明らかな場合
警察を呼ぶ(110番)
ちょっとした物音や、かすかな声が聞こえたら119番にかけて救急車を呼びます。
しかし、次のような場合は迷わず110番にかけて、警察に通報しましょう。
【すぐに警察を呼ぶべき状態】
- 部屋中にハエが湧いている
- 異臭を放っている
- 多量の血が渇いている
- 当事者と連絡がつかなくなり、数日~数週間が経つ
救急車や警察が到着したら、それぞれの指示に従って行動してください。
孤独死を発見した、その後の流れを詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
5.孤独死を防ぐゴミ屋敷の清掃ならリスクベネフィットにお任せください
もしもあなたの家族がゴミ屋敷に住んでいたり、ゴミ屋敷で孤独死してしまったというのであれば、特殊清掃の専門家集団である株式会社リスクベネフィットにまずはご相談ください。
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- 国際機関(WHO・CDC)の認定を受けた、新型コロナウィルスにも対応した唯一の除菌工法
清掃時には、特殊光を用いて臭いの発生源である体液残りを確認しながらの清掃を繰り返すほか、清掃後にも専用の機械を使って数値化して提示することができます。
これは、賃貸住宅の原状回復を求められた場合にも、管理者に提出できる唯一のエビデンス(証拠)となるものです。
「近隣の方にできるだけ迷惑をかけたくない」
「もしも残せるなら残して欲しい遺品がある」
という遺族様にとっても、
「賃貸住宅の価値をできるだけ落としたくない」
という管理者様にとっても、高い清掃品質で応えられるのはリスクベネフィットならではです。
確実で高品質なゴミ屋敷の特殊清掃は、ぜひリスクベネフィットにお任せください。
6.まとめ
今回は、ゴミ屋敷と孤独死について解説してきました。
ゴミ屋敷の中では、死につながる危険が多いだけでなく異変が外から見つけられないことで、孤独死が起こりやすいということをお伝えしました。
この記事をもう一度確認しておきましょう。
◯ゴミ屋敷が孤独死になりやすいのは、次の3つの条件が揃っているから
- ゴミ屋敷に住む住民は一人暮らしかつ高齢者の人が多いから
- 異変が外から気づかれにくい環境だから
- ゴミ屋敷ならではの事故や病気の可能性があるから
◯悲惨な孤独死を防ぐために、ゴミ屋敷を早急に片付けることが重要
そのままにしていると、ゴミは増え続けて、決して減ることはないため、ゴミ屋敷は早急に片付けます。
◯悲惨な孤独死を防ぐために、ゴミ屋敷を早急に片付けることが重要
- まずは特殊清掃業者にゴミの回収と清掃を依頼する 重要
- 定期的に連絡を取る
- 心身状態の改善を図る
この記事が、ゴミ屋敷での孤独死という哀しい事態を少しでも減らし、あなたの大切な家族を守るお役に立てますように願っています。
ゴミ屋敷は孤独死のシグナルです。
家族の異変を見逃さないで上げてください。救える命がそこにはあるのです。